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夜の帳に銀の星 ―🎬時空を超える活動寫眞🎦―

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2019年5月の記事一覧

Citizen Kane ②ーROSEBUDー

Citizen Kane ②ーROSEBUDー

Rosebud(薔薇のつぼみ)。

『市民ケーン』の主人公、チャールズ・フォスター・ケーンが最期に遺した言葉。
この言葉の意味を探るため、新聞記者が故人の関係者に取材し、彼らを通じてケーンの人生が語られるというのが、この映画の進行である。

旅の最後に記者は言う。

ケーン氏は欲しい物をすべて手に入れて、そして失った人なんだ。たぶん薔薇のつぼみは彼が手に入れられなかったか、失った物なのだろう。とに

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名探偵ピカチュウが、ポケモンのハリウッド映画定番化のキッカケになってほしい

名探偵ピカチュウが、ポケモンのハリウッド映画定番化のキッカケになってほしい

本日は家族で名探偵ピカチュウを鑑賞。
試写会にご招待いただき記事を書いた関係で、招待チケットを頂いてしまったんですが、息子たちのポケモン属性を考えたら、これは見ますよね。
アニメが当然だったポケモン達が実写(CGですが)になってスクリーンを所狭しと駆け回るのは、なかなかしみじみする体験でした。

アニメのファンからすると実写化は違和感もあると思いますが、次男はすっかり夢中になってました。子供ってそ

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もっふもふのライアン・レイノルズと駆け抜ける『名探偵ピカチュウ』

もっふもふのライアン・レイノルズと駆け抜ける『名探偵ピカチュウ』

 オタクの夢を叶えてくれることに定評のあるレジェンダリー・ピクチャーズが、またもや日本へのリスペクトを捧げたスゴイ作品を作り上げた。ポケモン初の実写化にして、題材は3DS専用ソフトとして発売された『名探偵ピカチュウ』。原作では大川透による渋い声で話すピカチュウが話題になったが、本作でボイスキャストを務めるのはライアン・レイノルズ(吹替え版は西島秀俊)。このキャスティングは確信犯と言っていいだろう。

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カメ止めのスピンオフが壊してしまった「広告」と「映画」の境界線

カメ止めのスピンオフが壊してしまった「広告」と「映画」の境界線

この記事は2019年4月18日にYahooニュース個人に寄稿した記事の全文転載です。

平成最後にして最大の番狂わせとして歴史に名を刻むであろう、映画「カメラを止めるな!」の熱狂が、日本アカデミー賞の授賞式と、金曜ロードショー放映というピークを迎えてから、はやくも1ヶ月がたちました。

金曜ロードショーでは、異例の冒頭40分ノーカット放映を敢行し、視聴率も11.9%で今年最高を記録。
映画館の動員

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