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福井県地域戦略部/門 広幸さん

飲食店開業のキーマンとなる方にインタビューする「つなぐ人」。福井県での開業準備で心がけることや土地ならではの魅力について、さまざまな分野の方に教わります。今回ご紹介する門 広幸さんは、福井県庁地域戦略部交通まちづくり課で、福井県にできる北陸新幹線4駅周辺のまちづくりを手がけられています。新しいインフラができ、まちが大きく変わる。官民共に大事業に挑む中で、どのようなまちづくりを目指しているかを聞きました。

★話を聞いた人
門 広幸さん/福井県地域戦略部交通まちづくり課まちづくりG主任
現在のまちづくりグループは着任2年目。専門は土木で、道路整備や防災対策などに従事していたことも。良いまちとは多様な人が多く集まることだ!との信念を抱き、ヒトモノコトの仕組みを整える仕事に尽力している。好物は焼肉で、小浜市出身。

プロフィール

1.想いが未来をつくり、まちをかえる。県都福井の将来構想を策定

私の課の業務は、北陸新幹線延伸でできる駅周辺のまちづくりの支援です。福井県では4つの駅の同時開業を控えており、金沢方面から「芦原温泉」「福井」「越前たけふ」「敦賀」の駅が誕生します。それぞれの駅設置市が主体となって、まちづくりのプレイヤーである経済界・民間企業と一体となり、「100年に一度のチャンス」を活かすべくプロジェクトを進めています。

JR西日本報道資料から抜粋(※出所:JR西日本「北陸新幹線がつなぐ『北陸』の未来」)

特に県都の玄関口となる福井駅周辺では、新幹線県内開業による持続的なにぎわいを創出するため、経済界、福井県、福井市による「県都にぎわい創生協議会」において、「誰もが主役に!楽しさあふれる県都」を将来像とした県都グランドデザインを官民協働で策定しました。

策定した「県都グランドデザイン」の将来像(※出所:県都にぎわい創生協議会)


2. 「芦原温泉」「福井」「越前たけふ」「敦賀」、それぞれの駅と目指す形

新しくできる4つの駅において、それぞれの地域の特色を活かした賑わいを創出する施設などの整備が進められており、「芦原温泉駅」は、近隣に東尋坊など観光スポットを有し「関西の奥座敷」と呼ばれる県を代表する温泉地にできる駅です。まち自体は大きく変わることはありませんが、駅西口には、あわら市のランドマークとして、新たな賑わい創出、魅力発信の拠点となる「アフレア」ができ、カフェレストラン・物販店舗がテナントとして入る予定です。

芦原温泉駅の賑わい施設「アフレア」(※画像提供:あわら市)

「福井駅」周辺は大きく変わりつつあります。駅の西口に27階建(高さ120m)の再開発ビルを建設中です。再開発ビルで開業する「コートヤード・バイ・マリオット福井」は、客室数252室で最大1000人を収容するコンベンションホールの設置を予定しています。その他にも、駅周辺の商業エリアの賑わい再構築のため、中央1丁目と通称「浜町」といわれる中央3丁目の区域を対象に、行政の助成金と民間金融機関との協調融資により、エリアのコンセプトに合う新規店舗の誘致や、既存店舗のリノベーションなどを進めています。また5000席規模の多目的アリーナの整備など、まちのバージョンアップと交流人口の大幅アップを目指してまちづくりを推進しています。

福井駅完成イメージ(出所:鉄道・運輸機構)

県内唯一の新駅となる「越前たけふ駅」。周辺は田園風景が広がるエリアですが、丹南地域のゲートウェイとしての観光情報発信や丹南地域の古い歴史の中で受け継がれてきた伝統工芸品の即売所を備える道の駅が新設されます。また駅周辺では北陸自動車道のインターや国道8号に近いという利点を活かし、「次世代交流拠点」の形成に向けて、先端企業の誘致や市民や研究者らが集う交流施設と合わせて商業施設などの本格的な整備が検討されています。

北陸新幹線県内開業時に当面の終着駅となる「敦賀駅」。敦賀市といえば、年間70万人が訪れる氣比神宮や、赤レンガ倉庫が並ぶ金ヶ崎エリアが観光地として人気ですが、ここを更に磨き上げるための計画づくりを進めています。具体的には金ヶ崎エリアではオーベルジュを核とした賑わい施設の整備が。氣比神宮周辺では、大鳥居に面する商店街通りの参道化や、門前としての賑わいをづくりを検討しています。嶺南地域の観光の核となるよう敦賀の魅力向上を図り、さらには若狭、小浜にまで足を運んでもらえることを期待しています。またこの9月にオープンした駅西地区のTSURUGA POLT SQUARE 「otta」は、官民連携事業として、市有地を民間に貸し出して、民間が建物を建て運営。ホテル、飲食・物販テナントばかりか、他にはない本を取揃えたブックカフェ「TSURUGA BOOKS & COMMONS ちえなみき」や、子育て支援施設が一体化されており新しい空間創造にチャレンジしています。

4駅それぞれの個性を磨くべく、官民一体となってまちづくりを進めてまいります。

3.意識が変わるとまちがかわる。多様性を意識した店作り

まちづくりというものは箱物の整備だけでなく、民間の投資を呼び込み循環を作ることが大切だと思っています。今回の招福プロジェクトであれば、飲食店開業をするために投資をしますよね。そうすると働く人も、商売をする人も、そしてお客さまも集まり、それが循環していく。やはりまちを作るのは人だと考えています。正直、まだ福井県在住の方はまちが変わる実感が沸いていないと感じます。新幹線の試運転などが始まれば意識が変わるかもしれませんが、まだまだまちづくり、投資といった考えは低いと思います。だからこそ県外の方が北陸新幹線延伸に注目し、今から準備してビジネスチャンスを掴むべきだと思います。

全国的にみれば、県民の外食頻度は低いかもしれません。その理由として三世帯同居率がまだまだ高いことがあるのだと個人的に思います。外出先としても家族大勢で行けるお店がまだ主流です。しかし、個人的には”おひとり様”需要があると思います。現在でも新幹線や再開発の工事などで県外から来られている方が少なからずいて、一人で外食しやすい環境を求めているように感じますし、個人的にも一人で気軽に外食できるような場所もあると良いと思います(とくに一人焼肉として入りやすいお店があれば)。居酒屋、フレンチ、イタリアンなど気軽に1人でも行ける。そんなニーズを捉えた店舗(空間)が増えれば、目指すまちづくりの多様性にもマッチするのではないでしょうか。

他県から多様な人材が集まり、県民と交流することで新しいものが生まれる。様々な刺激を受けることで意識が変わり、より福井県が楽しく魅力的になればいいですね。やはり新幹線開業がゴールではなく、開業後にどれだけそのまちに人が集うのかが一番重要だと思います。(取材日:2022年8月/岡部藤祐)

つなぐ人ーアーカイブ
株式会社やまよ/廣瀬義徳さん(漆器屋)
ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野/土肥秀幸さん(フランス料理)
御料理 一燈/倉橋紀宏さん(日本料理)
Restaurant cadre/濱屋拓巳さん(フランス料理)
むつのはな/五十嵐美雪さん(日本料理)
福井県交流文化部定住交流課/三津谷勇気さん
杉原商店/杉原吉直さん(越前和紙の問屋)
奥井海生堂/奥井 隆さん(老舗昆布店)
福井県農林水産部/橋本大樹さん
福井県地域戦略部/門 広幸さん
鮮魚丸松/五島輝幸さん
石田屋二左衛門/水野 直人(黒龍酒造 8代目蔵元)
開花亭(5代目主人)/開発 毅さん
福井県産業労働部/前 宗徳さん
料理人・友本尚兵/チャレンジキッチン

福井県での飲食店開業を応援!招福プロジェクトとは

https://note.com/fukuikensyoufuku/n/nadbfc8e662d2

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