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ゲームの流通の歴史を調べています

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初心カイの書斎と、今後の記事予定リスト

私の持っている本の一覧です(随時更新予定です)。もし「この本は絶対に読んでおいたほうがいい!」みたいな指摘がありましたら、どんどんどうぞ! 書籍(順不同) ゲームの歴史 1-3  岩崎夏海 稲田豊史 日本デジタルゲーム産業史 小山友介 ゲームに人生を捧げた男たち 石井ぜんじ それは「ポン」から始まった 赤木真澄 日本が変わる、会社が変わる 田原 総一朗 GAMEgene Vol.1 (ゲーム・ジーン)  ゲームの時事問題 (ファミ通ブックス)  平林 久和

    • あとがきと、プレイステーション0についてちょっとだけ 幻に終わった対任天堂共同戦線 セガ&SCE

      お疲れ様でした。 今回の創作部分は皆様お気づきの通り、SFCのCD-ROM拡張機器プレイステーション0周りなのですが、ここについてお話するまえに少しだけ脱線させてください。 Twitterのほうでもちょこっと触れたんですが、Pixiv百科事典のNintendoPlayStationの項目なのですけれども。 ここの記述がだいぶ間違っているというか、完全に断言しちゃっててびっくりしました。ちょっと色々とツッコミをいれていきます。 誕生していないです。このプレイステーション

      • 幻に終わった対任天堂共同戦線 セガ&SCE

        1990年代初頭、某所にて今後のゲーム業界を大きく左右する二社合同技術研究会が行われていた。 その研究会に参加していたのはセガの佐藤秀樹。後にセガ社社長にまで上り詰め、セガハードの父と呼ばれる男だった。セガ内のエース中のエース、アウトランとスペースハリアーを作った男、鈴木裕もいた。 そしてさらなる男がいた。ソニーの久夛良木健。プレイステーションの生みの親である。 彼らを中心にセガ、ソニー両社の技術者たちが机の上に並べられた資料を持って喧喧諤諤の大議論が行われた。その資料と

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        • とてもすごくよくわかる「任天堂チェック」の歴史

          2023年は任天堂がファミリーコンピュータを世に出してから40周年にあたります。おめでとうございます。 まだ動く個体のファミコンが存在することに驚きます。私はファミコンと同世代なのですが、最近は体にガタがくるようになりました。どれだけ耐久力あるんでしょうね、ファミコン。 それほど長い歴史を有しているファミコンなのですが、おかげで少しばかり誤解の種が存在しているようです。それは「ファミコンは厳しい任天堂チェックを行っていたので、クソゲーは発売できなかった」というものです。これ

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        • ゲームレビュー
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        • マルチメディアは幻想か -3DO-
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        • もう一度立ち上がれ、Xbox -再建者フィル・スペンサー-
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        • 任天堂の社長になれなかった男 荒川實
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          「クリエイター」のほうに近づいてから感じたこと

          私が初心カイを名乗ってから早いモノで一年以上が経ちました。 はてな匿名ダイアリーで「初心会興亡記」を書いたのが一昨年の5月なので……もうちょっとすれば活動を始めて二年になります。まさか自分が書いた文章でお金を頂ける立場になるとはそれまで思っていませんでした。ちなみに稼いだ金額は、時給換算にすると最低賃金以下です。しかし記事を購入してくださった方々には感謝の二文字以外ありません。おかげで資料が買えています。本当にありがとうございます。 初心カイを名乗ってからは、私は「人様に読

          判決文を読んでみよう! ─エムブレムサーガ編─

          0.はじめに 2001年7月、任天堂が裁判所に対してとある訴訟を起こしました。 相手先はファミ通の発売元であるエンターブレインと、有限会社ティルナノーグ。目的はとある一本のゲームの販売差し止めと、賠償金支払い。そのゲームソフトの名前は「ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記」。 これが有名なエムブレムサーガ裁判の発端です。これは一部任天堂が勝訴しつつもかつ、「クリエイターが別会社で似たような作風の作品をつくっても問題がない」という判例が下ったことで有名です。ある種、ゲームの

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          「ゲームの歴史」を読みました / PS1に任天堂のDNAは宿っているのか?

          岩崎夏海氏・稲田豊史氏共著の「ゲームの歴史」1-3巻を読みました。 この本は「ゲームの歴史」を謳っていますが、歴史教科書的に事実の羅列で済ますのではなく、ある程度出来事とそのリアクションを掘り下げ、そこから自身の主張を搦めて一つの大きな物語を紡ぐ読み物になっています。いうなれば私の書いている記事の、もっともっと先をいった進化版のようなものです(プロの作家さんは本当に凄まじいですね)。 その上でその絡めた主張というのもなかなか面白く、「ゲームの根本はハッキングである」という

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          魂を受け継ぎし者達の物語 ─悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲─

          TVゲームという遊戯が誕生して50年が経った。その長い歴史のなかで、大正解を引き当てたゲームがいくつも存在する。 ダッシュと無段階空中制御が横スクロールアクションで気持ちいいと知らしめたスーパーマリオブラザーズ。 親切丁寧なチュートリアルと、絶妙なゲームバランスでJRPGの基礎を作り上げたドラゴンクエスト。 分岐点が存在し、音も画像もでる文章を読み進めるサウンドノベルという新機軸を生み出した弟切草。 こういったゲームはその後、類似した作品を幾多にも生み出し、一つのジャンル

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          特別編 ファミコンカセットのライセンスの歴史を調べていったらおかしなことに気がついた

          この記事はナムコvs任天堂を読んでおくと、より深くお楽しみ頂けます。 私の記事を読んでくださっている方には周知の事実かと思いますが、ファミコンのカセットには大きく分けて二種類が存在します。任天堂がつくる「委託生産」方式のカセットと、メーカーが独自でつくる「自社生産」方式のカセットです。ナムコは一番有名な自社生産のメーカーかと思いますが、その形状が任天堂のものとは違い、独特の形状です。 これは実際に見れば簡単に判別可能です。 このような形は任天堂が作っているものです。一方

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          ナムコvs任天堂 あとがき

          ごめんなさい(初手謝罪二回目です)。 肝心要の部分の多数を私の脚色で補っています。毎度のことですが、今回は本当に、本当に思惑の部分がさっぱりわからないので、整合性がつきそうな説明を勝手に此方で行っています。以下、脚色部分の解説です。 1975年のアタリジャパン買収で、中村製作所との仲が悪くなったわけではない、という解説は、翌年要人の行き来が行われ記念撮影も行われているために書いたのですが、本当に仲が悪いわけじゃなかった、というのはちょっと疑問符がつきます。 なぜならアタリ

          二大企業大激突! ナムコvs任天堂 後編 -戦いの先にあるものへ-

          前編はこちら 進まぬ海外展開と、関係悪化 1988年頃の国内市場はファミコンブームが冷めたわけではないのだが、一時のような熱狂的な加熱はなくなってきた。成長が鈍化しつつあったのだ。任天堂はかわりにアメリカに注力する。海外展開に成功し、アタリショック後のアメリカ市場を切り開き、大きな利益を得るようになったのだ。 コナミはこのビッグウェーブに乗り遅れないよう、すぐさまNintendo Of America(NOA)と契約し、NES向け用ゲームソフトを発売し、売上を伸ばした。

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          二大企業大激突! ナムコvs任天堂 前編 -仁義ある戦い-

          はじめに 西に任天堂あり。京都に本社を構える世界的娯楽企業である。 東にナムコ(現在バンダイナムコホールディングス)あり。東京に本社を構える世界的娯楽企業である。 この二つの企業は、現在ゲーム業界で非常に大きな影響力を有している。同時に、まだ未成熟で小さかったゲーム業界を牽引し、今に至る歴史を支える重要なキーマンだ。 そんな二社であるが、かつて関係が最悪領域に到達し、裁判所を巻き込んだ大激突をしたことがあったことを把握している人はどれほどいるだろうか? この記事はそ

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          ウルトラマンZのセブンガーが最高な理由について

          ※本記事はウルトラマンZのネタバレに容赦ありませんが、インターネット利用者のウルトラマンZ履修率は100%であるため問題ありません。 人間の3大欲求をご存知でしょうか? そう、食欲、睡眠欲、新型機のピンチに駆けつける引退済みの旧型機欲の3つです。 ウルトラマンZの特空機セブンガーはこの欲に完璧に応えてくれました。最終回の雄姿に年甲斐もなくテレビの前で声をあげることと相成りました。 この「新型機のピンチに駆けつける引退済みの旧型機」はある種の王道ネタではありますが、我々は

          3DO記事 あとがき

          難産でした。 いろいろと書き上げている最中も資料を取り寄せて訂正していったのですが、その資料も肝心要の松下の狙いが抜け落ちていて何をどうすればええねん的状況に陥り、得意技である「一番もっともらしいストーリーライン」に作り込むことに専念して3DO記事は生まれました。想定以上の反響があって驚きました。ありがとうございます。毎度のごとく、脚色部分と事実とは違う箇所の解説を致します。また、本編に入りきれなかった小ネタも紹介します。 loderunさんからご指摘がありました箇所は「

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          3DO -誕生から崩壊へ至るまでのクロニクル- 後編

          前編はこちら 中編はこちら 現れた二人の天才。――そして悲劇は訪れる 松下も、三洋も、なりふりかわまずソフトメーカーに誘致をかけた。その多数はろくな結果を生んでいない。オープンプラットフォームを標榜し、規制も弱かったため、18禁の実写取り込み脱衣ゲームも出た。カプコンがストリートファイターⅡXの独占販売(このゲームは長らく3DO以外に移植されなかった)をしてくれたことがほぼ唯一の優位性であった。 しかしその姿勢は二人の天才を呼び込むことに成功した。一人は飯野賢治である

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          3DO -誕生から崩壊へ至るまでのクロニクル- 中編

          前編はこちら 3DO REALの誕生 話が前後するが、1993年1月、北米最大の見本市コンシューマ・エレクトロニック・ショーにて松下が提供する世界初の3DO規格プレイヤー、「3DO REAL」がお披露目された。そのデモで示された性能は当時のライバル、SNESとGENESISを凌駕し、GENESISのアップグレード機器SEGA CDをも上回っていた。 ただしこの段階ではあくまでAT&Aのモデムやセットトップボックスユニットというのは構想の一つ程度のものでしかなく、具体的なプ

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