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性別で判断されたくない人はどうすればいいのか

アンケートとか調査とかもっと言えば公文書とかでもなんでも良いと思うんですが、名前記入欄に余計な情報を書きたくねーなと思った場合について世界がやや軟化しつつあるみたいなニュースを見ました。

ヘッダ写真をお借りしています。

額面通り受け取るなら、性別を名乗りたくない人向けの話題だと思います。性別を名乗りたくないという日本語が正しいかどうかぼくには関係ありませんが、女と男という2つだけの性別どちらかを選ばねばならないという生き方はまるで自分にとっては正しくないと思う層は今や一定数いる。

だからそんな人達のために、「女か男かを必ず選んで、その情報をこちらに明け渡して養分になってね!!」などと表明しているも同然である前時代的なアンケを渡していたら現代を生きる企業としてのモラルが疑われる。時代錯誤だとコケにされる。

そういう体裁を保つためにだんだん世間がこのような形にシフトしている中のひとつに過ぎないのでしょうが、ここへ来てじゃあ性別そのものを貴様らになど教える趣味など持ち合わせておらんわ、という人に対しての配慮はおこなわれないのだろうか?とぼくは思った。アメリカの履歴書はたしか性別どころか年齢も書く必要ないですよね?つまり日本に限っては自社に関わり合いを持とうとする相手に対してはどんだけ個人情報を吸い取っても良いという認識が慣例化―――――悪習化していて、その上にあぐらをかきっぱなしで、その認識のゆるさを改めようとしていないことがわかる。

むしろ企業側は潜在顧客の個人情報をいくらでも利用、奪い、蹂躙していいと考えている。

「猛反発」とまで表現されているということは、このおっさんらは人様の個人情報を当然自分たちの財産にしていいと思ってるし、自社の商売を潤わして金儲けするために使って当然だと考えているレベルの姿勢を持っていると読み解けますね。

「最終局面で事業者団体からの強い反対があり、当初の想定よりも大幅に後退する案になったことは大変残念だ」「消費者団体の声があまり反映されずとても残念だ」

「消費者ごときが企業様の営利活動に口出ししていいと思っているのか?さっさと貴様の個人情報を洗いざらい明け渡せ」と事業者団体のおっさんたちが考えていて、実際に口に出している様子がありありと思い浮かべられる気がするんですがこれって高飛車な考えでしょうか。欧州でCookieの情報を第三者がいけしゃあしゃあと貰う場合に消費者がそれは嫌だねと言えるケースが確立されたから、日本で同じことをされないようにしようと一生懸命水際で悪あがきしているのとどう違うのか説明してほしい。

ともあれ履歴書にしてもパスポートにしても―――――パスポートはまた問題が根深そうなので言及を避けますが―――――本来、能力を測るという目的上なら必要ないはずの情報を漁ろうとしていることは、学歴でフィルタリングする行為が横行しないことには現代の採用活動が成り立たないことからも明白である(人事部だけでエントリーシートを全見[ぜんみ]することは不可能である。大企業のエントリーシートは全社員でカバーする形で読まれ、その際に少しでも工数を減らすためまず大学名で書類通過が決められる)。

性別や年齢も含めて判断されたい、つまり歳や性を採用基準に含めて検討してほしい人だけ履歴書やエントリーシートに書きゃいいんじゃないだろうか。なぜはじめから、「採用選考を受けたい人の全員が全員、全ての個人情報を赤裸々にうちの会社に渡したいと思っている」などと思えるのだろうか。企業とは、慣例にあぐらをかいているだけでここまでふんぞり返った態度が取れるのだろうか?疑問は尽きない。

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