[短編小説] ココロの置き場所
大きくて、暖かな何かが、ふわり、と私を包み込む。
忘れていた衝動が、体の奥からふつふつと湧き上がり、私の血管、髪の毛、筋肉、骨に至るまで、マッハで駆け巡る。
体の芯から、何かが震え出し、私の内側から外側に向かって振動する。
この中は、なんて暖かくて、気持ちがいいのだろう。
思考回路がだんだんと麻痺していくのが、自分でもわかる。
目も、口も、毛穴も。
体中の穴という穴が半開きになり、そこから黒くてどろりとしたものが、ゆっくりと流れ落ちる。
今まで私の皮膚の下で、どろどろにたま