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能登2011~24⑪里山の生業づくり ケロンの小さな村 孫とともに復興
先生がつくった小さな里山 能登町斉和地区
世界農業遺産(GIAHS)で評価された「里山」は手つかずの大自然ではない。人の手をくわえることでつくられた環境だ。能登町斉和地区に元高校教師が開いた「ケロンの小さな村」は、そんな里山の可能性をおいもとめている。(2013年取材)
珠洲道路から200メートルほどわけいった谷間の棚田は放棄されて30年をへていた。背丈をこえるカヤや蔓草がおいしげり、湧き
能登2011~24⑧ため池で団結 「総掛かり」の村おこし 輪島市・金蔵
輪島市町野町の山あいにある金蔵集落は「限界集落のトップランナー」と評されている。64世帯156人(2011年)の里に、歴史や民俗の研究者やボランティアの学生らが頻繁に出入りする。地元の米でつくった酒を、埋蔵金伝説にちなんで「米蔵金」と名づけ、パッケージをデザインしたのは外部の若者だった。
その活動の中心になっているのが、NPO法人「やすらぎの里 金蔵学校」だ。「あなたが先生、私が生徒」「私が先
能登2011〜24⑦盆灯とかぶらずしで復活した穴水・曽良
地蔵祭りも寒修行も消え、寺は無住に
鏡のように新緑の木々をうつす富山湾の、ひときわ深く切れこんだ入り江沿いにひろがる穴水町の曽良地区は、深い湾と水路の風景から「東洋のベニス」と評されたこともある。海沿いの高台にある集落唯一の寺・千手院は樹齢700年のシイノキがそびえている。年間50日ほど、海のむこうに立山連峰がうかぶ景勝地だ。
住職の谷大観さん(59歳)=穴水町議会事務局長の=はこの寺に生
能登2011~24⑤珠洲 祭りがつなぐ伝統の知恵
海中を乱舞する七夕キリコ
珠洲市宝立町の見附島はその形状から「軍艦島」とよばれる。その北にある海岸では8月はじめ「七夕キリコ」がもよおされる。この地区の七夕は盆の準備をはじめる日で、祖先の霊をむかえる行事とされている。提灯やぼんぼりでかざられた高さ約14メートルの巨大なキリコ6本をそれぞれ約70人でかついで海にはいり、花火がいろどる夜の海をゆらゆらと乱舞する。華やかで優美なこの祭りは、昭和の観