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騎士団長殺しを読み返したくて不確かな壁が読み始められない / 殺害のメタファー

ぼくは騎士団長殺しを読み終わった時の感想として室が小径のメタファーとか意味不明なことを言ったけど、小径のメタファーとは柚子に過ぎなかったことを失念していた。ヘッダ画像をお借りしています。

その前回

このように騎士団長殺しには読み返すことで理解できる事象が信じられないぐらいある。かつてこんな本が同じ作者の本でもあっただろうか?ぼくがあまりにも早熟な頃にそれらを読んでしまったため実際あるかもしれない。

だから個人的には今からでも全部読み返す価値がその本群にはあるんだけど、それはあまりにも個人的過ぎるのでまた読んだ時に書けばいいでしょう。

騎士団長殺しでは最初期に柚子が不倫します。それで主役はドライブ・マイ・カー状態になるんだけど、読者は割となんでだろう状態だった。

でもそれも同じ最序盤に書いてある。老人の茸取りが熊に殺された。俺はどちらかと言えば熊に感情移入する、と明かされる。非常に細々と明かされる。つまり柚子の不倫について殺意を持っていたと考えてもおかしかないんじゃないか。不倫なんて人が人を殺す理由として物語では頻繁に成立する。現実にやれとか言ってるわけじゃないですよ。

果たして主役がドライブ・マイ・カーしたのは殺意を抑えるためだった。その怒りは800ページぐらい後に実際に騎士団長がぶっ殺されることに帰結するのだろうか?ぼくにはわからない。なんで急にこのマスコットキャラクターみたいな(人によっては)かわいい(とか錯覚してしまってもおかしかない)騎士団長をぶっ殺さなければならないのか。それも主役自身が。

するとここで騎士団長が「本来(主役に)ぶっ殺されるべきだった生き物」の代わりにぶっ殺されたのだと捉えることができてしまう事実にぼくは驚愕した。つまり騎士団長とは柚子と雨田政彦の部下いずれかのメタファーであることになる。だって、この物語はメタファーまみれの話なのです。そこにすらメタファーが潜んでいると捉えたって、ぼくは石を投げられずにすむんじゃないだろうか?……

ドライブ・マイ・カー状態になる前に、主役は柚子と雨田政彦の部下をぶっ殺したくなった。ぶっ殺さなかったからこの物語が物語として成立した。さすがに柚子の不倫について、免色がからんでいることは一切ないとは思うけど、主役が柚子はもちろん雨田政彦の部下をぶっ殺さなかったから主役はあえなく免色に利用される羽目になり、免色の最愛の人間を助けるために騎士団長をぶっ殺すという路を進むことになった。どういう話だよ

このままだとどういう話だよで終わってしまうので、明日以降もう少し考えましょう。

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