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杉原商店/杉原吉直さん(和紙問屋)

飲食店開業のキーマンとなる方にインタビューする「つなぐ人」。福井県での開業準備で心がけることや土地ならではの魅力について、さまざまな分野の方に教わります。今回ご紹介する杉原吉直さんは、世界のアーティストからも全幅の信頼を寄せられている「和紙のソムリエ」。伝統工芸と食の親和性やこれからの福井の食に期待することを伺ってきました。

越前和紙の問屋/杉原商店/杉原吉直さん(福井県越前市)
福井県越前市出身。明治4(1871)年から続く和紙の問屋「杉原商店」10代目当主。“和紙ソムリエ”として日々国内外を飛び回り、越前和紙の文化や歴史、魅力を発信し続けている。
杉原さんが関わった代表的な施設:GUERLAIN(フランス・パリ)福井銀行本店(福井市)べにや 芦原温泉 光風湯圃(あわら市)など
http://washiya.com/

プロフィール

1.職人たちの高い技術力が支えてきた越前和紙

福井県は越前和紙、越前打刃物、越前漆器、越前焼などさまざまなものづくりが半径20km圏内にある国内でも珍しい産地の集積地です。和紙の伝統工芸士は全国で60名ほどいますが、越前和紙の紙漉き職人が半数を占めており、その技術の高さからピカソや横山大観など世界的な画家やアーティストから愛されてきました。杉原商店は明治4年以降、和紙の問屋としてお客様が求める最適な和紙を幅広い分野でご提供しています。

築100年の蔵を改装した杉原商店のギャラリー

これまでは絵や字を書くもの・日用品として利用されることが多い越前和紙でしたが、令和元年に不燃認定を取得。インテリアや建築シーンにも使用が可能になったことから、店舗の内装にも取り入れられるようになりました。最近では福井県永平寺町に誕生した黒龍酒造の施設『ESHIKOTO』でも越前和紙を使っていただいています。

黒龍酒造の酒造施設『ESHIKOTO』では建材として使用。越前和紙をヘリンボーン柄に貼り合わせた壁は、まるで漆喰のような風合い


2.世界中からわざわざ訪れたくなる場所を目指して

普段は伝統工芸の仕事をしていますが、福井ガストロノミー協会の副会長を務めていることもあり、福井の食のこれからについても大変注目しています。

仕事柄、海外に行くことが多いのですが、フランスのカレ地方にある「ラ・グルヌイエール」というオーベルジュに滞在した時は衝撃的でしたね。ミシュランで星を取ったり、「ゴ・エ・ミヨ」で取り上げられたりしているので、料理の味は申し分なく素晴らしいのですが、パリから電車で2時間以上かかる田舎町でタクシーもないような場所に世界中からたくさんのゲストがわざわざやってくるんです。周りは田園風景で福井とそう景色は変わらないのに(笑)。そう考えると、福井でも同じことができるんじゃないかと思うんですよね。

2024年春に予定されている北陸新幹線の福井・敦賀延伸は、ビジネスとしても大きなチャンス。海・山に囲まれた素晴らしいロケーションや新鮮な食材など、もともと福井にあるものの良さを料理人がうまく引き出すことで、世界を魅了する可能性は大いにあると思っています。                                                        


3.食 X 伝統工芸のコラボレーションで福井の魅力を伝える

越前和紙は奉書から始まり、紙幣や名刺のような小さなサイズから10m以上にも及ぶ襖紙や建材に至るまで、時代の流れに合わせて求められるものを職人たちが作ってきました。「越前和紙はこうあるべき」という常識にとらわれず、時代のニーズに合わせ、作家やデザイナーたちの「こうしたい」という思いに応えてきたことで、1300年以上も続く産地として成長してきたのだと考えています。

大きなサイズも1枚で漉ける技術や、繊細な絵柄を漉き込む技術は、越前和紙ならではのもの

越前和紙は柄や手触り、風合いなど、お客様の要望に合わせて作ることができる上に環境にもやさしい。食の分野では日本酒のラベルや飲食店のメニュー・テーブルマットなどに越前和紙を使うことが多く、食との親和性も高いので、料理人の世界観やお店の雰囲気を演出する素材の一つとしておすすめです。歴史的背景や文化の変遷を知った上で使うことで、さらに福井らしさを表現できるのではないでしょうか。

メニュー表やコースター、テーブルマットなど、食のシーンでも越前和紙は大活躍

福井県でも飲食店等で伝統工芸の活用を支援する「伝統工芸品活用支援事業補助金」制度があるので、利用しない手はありません。まずは福井に足を運んでいただき、多様な伝統工芸を体感していただきたいですね。食X伝統工芸のコラボレーションで、福井の魅力を世界中に発信していきましょう!(取材日:2022年6月/石原藍)


つなぐ人ーアーカイブ

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ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野/土肥秀幸さん(フランス料理)
御料理 一燈/倉橋紀宏さん(日本料理)
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むつのはな/五十嵐美雪さん(日本料理)
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杉原商店/杉原吉直さん(越前和紙の問屋)
奥井海生堂/奥井 隆さん(老舗昆布店)

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