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2023年の振り返り

いつもは振り返り記事が年越しに間に合いそうにないということで、年明け前に先に内容のない記事を公開だけしておいて後で書き直すメソッドを採用していましたが、今年くらいはなんとか間に合わせようと、ちょっと早めに書き始めました。

今年一年の全体的な感想

ここのところ毎年、「今年は人生で一番忙しかった…」と言っているのですが、今年は間違いなく人生の中で一番忙しかったです(自分比)。世の中にはもっと忙しい人はいくらでもいるでしょうが、そもそもキャパが少ない自分が、毎日のスケジュールの隙間を埋めるように予定を入れていくような生活をするとは思っていませんでした。おかげで、新作ゲームを週末に徹夜とかでやることになりました。

でもこれは自分の中では悪いことではなくて、私はメンタルの調子が悪いと時間があっても仕事ができなくなるし、仕事が苦痛だと忙しくすることもできなくなる人間です。基本的に学内業務に忙殺される職場ではないので、自分自身で仕事を引き受けたり着想したりして忙しくしているわけで、そういう意味では非常に心身ともに充実した一年だったと言えると思います。

大学業務について

今年から、理工学研究科で「ヒューマニティーズ・ランゲージサイエンス副専攻」がスタートし、そこでの業務を受け持つようになりました。これで、理工学研究科の授業1コマ、オムニバスで受け持ちの授業、そしてこれまでもやっていた文学研究科での授業が1コマ、と、大学院での受け持ちが増えてきました。来年からは、副専攻の修了要件であるリサーチペーパーの指導も始まるので、楽しみです。

それで、他大学での非常勤講師などを加えると、最大週10コマの受け持ちになる予定でした。これは大学教員の受け持ちコマ数としてはだいぶん多いほうだと思いますが、ひとつ集中講義が受講者0で不開講になったので、悲しいやら、若干余裕ができてほっとするやら。まあでも、授業は楽しいです。

また本務校内での大学運営系の業務は、去年とほぼ同じ割り当てでしたが、今年は組合の執行部の業務がなかったぶん、負担感が少なめでした。

研究について

今年は、中大に移ってきた年から仕込んでいたものが徐々に公開されてきた年だったと思います。論文としては、2021-2022年に採択を受けていたSecond Language Researchの論文と、Journal of Second Language Studiesの論文が正式に公刊され、共同研究の論文が採択されました。また、編者としてかかわった書籍『第二言語研究の思考法』がくろしお出版から出版されました。

学会発表として、イギリスのバーミンガム大学で開催されたThe 32nd Conference of the European Second Language Association (EuroSLA32)で口頭発表を行い、The Cambridge Language Sciences Annual Symposium 2023でポスター発表を行いました(こっちは私は現地に行っていませんが)。

また中央大学共同研究プロジェクト「無意識的知識の獲得にみられる普遍性および言語交差的影響」の助成で、イギリスのケンブリッジ大学、タイのタンマサート大学に行き、研究打ち合わせや実験等を行いました。これに関しては、また来年の3月にケンブリッジでシンポジウムを開催します。

そのほか、投稿中論文が2つ、原稿執筆中が1つ、発表準備中が2つ、実験計画中および実験中が4つ。

着想のペースよりも論文が採択されるペースのほうが圧倒的に遅いので、溜まり気味になってきていて、それが負担感のひとつとなっていますが、来年度は私はサバティカル(研究休暇)の年なので、ここで一気に進めてしまいたいところです。

その他の業務

2023年の学会業務としては、日本第二言語習得学会(J-SLA)の国際年次大会が学習院大学で開催され、(また)会場担当でした。会場担当って、朝早いから前日に深酒できないし、開催中も気が抜けないし、結構しんどいんですよね。2023年は大阪での開催になり、久しぶりに関東から離れます。

またClarivateの記録を見ると、今年度行った国際誌の査読は8本で、去年と同数でした。かなり大きく異なったのは、Scientific Reportsのような、SLA専門誌ではないジャーナルの査読が増えたこと、認知心理学系の論文の査読が増えたことです。年の前半に一気に査読がきた去年と異なり、年明けから4月まで一本も査読依頼が来なかったので、「俺なんかしたっけ?!」って不安になるくらいでしたが、特に夏休みに入ったくらいから一気に査読依頼が来ました。一時期は、査読結果返す前に同じジャーナルから別の論文の査読がきたりするほど渋滞していました。

この辺の渋滞に加えて、実は2018年に上梓した単著『外国語学習に潜む意識と無意識』の重版が決まり、それに向けて原稿の見直しを行っていたり、『第二言語研究の思考法』の校正期間とかぶったりして時間が取れず、この時期にはいくつかお断りしたお仕事もありました。ごめんなさい。

2024年に向けて

忙しくしていると時間が過ぎるのもあっという間で、なんなら去年の振り返り書いていたのが数か月前っていう感覚です。充実した一年でした。優しく支えていただいた皆様に感謝です。

来年はどのくらい忙しくなるかわかりませが、変化の多い年にはなりそうです。

来年も身体に気を付けて、ますます刺激的なことをやっていきたいです。


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