藤井満

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    • 京都ボヘミアン物語

      京都に30数年つづく老舗アウトドアサークルの創生期のものがたり

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      旧街道を歩いて何が見えてくるんだろう。まずは中山道から。

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    京都ボヘミアン物語㉖ボヘ志願女子続出 「女人禁制」は「女こわい」のうらがえし

    国鉄民営化、朝日新聞襲撃……よりも女子大生 1987年春、ボヘミアンは4期目に突入し、ぼくは3回生になった。  新年度もまた大きなニュースがめじろおしだ。  4月1日、国鉄が分割民営化された。  民営化前の国鉄労働組合(国労)は1985年4月現在で18万人超の組合員をかかえる日本最大の労働組合であり、社会党(社会民主党)の支持母体である総評の中核だった。民営化をすすめた中曽根康弘はのちに「国鉄分割民営化の真の目的は、労働組合の解体」とのべている。分割民営化は「55年体制のお

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      • 京都ボヘミアン物語㉕日記・文集・新聞……ボヘ・メディア発達史

        非ワープロ時代の切り貼り新聞 ボヘミアンはサバイバルや映画、演劇といったおおきなイベントのたびに文集をつくってきた。新入生歓迎の勧誘パンフには1年の活動記録をまとめた。1986年は冊子ではつまらないからと巻物にしたら、見た目は斬新だけど、長さ10メートル25センチもあってよみにくくて往生した。 「ボヘノート」というノートは、みんなの雑記帳だ。ボヘハウス誕生後は「ボヘハウス日記」もできた。  さらに1986年10月には「放浪者(ボヘミアン)」という新聞を創刊した。初代編集長

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        • 京都ボヘミアン物語㉔「劇団ボヘミアン」旗揚げ 35年つづく名物イベント

          マンネリ打破 映画をつぶす  夏のサバイバルとヒッチハイク旅行がおわり、アウトドアの季節は一段落する。9月からは「11月祭」にむけてはしりはじめる。1984年と85年は映画を制作した。ぼくは退屈でたまらなかった。  映画をするか否かの方針をきめる例会でぼくは発言をもとめた。 「前例踏襲のマンネリばかりではつまらん。あたらしいこをせーへんか。おれは演劇を提案したい」  たかだか2年で「マンネリ」もないもんだけど。  提案の理由はこうだ。  映画は撮影まではみんなが参加するが、

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          • 京都ボヘミアン物語㉓たまり場「ボヘハウス」誕生 ネコ1匹とズボラ2匹がママを翻弄

            例会場うしない長屋へ引っ越し 常識の欠如した学生が20人もあつまるとかなりうるさい。ぼくらが2回生のころは、百万遍の北東にあるタケダの下宿が例会場だったが、「うるさい」「しずかにしろ」と近所から苦情があいついだ。  出町柳にちかいシモモトの下宿に例会場をうつしたが、またまた苦情がつづき、「いいかげんにでていってくれ」と大家さんから通告された。シモモトをホームレスにするわけにはいかない。  以来、ボヘミアンは文字どおり「放浪者」になった。例会は教養部(吉田南構内)の教室でひら

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          • 京都ボヘミアン物語

            • 25本

            京都に30数年つづく老舗アウトドアサークルの創生期のものがたり

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            • 京都ボヘミアン物語㉒ひまーな夏休み、さびしい男は宇宙人にさらわれた

              「竜串」と「ん」 ボヘミアンにはいきつけの居酒屋がふたつあった。  ひとつは、銀閣寺交差点ちかくの焼き鳥店「竜串」。おやじとバイトひとりでいとなむ小さな店だ。いいちこの一升瓶をボヘミアン名義でキープしており、なくなるとだれかがつぎだした。しいたけなどは50円、鶏肉も100円から。名物は牛の頬肉をぴりからの味をつけた「天肉の炒め」。大阪では頬肉は薄切りにしてたべるが、竜串はぶつ切りでかたいけど味がこくてうまかった。カネがあるときはカツオのたたきをたのんだ。  ぼくも月に一度は

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              • 京都ボヘミアン物語㉑夕張炭鉱の炭住で「寅さん」にであった

                下着で旅するパンツコージは流行の最先端 早朝、ノートに全員がひとことずつ感謝の言葉をのこして札幌の「焼肉味道苑」を出発した。 「寒かったですねえ」 「なんたって36年ぶりの異常低温だからなあ」  前日までのそんな会話がうそのように晴れわたり、気温がぐんぐんあがり、ザックをせおう背中は汗でべっとりになる。  コージの短パンはうすっぺらですずしそうだ。 「その短パン、あつい夏にはよさそうやなぁ」 「これパンツや。下にはなんもはいてへんから、風がとおって気持ちええで」  えーっ!

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                • 京都ボヘミアン物語⑳飢えと雨と寒さにふるえた積丹サバイバル

                  アイヌの海で「米なし」サバ  失恋騒動のさなか、ボヘミアン最大のイベント「サバイバル」の準備がすすんでいた。  ボヘミアン3期目の夏はどうするか。3つの案があった。 ①川サバイバル(川サバ) より少ない収穫できびしい環境で工夫してくらす。 ②海サバイバル(海サバ) 従来のサバイバル。 ③北海道ヒッチ旅行 であいをもとめて旅するロマン路線。  議論をへて「海サバ」にきまり、今までいったことがない北海道に着目した。  道路がなくて、水があって、集落からのアクセスが楽なところ……

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                  • 京都ボヘミアン物語⑲破壊力抜群の失恋騒動

                    実践ゼロの恋愛至上主義  中学1年で畑正憲の「ムツゴロウの青春期」を読んでから、恋愛小説をかたっぱしからよんだ。愛する人といっしょなら、家出をしてどこか遠い町でくらしてもよい。愛さえあれば、どんな苦労ものりこえられる−−。アルバイトの経験もないのにおもいこんでいた。  高校2年の秋、女子校の文化祭のフォークダンスでであった子にひとめぼれして、長い手紙をおくって撃沈した。  それ以来、「彼女がほしい」とおもいながらも、具体的な対象はいなかった。大学2回生に進級する春休み、中国

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                    • 映画「チロンヌプカムイ イオマンテ」はほろ苦いタイムマシーン

                      「チロンヌプカムイ イオマンテ」というキタキツネの霊送りの祭礼が1986年、屈斜路湖を望む美幌峠で75年ぶりに催された。  アイヌの伝統的な考え方では、動物は自分の肉や毛皮をみやげにして人間の国へやってくる。  我が子のようにかわいがって育てたキタキツネを神の国へ送る行事だ。つまり家族の一員だったキタキツネを「殺す」ということだ。  祭司をつかさどるのは日川善次郎エカシ(75歳)。アイヌ神事の伝承者だ。  彼が家族同然にらしてきたキタキツネのツネキチを神の国にかえすことになっ

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                      • 京都ボヘミアン物語⑱マニラ 革命と詐欺と売春の洗礼

                        薄っぺらな正義感は目をくもらせる  シーサンパンナ州の中心都市、景洪からは宮本さんという長期旅行者としばらく行動をともにした。  何年も世界を旅し、アフリカ大陸を自転車で横断している。  移動の旅につかれると、ニューヨークなどに定住してレストランのウェーターや大工仕事をして旅費をかせぐという。 「1カ月程度の観光旅行をくりかえすのではなく、最低1年間の旅をしてみてください。『日本人』の目からはなれることで、世界の見方がかわりますよ」  宮本さんには、文化人類学や社会主義国の

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                        • 京都ボヘミアン物語⑰メコンの村の小さな恋の物語

                          ユーラシア大陸を放浪した高校教師  浦和高校に長嶋猛人先生という名物教師がいた。  彼の授業は、江戸時代の寺子屋のように漢文の素読からはじまった。 子曰、學而時習之、不亦説乎、有朋自遠方来、不亦楽乎 (子いわく、学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや。朋あり、遠方より来たる、また楽しからずや) ひたすら音読して暗記する。李白や杜甫、陶淵明の詩など何十編も丸暗記したから、漢文の模擬テストはいつもほぼ満点だった。七五調や五七調のリズムをたたきこまれて、肩に力のはいった

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                          • 京都ボヘミアン物語⑯恥かくために都大路を駆ける「マラソン」

                            「街ブラ」番組をまねたマラソン企画  寒くなるとひまになる。ひまになると妄想がふくらみ、「ミイラ男」のようなわけのわからぬイベントが生まれがちだ。  12月にはもうひとつ大イベントがあった。 「ボヘマラソン」。1984年の第1期から86年の第3期まで3年連続で開催した。  毎日放送(MBSテレビ)で1983年から86年まで放映された「夜はクネクネ」(略称「夜クネ」)というバラエティ番組が企画のヒントになった。 「猫ニャンニャンニャン、犬ワンワンワン、カエルもアヒルもガーガー

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                            • 京都ボヘミアン物語⑮春歌は民衆のエネルギーの源

                               連載3回目で「定番のふたつの猥歌」をのせたら、「なつかしい!」「こんな歌もあったぞ」「その歌詞はまちがっとる!」「それを公開するのはまずいんちゃう?」といった反響がぞくぞくとよせられた。  なぜ猥歌・春歌の話になると、いい年のおっさんが、かくも元気になるのだろう? 幼児は「うんち」が大好き 幼児はうんちやチンチンの話が大好きだ。「うんち!」とさけぶだけで1時間も2時間も笑いころげる。  幼いころ、ふとんのなかでおやじに昔話を朗読してもらったけど、何度も何度もねだったのは

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                              • 京都ボヘミアン物語⑭師走の都にミイラ男

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                                • 京都ボヘミアン物語⑬幻の映画「イーガー皇帝の逆襲」

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                                  • 京都ボヘミアン物語⑫主食はパンの耳、ふるまい料理は白菜シーチキン鍋

                                    冷蔵庫で服やタオルを冷やす バブル前夜の好景気で、ワンルームマンションが増えていたけど、ボヘミアンはほとんどが昔ながらの下宿住まいだった。  ぼくの毎月の収入は親からの仕送り1〜2万円と奨学金2万7000円の計4万7000円。バイト代は旅行や合コンのためにためていた。  共同の炊事場と便所がある四畳半の下宿は、家賃と光熱費で1万2000円。大家さん宅の呼び出し電話だから電話代はかかわらない。毎月数千円もかかるスマホが必需品の時代じゃなくてよかった。  家賃をはらうと残りは3

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