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読後感を保証するコラム

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ハッピーエンド至上主義者による、絶対上向きにおわる話。後味だいじ。いちばんだいじ。
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#言葉

謎は謎のままでずっとずっと魅力的だった。切り裂きジャックとアナスタシアとカスパー・ハウザー。

謎は謎のままでずっとずっと魅力的だった。切り裂きジャックとアナスタシアとカスパー・ハウザー。

切り裂きジャックが判明したと、メディア記事がでていた。
(ただし信憑性は不明)

ときは、19世紀、蒸気と石炭のロンドン。
既存の富はかたむき、あらたに成金があふれ、クジャクのように社交界になだれこんでいた。
ねずみのように貧しい孤児たちは、煤だらけで炭砿にたむろする。
世紀末ロンドンの貧民街に、連続殺人がおこる。
その身を散らしていくのは、街角にたつ売春婦たち。
えぐられた内臓、のこされた血文字

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新時代にいきる女性たちへ。智恵子抄、高村智恵子の悲劇のあとにも残り続けるもの。

新時代にいきる女性たちへ。智恵子抄、高村智恵子の悲劇のあとにも残り続けるもの。

みどりの黒板いっぱいに、まるっこい字で、先生が書いている。
その日が、4月のはじめての授業だった。
中学2年生相手に、先生は好きなことばを書いている。
20代後半くらいにみえた。
よく通る声の、華奢な国語教師だった。
黒いショートカットに、くっきり二重の眼は、くろぐろとしていた。

文豪のことを、略して呼んだ。
鴎外、太宰、漱石、賢治。
中学2年生には衝撃だった。
ともだちのように、見知らぬ人を呼

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