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ボヘミアンの夏休み③幻のイワナ「ゴギ」

 ボヘミアンの釣り名人ミズコと隊長セージの今回の最大の目的はイワナ釣りだ。なかでもゴギという種類のイワナは、中国地方のみに生息し、背面の白点が頭部にまであるのが特徴という。
 岡田先生によると、イワナがいるところにはハンザキはいない。イワナがハンザキの卵を食べてしまうからだ。逆にハンザキのいない川にはイワナがいる。

 2日目の夕方と3日目の朝は、ハンザキのいない谷を攻めた。ぼくは左手をつかえないから、ファックユーポーズでミズコ師匠のあとをついて歩く。
 白く激しく水が落ちる瀬のすぐ下あたりがねらいめ。ただ、木々がおいしげっていたり、蜘蛛の巣がはっていたりすると、糸がからんでしまう。
「簡単な場所は先にだれかが釣っちゃってる。攻めるのが大事や」と名人。谷の下までくだり、そおっと針をしずめる。

 最初に食いつくのはその場所で一番大きなイワナだ。それ以上に大きなイワナはいない。だから1,2尾つりあげると、別の場所に移動するんだそうだ。
 さすが仕事をさぼって釣りばかりしている名人。大物を何匹も釣りあげた。尾ヒレがすりきれていないのは、養殖されたことがない純天然物であることをしめしているそうだ。

 2日目の夜、多里の火祭りへ。道端にろうそくがならび、山の上の愛宕神社への参道もろうそくのあかりでライトアップされている。神社の下には常福寺があり、お祭りに参加している。出店がならぶ広場には「宮島さん」の社がある。その隣でもお坊さんが経をとなえていた。神仏分離前の姿がのこっているのだろう。

竹筒の燗酒によく焼いたイワナをしずめる

 花火をみて帰宅。夕食は、イワナや鮎。マダケでつくった徳利によく焼いたイワナをいれて「骨酒」に。
 いやぁ、たまらん。

整形外科へ

 灼熱の関西に帰宅した翌日、整形外科のクリニックへ。傷口にこびりついたガーゼをはがすのはいたかったが、爪半分と指の先端がきれいに5㎜ほど斜めに切断されていた。鉈ってよお切れるんだなぁ、と感心した。
 化膿止めをぬって、フィルムでおおって、その上から包帯で保護する。2日に1度通院してフィルムを交換することに。
 肉が盛り上がるのをまつしかないそうだ。

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