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2018年8月の記事一覧
浅生鴨さんに会ってきたかも(予告編)
大事なことほど、始まりが思い出せない。昔からそうなのだ。それで面倒くさいことになったり、ならなかったりもしたけれど、まあ仕方ない。思い出せないものは思い出せないのだし。
そんなわけで今回、浅生鴨さんにお会いして新刊『どこでもない場所』についての話を聞かせてもらうことになったのだけど、そのきっかけが例のごとく定かではないのだ。すみません。
もしかしたら、そのうち思い出すかもしれない。ともかく
40年前の「声」が生々しかった
《私も五十を過ぎましたので、私の中の黒い部分も五分の二になりました》――。
今から40年ほど昔に出版された古本のページで、こんなことばと出会ったことがある。
どうやら、その本は一般のご婦人と呼ばれる人たちの手記を集めて編集したものらしい。だからといって、21世紀のコンビニやショッピングモールの書店で見かける「本当にあった~」みたいな告白手記本的な匂いはまったくしない。
書かれている日本語
僕だけが何も知らない
名前のない場所が好きだ。知ってる人は知ってるけれど、ほとんど誰も気にしたことがないエアポケットのような空間。
なんで、そんな場所に惹かれるのかは自分でもよくわからない。たぶん、馴染むからだと思う。そこでは名前も知らない人たちが、名前のない時間を過ごしている。そういうのが好きなのだ。
ビルに挟まれた昼下がりの小さな広場に僕はいる。ささやかな植え込みと変なところに窪みのある石のベンチがいくつか
平成最後の夏に会いに行った
73年前の夏も突然終わったんだ
おもしろいものだね
ほんとうに終わりがくるときってのは何もないんだよ
それまであんなに歩き回ってたはずなのに
あれもこれも待ってたはずなのに
何も思い浮かばないんだ ただ空が青くて
また来てくれてもくれなくてもいい
平成最後の夏はそれだけ言ってどこかに消えた
「よしくーん」と叫ぶおいちゃんの圧とメディアの戸惑い
滅多にリアルタイムでテレビを観ないのに、そのとき偶然飛び込んできた“おいちゃん”に捕まった。
二歳の男の子を光の速さで捜し出した、捜索ボランティアの“おいちゃん”だ。世間のニュース的情報をふだんから追いかけてないので、そんな事件が起こってることも知らなかったのだけど、おいちゃんの姿は鮮烈だった。
*
何かといえば、テレビに映る人にしては限りなく例外的に「自
宇宙から来たひっつき虫を剥がすには
何年もずっとずっと忘れていたのに、突然、脳に隕石でも当たったかのように思い出して読みたくなる本がある。
正確に言えば、忘れていたというより何十年という天体の周期的な巡りあわせで脳の視界に入ったのだろう。本という惑星の接近みたいなもの。天体のことはよくわからないけど。
『フリップ村のとてもしつこいガッパーども(原題:The Very Persistent Gappers of Frip)』と