福田純也 Junya Fukuta

言語・認知科学的なことを研究してるつもりの中央大学准教授。ここでは思ったことをそのまま…

福田純也 Junya Fukuta

言語・認知科学的なことを研究してるつもりの中央大学准教授。ここでは思ったことをそのまま呟くような感じでやってます。ここでの発信は自分の所属するあらゆる組織の見解とも無関係の個人的なものです。

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自己紹介風にやってきたことを長々とつづる記事

※他の記事は基本的には誤字脱字修正以上の加筆修正等を加えるつもりはありませんが、この記事は適宜大幅な加筆があります。(最終執筆:2023年8月5日) この記事はタイトルの通り、自分の半生を自己紹介風、かつ備忘録的に書き留めておく予定のページです。大学・研究機関とは異なる、いろいろなところでお話し、自己紹介をする機会が増え、そのたびに自分自身について色々な質問を受けるのですが、こちらに綴っておいてリンクを紹介すればいろいろ捗るかなと思いました。というわけで、同業者を対象に書い

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    • 捕食的ジャーナルに接触した思い出

      あるときこういうツイートが流れてきて記事を読んだ。 ここでいうハゲタカジャーナル(predatory journal)というのは、典型的には査読付き論文誌のようであってちゃんとした査読プロセスを経ずに簡単に論文を出版させ、論文の著者から高額の論文掲載料を徴収する的なビジネスモデルのオープンアクセスジャーナルのことである。 「ハゲタカジャーナル」という呼称についてはいろいろ議論があるが、とりあえずここでは英語直訳の「捕食的ジャーナル」という風に読んでおく。 私の身の回りで

      • オンラインの実験がGorilla Experiment Builderで簡単にできるという話

        ※この記事に書いてあるGorilla Experimental Builderの仕様などの内容は、すぐ変更される可能性があるので、自分で使うときは自分で調べてくださいね! なんかそういう時代らしい近年は心理言語学的実験もオンラインでやるのが一般的になってきたようだ。 私が大学院生のときは、HSPで実験をプログラムして、大学生協の前で実験参加者募集のビラを配って人を集め、研究室に来てもらって実験を行うというパターンが多かった(私の周りはみんなそんなことしていた)。ここのとこ

        • 2023年の振り返り

          いつもは振り返り記事が年越しに間に合いそうにないということで、年明け前に先に内容のない記事を公開だけしておいて後で書き直すメソッドを採用していましたが、今年くらいはなんとか間に合わせようと、ちょっと早めに書き始めました。 今年一年の全体的な感想ここのところ毎年、「今年は人生で一番忙しかった…」と言っているのですが、今年は間違いなく人生の中で一番忙しかったです(自分比)。世の中にはもっと忙しい人はいくらでもいるでしょうが、そもそもキャパが少ない自分が、毎日のスケジュールの隙間

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        自己紹介風にやってきたことを長々とつづる記事

          Cambridge Language Sciencesでプロジェクトを取り上げてもらいました

          せっかくなのでいつかここに記事を書いて残しておこうと思ってたのになんだかんだ時間取れずに(時間取れそうなときもなんか気が向かなくて放置しているうちに)今更感がすごくなってしまいましたが、Cambridge Language Science Interdisciplinary Research Centreのウェブサイトに私が主任研究者(PI)を務めるプロジェクトの紹介が掲載されました。 Research collaboration with Chuo University

          Cambridge Language Sciencesでプロジェクトを取り上げてもらいました

          SLAは言語教育の役に立たないか?

          第二言語習得研究(SLA)をやっていると何度でも訪れる問題である。 私は、いくつかの学部・大学院で授業を受け持っている。これからさまざまな分野に参入していく学生たちにとって、今自分たちが学んでいる内容がどのくらい「役に立つのか」というのはとても悩ましいことだそう。分野によって研究の意義っぽいものを示しやすいところもあれば、基礎研究方面だとなかなかわかりやすい「価値」を見出しづらいかもしれない。 私が受け持つ授業で、これまで学んできた内容と英語教育がどのように関わるかという

          SLAは言語教育の役に立たないか?

          拙編著『第二言語研究の思考法』が出ました

          私が編著者の一人として参加している本が、本日11月10日に、くろしお出版より出版されたようです。Amazonで購入できます。 出版日にさきがけて、日本第二言語習得学会(J-SLA)のブースでは本書が先行販売されました。2日間で25冊ほど売り上げたと伺っています。ありがたいことです。 想定読者ヒトの第二言語の発話や理解を可能にしているシステムや、その習得メカニズムに興味がある研究者(大学院生を含む)を対象にしています。ある程度、このような研究をしたことがあるとか、しようとし

          拙編著『第二言語研究の思考法』が出ました

          アウトリーチの可能性と必要性についての思いつきメモ

          アウトリーチ活動の一環として本を書いたりYoutubeに出たりしていたら、そこから私にアクセスしてくださる方々が増えてきた。メールやウェブサイトの投稿フォーム、マシュマロなどメッセージを受け取る媒体はさまざまだが、その内容を読むと「こんな領域の人も関心を持つんだ」と驚くことが多い。それも、「言語に興味があります!」というコメントだけではなく、「自分のやっている仕事にこういうふうに活かせそうなので…」とか、「今立ち上げようとしているプロジェクトと関連して…」とか、全く異なる研究

          アウトリーチの可能性と必要性についての思いつきメモ

          IRALから論文を出しています

          最近、応用言語学の学術誌 IRAL - International Review of Applied Linguistics in Language Teaching から、愛知工科大学の寺井雅人先生が筆頭の論文が出版されました。 Terai, M., Fukuta, J., & Tamura, Y. (2023). Learnability of L2 collocations and L1 influence on L2 collocational represent

          IRALから論文を出しています

          溜まっていたマシュマロの質問に答えます2

          気が付いたら、最後にマシュマロに答えてから7か月が過ぎていました…。いま採点シーズンで単純作業につかれてしまったので、その合間を縫って、こちらでお答えしたいと思います。またまとめての回答になり申し訳ございません。 博士号を3年で取るって無理ですか? 3年間で取る人はたくさんいるので、無理ではないでしょう。ただ3年という短い時間で博士課程を終えることがいいかどうかはわかりません。私はもう少し長くいられればよかったと思うこともあります。 MIT Working Papers

          溜まっていたマシュマロの質問に答えます2

          反証可能性は万能ではない≠反証可能性は大事ではない

          某所で、「反証可能性で科学とそれ以外を線引きできるわけではない」というような発言をしたら、「それってあなたの感想ですよね。そんなんだから文系はバカにされるんです。勉強してください(要約)」というようなことを言われてしまいました。最近twitterでもそんな感じの議論を見たので、そういう考えの人は結構いるのかなあと思ったりしました。 また似たような話に巻き込まれた時のために自分の考えを整理するために、ちょっとそれに関連する話があるので雑多なメモ書きを。 疑似科学と科学の間の境

          反証可能性は万能ではない≠反証可能性は大事ではない

          今年の振り返り

          いつも通り間に合いそうもないので、年明け前に先に公開だけしておいて後で書き直すメソッド。 1/14 本文追記ということでとっくに明けてしばらくたちますがいまさら2022年の振り返りを。 大学業務について 2022年度から、対面授業が再開されました。オンラインは出勤しなくていいという気楽さはありましたが、準備が恐ろしく大変だったので、これによってだいぶん負担が軽減された気がします。 また、対面で学生たちとコミュニケーションをとれたことで、授業自体も楽しく円滑に行えたと思い

          言語学と第二言語習得研究

          この記事は、以下のアドベントカレンダーに参加して執筆したものです(すみません、知人でない方が多く、無断で登録、こっそり執筆しました。これを機にお声がけ頂けますととっても喜びます)。 言語学な人々 Advent Calendar 2022 - Adventar 自分自身の懺悔も添えてこの記事を。 この記事は言語学を学んでそれをもとに第二言語習得研究(SLA)をやっている人にとっては今更な話かもしれませんが、この記事が第二言語(L2)に興味のある院生の研究のネタになってくれ

          言語学と第二言語習得研究

          溜まっていたマシュマロの質問に答えます

          Twitterを通じて、マシュマロを使って質問に答えますという広報をしたにもかかわらず、ちょっとバタバタしていてずっと回答できていませんでした。 質問がだいぶん溜まってしまったので、こちらでお答えしようと思います。ずっとお待たせしてしまってすみません…。 大学の公募に応募するときに複数同時に出していたかということでしょうか?私はあまりたくさんの大学に応募する機会がなかったので、応募が重複している時期はたぶんなかったような気がします。 ジャムってそもそも甘いので、甘さが控え

          溜まっていたマシュマロの質問に答えます

          久々の海外出張

          8月末から9月頭にかけて、コロナ禍になってからずっとできていなかった海外出張(渡航先はスイス・イギリス)をした。 久しぶりの搭乗8月24日にヒースロー空港行きの航空機に搭乗する予定になっていたが、朝早い便だったので羽田空港内のホテルに前泊した。ターミナルに直結したホテルで、空港内には24時間営業のコンビニもあるし、なかなか快適だった。 夕飯は空港内にたくさんあるレストランで食べればいいやと思っていたら、なんと空港内のお店はレストラン・お土産物売り場も含めて、空港に到着した1

          久々の海外出張

          志摩は先っぽがいいですよ〜大王町観光のススメ〜

          概要:三重県志摩市の先っぽにある大王町はいいところだよ。という記事。誰かに頼まれわけでもないので、私個人の独断と偏見の観光ガイドです。 私と志摩 このあいだ、僕のツイッターのプロフィール写真はどこかとお尋ねいただきました。 私は地元は名古屋と言っているんですけど、それは小学校のころから大学院修了まで長く住んでいたからで、その前は三重県に住んでいました。名古屋に来てからはわりと記憶がしっかりしているので、前のこの地域での生活がなんだかんだ自分の原風景を形作っている気がしてい

          志摩は先っぽがいいですよ〜大王町観光のススメ〜