見出し画像

鮮魚丸松/五島輝幸さん

飲食店開業のキーマンとなる方にインタビューする「つなぐ人」。福井県での開業準備で心がけることや土地ならではの魅力について、さまざまな分野の方に教わります。今回ご紹介する五島輝幸さんは、魚の目利きのプロとしてだけで無く、鮮魚を中心とした卸売りから飲食まで、6次産業化を目指す社長でもあります。福井の魚介の魅力だけでなく、飲食店の仕入方法にまでアドバイスをいただきました。

五島輝幸さん(福井県福井市)/鮮魚丸松グループ
2016年開業。苦労人で、父親の卸会社が傾き大学中退後20歳でこの鮮魚卸の業界に入る。手先が不器用ながら0から魚の捌き方を実地で学び、職人として大成。約7億円という借金を返済、現在は新たに丸松グループを設立。鮮魚の卸売りだけで無く、物販、飲食店まで6次産業化に挑戦する経営者として福井県下でも注目を集めている。
http://maru-matsu.com/

プロフィール

1.挑戦ができる環境がある

今年で50歳になりました。20歳で家業に戻り様々な苦労をして来ましたが、気候不順やコロナ禍における市場の変化、時代の潮流に合わせようやく自分が考えるワンストップサービスが提供できる会社として組織が整いつつあります。
越前漁港の買参権を取得することができ、魚の買付けが出来るようになりました。そして買付けた魚を仲卸として販売するだけで無く、ニーズに合わせ加工もするし、自社商品を開発したり、そしてそれらを道の駅やEC店舗、飲食店で販売する。また今年に稼働した越前市の加工工場はHACCPやISOに準じた施設設計に加え、瞬間冷凍させる技術「プロトン凍結機」を自社仕様で導入し、小売店だけで無く、スーパーマーケットや大手回転寿司チェーンのニーズをかなえる投資ができ多角化に努めています。
もちろんハードだけで無く、働く人が大切です。当社は和食や寿司などの調理職人を積極的に雇用し提供技術の向上に努めたり、衛生管理についても積極的に勉強してくれるスタッフに助けられています。だからこそ新たに出来る北陸新幹線の飲食テナントや道の駅などに挑戦できるのだと実感しています。やはりインフラが変わるとビジネスチャンスが生まれます。私もそうですが、周りの経営者もワクワクしており、チャレンジする意欲が県下では満ちています。

「アピタ福井店」の南側に位置する丸松本店では様々な取組みを実施している

2.越前産ブランドを全国へ

全国的に言っても「越前がに」のブランド認知は高いです。しかしその他の魚種についてはまだまだです。とにかく他県に比べて品質がとても良いのに価格が割安の魚が多い。3月のヒラメなんかキロ1000円くらい、しかも目方も7kgを超える立派なものが市場にはたくさん出てきます。三陸海岸が有名ですが、福井も負けない品質のアンコウが揚がります。鮮度が抜群、酢味噌などで刺身としても食べられますが全然と言って知られていません。また個人的に福井産のサワラは、全国どこの産地にも負けない品質だと感じています。その他にもキジハタ、カワハギ、ハタハタなど地元ヒーローの魚種がたくさんあり、飲食店でもその提供の仕方が単調でまだまだ工夫のしがいがあると思っています。
三国漁港で揚がるホッコクアカエビやアマエビは、北海道産に比べるとサイズが大きいものが多い。とあるイタリア料理店では、新鮮だからこそ使える頭のミソを使ってベシャメルソースをつくり、なんとも風味豊かなクリームコロッケを提供されています。蟹だけで無く、まだまだ知られていない魚種を越前産として広く全国に知ってもらうために、料理人さんや飲食店の力が益々必要となると思いますし、ぜひ越前ブランドを確立し全国に知らしめたいと思っています。

JF福井県漁連「ふくいお魚図鑑」PDFから

3.魚の仕入方や扱いについて

仕入方法については昔に比べると多様化しました。仲卸の方にお願いして配達してもらうというのも一つの方法です。しかし飲食店の業態によって様々だと思いますが、旅するように食材を探すのがおすすめです。
福井には三国、越前、敦賀、小浜と4つのメインの漁港意外に、地元消費する小さな漁港が10箇所ほどあります。小さな漁船でも素晴しい魚を扱う漁師もいます。釣り人に全国的に有名な玄達瀬などを狙う人や、朝網だけで無く、昼も夕方も新鮮な魚が揚がって提供できるこの距離感は福井ならではだと思います。変に身近なスーパーマーケットでも良い魚が扱われているので、いくつかの仕入ルートを自分で開拓し、差別化することが大切な要素だと感じます。
注意しないと行けないのが魚の熟成です。全国的に流行なのでしょうか?猫も杓子もと感じてしまいます。やはり海との距離の近さや魚種によって使い分ける必要があると思います。開業のはじめは1日2日で使い切れるように小分けで販売してもらえるお店を探すこと。そしてメニューによって天然(活)と養殖を区別して提供することがとても大事だと思います。
個人的に取組んでいるのが雑魚(未利用魚)です。水揚げされても捨てられ、港の底で骨が堆積しているのをみると悲しくなります。先日も商品価値のない大量のヤガラを買取りましたが、白身をフライにするととても美味しいんです。ぜひそんな雑魚でも調理次第によっては美味しく食べられる、面白がって新しい名物を一緒になって考える、提供す料理人さん(飲食店)が出店してくれれば嬉しいですね!(取材日:2022年9月/岡部藤祐)

つなぐ人ーアーカイブ
株式会社やまよ/廣瀬義徳さん(漆器屋)
ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野/土肥秀幸さん(フランス料理)
御料理 一燈/倉橋紀宏さん(日本料理)
Restaurant cadre/濱屋拓巳さん(フランス料理)
むつのはな/五十嵐美雪さん(日本料理)
福井県交流文化部定住交流課/三津谷勇気さん
杉原商店/杉原吉直さん(越前和紙の問屋)
奥井海生堂/奥井 隆さん(老舗昆布店)
福井県農林水産部/橋本大樹さん
福井県地域戦略部/門 広幸さん
鮮魚丸松/五島輝幸さん
石田屋二左衛門/水野 直人(黒龍酒造 8代目蔵元)
開花亭(5代目主人)/開発 毅さん
福井県産業労働部/前 宗徳さん
料理人・友本尚兵/チャレンジキッチン

福井県での飲食店開業を応援!招福プロジェクトとは

https://note.com/fukuikensyoufuku/n/nadbfc8e662d2

プロジェクト推進中!お問合せは下記URLから。
  1)特設サイト&SNSから、開業に関する情報発信
  2)福井県への視察ツアーを企画 
  3)補助金/助成金/移住に関する相談窓口
  4)実店舗でテストマーケティング可能

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfwD4jjFOiKVpb0Qgr-j6gjzrywQK8Mb6rfcDm-kjRtqSiaxA/viewform

#福井県 #飲食店開業 #飲食店開業を応援 #才能ある料理人を招致
#飲食店招福プロジェクト #ニャン福 #ローカルガストロノミー
#北陸新幹線 #北陸新幹線延伸 #株式会社ジオード #福井県観光連盟委託事業

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?