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株式会社やまよ/廣瀬さん(漆器屋)

飲食業界のトップランナーにインタビューする「つなぐ人」。福井県での開業準備で心がけることや土地ならではの魅力について、飲食に関わる様々な分野の方に教わります。
今回ご紹介する廣瀬さんは、兵庫県神戸市と福井県鯖江市の2拠点で活動する漆噐屋さんです。「料理人と雑談含めコミュニケーションするのが面白い」と満面の笑顔でお話された廣瀬さん。現在「福い学(※)」のメンバーとして活躍され、兄貴と慕う料理人も多い人物です。

漆器屋/株式会社やまよ/廣瀬 義徳(福井県鯖江市)
ホテルやレストランの食器卸の営業・企画提案歴は20年超。前職の株式会社森山硝子店で京阪神のフランス料理人とも深いネットワークを築く。現在4代目として株式会社やまよの代表取締役を担い、兵庫県神戸市と福井県鯖江市の2拠点で活動。食いしん坊の食べ歩き人として業界でもその名を知られFacebookのフォロワーは1000人超。https://www.urushiyamayo.com/

プロフィール
株式会社やまよ_公式サイト

1.もっと福井県の認知を上げたい!

ホテルやレストランの料理人の方と話していると、「福井県ってどこ?」って言われます。関西の人だと、若狭湾や恐竜博物館には行ったことがあるにも関わらず(笑)。良いものがたくさんあるのに、やはり歯がゆいですよね。特に「高村刃物」さんをはじめ、越前打刃物の包丁は有名で、世界の名だたるシェフがわざわざその包丁を購入するために福井県に来られるほどです。ですが福井県と結びついていない。やはり飲食店を営む上でうつわやカトラリーは必要ですし、その出自を知ってもらうことは大切です。

いつも大変お世話になっている大阪・福島のフレンチ店「ミチノ・ル・トゥールビヨン」さんでのお仕事。最初からテーブルセッティングされている、ランチョンマット、箸置き、箸、漆のパン皿は、全て福井県で作られたものです。フランス料理の高嶺を志す人が憧れるシェフの審美眼に叶うものを揃えられたことに、これほど嬉しいことはありませんでした。

僕の会社がある鯖江市河和田(かわだ)地区は、業務用漆器で8割超のシェアがあります。卸の営業をしていると、福井県の漆器は和食の料理人からの認知はあるものの、洋食をする料理人にはほとんど知られていません。一方、越前刃物については和洋問わず料理人から認知されていますが、つくられている土地のことはほとんど知られていないんです。料理のジャンルを越えて福井県で生まれた道具をもっと知ってもらう必要があると思いますし、それを繋ぐのが僕のような仕事だと考えています。

2.開業前に土地のヒト/モノ/コトに触れることが大切

普段から開業する料理人さんの相談を受けることが多いのですが、大切にしているのが現地視察です。なぜならば料理人さんは頭で考えるよりも、実際にモノやその土地の空気に触れイマジネーションを膨らます方が多いからです。リアルな体験が、より質の高い表現力につながると感じます。

例えば、料理人さんを福井県にお連れし、越前海岸にあるガラス工房「ワタリグラススタジオ」で作家のユニークな造詣と想いに触れ、国内トップシェフが愛用する「高村刃物」さんではその技術の深さを知り、料理人が絶大な信頼を寄せる「ワトム農園」で作付けされる野菜の風土を感じる。現在は次のステップにむけて準備中ですが、元「Les Queues」阪下幸二さんのお店で巡った素材をつかって表現された料理をいただく。すると、ほとんど全員と言っていいほど参加した料理人の目の色が変わります。インスピレーションが高まり、雑談も含め繰り広げられるコミュニケーションも変わる。

僕の仕事はうつわ/刃物/カトラリーなどをつくる職人さんと、どのようにそれらを使いたいか模索する料理人さんを繋ぐことだと改めて実感する瞬間です。両方の想いを直接聞ける立場の人は少ないと思うので、僕のような職種の人を頼って開業準備をするのも有りかもしれませんね。時代は流れ、求められることも変わりますが、縁をつくることが飲食商売の根底。だからこそ土地のヒト/モノ/コトに触れ、経験することがとても大切だと感じます。

3.いま福井県で開業を目指すなら!

個人的には中国料理店の選択肢が少ないので狙い目だと思っています、ただ単に僕が好きなだけですが(笑)料理のジャンルを問わず、伝統工芸と言われている技術を、自分がやりたい表現方法でコラボレーションできるのが福井の良さ。既存のモノを使うのではなく、職人さんとともにつくりながら、オリジナリティを見つけることを目指されるのが良いと思います。

当社のホームページには、大阪・中之島「レストラン ヴァリエ」高井 実シェフと共に、漆器を使ったフランス料理の表現に挑戦した作品を掲載しているのですが、磁器だけでない、盛る表現方法の枠を広げてみる。ソースの映えだけでなく、素材の世界観を自然的な捉え方がこの作品にはあると思います。ありそうで今までに無かった表現が生まれることで、お店のオリジナリティにもつながります。

作:高井 実シェフ
作:高井 実シェフ

いま福井では木製雑貨の「Hacoa(ハコア)」さんや、眼鏡の「金子眼鏡」さんのように、製造から販売まで一気通貫で挑戦する企業が増えてきました。これまで家内制手工業が中心だった世界から、若い作り手がデザインやその仕様まで意識して仕事にチャレンジする土壌もできつつあります。調理技術だけで無く、うつわへの盛リ方も新しく、福井らしい表現方法にチャレンジできるムードができていると感じています。あるモノを使うだけでなく、一緒に創造を巡らし、新しい福井県の飲食にチャレンジできれば幸いです。(取材日:2022年5月/岡部藤祐)

※「福い学(ふくがく)」とは
福井県民がもっと福井県のことを知ろう!と企画。現在メンバーは30名ほど。料理人やパティシエなどの有志が集まり勉強会を重ねる。福い学 (city.fukui.fukui.jp)

解説

つなぐ人ーアーカイブ
株式会社やまよ/廣瀬義徳さん(漆器屋)
ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野/土肥秀幸さん(フランス料理)
御料理 一燈/倉橋紀宏さん(日本料理)
Restaurant cadre/濱屋拓巳さん(フランス料理)
むつのはな/五十嵐美雪さん(日本料理)
福井県交流文化部定住交流課/三津谷勇気さん
杉原商店/杉原吉直さん(越前和紙の問屋)

福井県での飲食店開業を応援!招福プロジェクトとは

https://note.com/fukuikensyoufuku/n/nadbfc8e662d2
 
□プロジェクト推進中!お問合せは下記URLから。
  1)特設サイト&SNSから、開業に関する情報発信
  2)福井県への視察ツアーを企画 
  3)補助金/助成金/移住に関する相談窓口
  4)実店舗でテストマーケティング可能
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfwD4jjFOiKVpb0Qgr-j6gjzrywQK8Mb6rfcDm-kjRtqSiaxA/viewform
 
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ニャン福です。ぜひ福井県で飲食店開業にチャレンジしてください!


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