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遊び場と匣の向こう側:ビデオゲームと少年少女たち

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「ゲームとは、芸術の一形態であり、プレーヤーと呼ばれる参加者が目標達成を目指して、ゲームトークンを介して資源管理のため意志決定するものである」(グレッグ・コスティキャン)  「… もっと読む
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2022年11月の記事一覧

「ゲーム性」という言葉について自分なりの考えを語りたい

「ゲーム性」という言葉について自分なりの考えを語りたい

 少し前に、桜井政博さんの動画が発端となり、「ゲーム性」にかんする話題がトレンドに上がっているのを見ました。ゲーム性という言葉についてはぼくも昔から思うところがあったので、少し書いてみたいと思います。

「ゲーム性」にかんする古くて新しい議論

 ゲーム性なる言葉にはすべての人が共有する定義はないので、その言葉を使うことを否定的に捉える開発者の方は珍しくありません。強く否定はしないけれど自分では使

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未来の博物館は「ゲームエンジン×地球科学」で再定義される(古生物学者・芝原暁彦さんインタビュー)

未来の博物館は「ゲームエンジン×地球科学」で再定義される(古生物学者・芝原暁彦さんインタビュー)

スマートフォンやPC、VR機器など、さまざまな環境からバーチャル空間に集って遊べるメタバースプラットフォーム「cluster(クラスター)」。その中に、Unityで制作された恐竜の化石標本などを展示する博物館「メタバース地球科学ミュージアム」があります。

制作者は、福井県立大学客員教授であり、産業技術総合研究所発のベンチャー「地球科学可視化技術研究所」所長である古生物学者の芝原暁彦さん。新型コロ

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特別編 ファミコンカセットのライセンスの歴史を調べていったらおかしなことに気がついた

この記事はナムコvs任天堂を読んでおくと、より深くお楽しみ頂けます。

私の記事を読んでくださっている方には周知の事実かと思いますが、ファミコンのカセットには大きく分けて二種類が存在します。任天堂がつくる「委託生産」方式のカセットと、メーカーが独自でつくる「自社生産」方式のカセットです。ナムコは一番有名な自社生産のメーカーかと思いますが、その形状が任天堂のものとは違い、独特の形状です。

これは実

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二大企業大激突! ナムコvs任天堂 後編 -戦いの先にあるものへ-

二大企業大激突! ナムコvs任天堂 後編 -戦いの先にあるものへ-

前編はこちら

進まぬ海外展開と、関係悪化

1988年頃の国内市場はファミコンブームが冷めたわけではないのだが、一時のような熱狂的な加熱はなくなってきた。成長が鈍化しつつあったのだ。任天堂はかわりにアメリカに注力する。海外展開に成功し、アタリショック後のアメリカ市場を切り開き、大きな利益を得るようになったのだ。
コナミはこのビッグウェーブに乗り遅れないよう、すぐさまNintendo Of Ame

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二大企業大激突! ナムコvs任天堂 前編 -仁義ある戦い-

二大企業大激突! ナムコvs任天堂 前編 -仁義ある戦い-

はじめに

西に任天堂あり。京都に本社を構える世界的娯楽企業である。

東にナムコ(現在バンダイナムコホールディングス)あり。東京に本社を構える世界的娯楽企業である。

この二つの企業は、現在ゲーム業界で非常に大きな影響力を有している。同時に、まだ未成熟で小さかったゲーム業界を牽引し、今に至る歴史を支える重要なキーマンだ。

そんな二社であるが、かつて関係が最悪領域に到達し、裁判所を巻き込んだ大激

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音ゲーマーが格ゲーを始めて1ヶ月真面目にやった結果

アウトプットすんのは大事よね、ってことで

1. 始めるきっかけそれはそれは仙台に、プレイランドエフワンrってゲーセンがあったんじゃよ……
そのゲーセンが2022/10/10に惜しまれつつも閉店
音ゲー(というかIIDX)で一時代築いたゲーセンでもあるが、それはこのゲーセンのほんの一部でしかなく、仙台の格ゲーの聖地であった
オレはIIDXやりながら、時々ぷよぷよの大会とか、店員さんが引っ張り出して

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ゲームの中で、なぜ僕たちは高いところに行きたがるのか?

ゲームの中で、なぜ僕たちは高いところに行きたがるのか?

「ゲーム世界に高い塔があったならば、そのてっぺんまで登れるように設計しておかなければならない」

 これはゲームのマップデザインの基本です。大作ゲームと呼ばれるものは、みんなそのように作られています。

 なぜか。人間とは、そうい生き物だからです。高いところがあると、その頂上に立ちたくなる。「馬鹿と煙は高いところに行きたがる」とはよく言ったもので、せっかくゲーム世界という非現実空間にいるのだから、

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東京ゲームショウに出現する異世界・ファミリーゲームパークの魅力

東京ゲームショウに出現する異世界・ファミリーゲームパークの魅力

 東京ゲームショウの話をしましょう。今年(2022年)は9月21~24日に開催されました。

 第一回から(コロナでオンライン開催になった回を除いて)、わたしは全部のゲームショウを現地取材しています。取材の依頼があるから――というビジネス的な理由もありますが、行くたびに「やっぱり面白い」と感じているから、というのが欠かさず訪れている最大の理由です。

 どんなところが、そんなに「面白い」のか?

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個人のハッピー、エンタメ、社会貢献。3つがブロックチェーンゲームでなら叶う

個人のハッピー、エンタメ、社会貢献。3つがブロックチェーンゲームでなら叶う

ぼくはいま、ゲームをつくりながら、未来を開発しています。

ん? 未来開発??

ハテナが頭に浮かんだ人も、少なくないでしょうか。

ゲームに人生を捧げてきたぼくは、ゲームの力を誰よりも信じています。だから、その力を生かすことで、簡単には解決できない世の中の課題を解決していける。そう考えているんです。

そんななか出会ったのが、インフラという社会課題を『TEKKON』というゲームで解決することを発

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2023~2024年、ゲームファン的には円安がおさまっていてほしい、という話

2023~2024年、ゲームファン的には円安がおさまっていてほしい、という話

 2022年秋。猛烈な勢いで円安が進みました。一時は1ドル150円くらいまで行きました。困ったものです。

 Nintendo Switchが発売された2017年3月、1ドルは114円くらいでした。だからNintendo Switchの米国の価格は299.99ドル、日本の価格は29980円でした。PlayStation5が発売された2021年7月。1ドルは110円くらいでした。だかPlayStat

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ゲームで死ぬと本当に死ぬVRゴーグルを開発してるOculus創業者に感じる発明者の凄さ

ゲームで死ぬと本当に死ぬVRゴーグルを開発してるOculus創業者に感じる発明者の凄さ

これ凄まじい話ですよね。

私はForbesの記事でこのニュースを始めて知ったんですが。

Oculusの創設者であるパルマー・ラッキー氏が、ソードアートオンラインの「ナーヴギア」と同様の、メタバースのゲームの世界でプレイヤーが死ぬと、現実世界のプレイヤーも連動して死んでしまうと言うVRゴーグルを開発中であることを発表したそうです。

検索したらすでにライブドアニュースでGIGAZINEの記事がバ

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