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能登2011〜24

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大地震に襲われた奥能登。地震前の能登の魅力と被災状況と再生の道のりを追います
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記事一覧

能登2011-24⑱間垣がまもる「奇跡のムラ」 上大沢と大沢(輪島市)

 能登半島の外浦(日本海側)にかつて見られたニガタケの垣根「間垣」は、サッシの普及などで…

藤井満
3週間前
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能登2011-24⑰集団避難のムラに「百姓」はのこった 輪島・南志見

御陣乗太鼓の里  輪島市街から東へ10キロあまりの南志見(なじみ)地区は1954年までは…

藤井満
4週間前
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問題意識型と地域描写型 能登半島地震で見た記者の2類型

■問題意識型と地域描写型 記者の2類型  能登半島地震がおきて、輪島の友人から尻をたたか…

藤井満
1か月前
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能登2011-24山が崩れ9人犠牲に 珠洲・仁江を再訪

 海藻の取材をした珠洲市仁江町は、能登半島地震で山が崩落し、直下にあった民家で正月をすご…

藤井満
1か月前
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能登2011-24日本一の海藻と山菜 珠洲市仁江町ほか

 能登では冬から春にかけて海藻が食卓をいろどる。その多様さは全国でも1、2位を争い、約3…

藤井満
1か月前
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能登2011-24 避難所で痛感「能登はやさしや土までも」 藤平朝雄さん(輪島市町野町)

窓岩の窓がきえた  輪島市町野町の曽々木海岸にすむ藤平朝雄さん(84)は、妻の友子さんと…

藤井満
2か月前
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能登2011-24 先端のムラ、在来大豆で元気に(珠洲市・横山)

 能登半島の北端ではかつて「大浜大豆」という在来種の大豆が栽培されていた。冬場には豆乳を海水でかためて熱々の寄せ豆腐つくり、囲炉裏端ですすった。高度経済成長をへて姿を消したと思われたが、村おこしの一環で復活。地域の活性化と絆づくりの切り札になっている。(取材は2011年) 葉たばこ拡大で消えた品種  能登半島北端の禄剛崎の西側に位置する珠洲市の横山集落は、約30軒の農家がそれぞれ5反(50アール)前後の田畑や出稼ぎで生計をたててきた。1997年、当時流行した「一村一品運動

能登2011-24 水仙の咲く桃源郷・大西山(輪島市)

 雪がところどころに残る田の畦で、水仙の葉が頭をもたげ、つぼみをふくらませている。人口わ…

藤井満
2か月前
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能登2011-24 日本史をかきかえた網野善彦の原点「時国家」(輪島市町野町)

 輪島市街から20キロ、能登半島の先端にむかった輪島市町野町の曽々木海岸は、板状の岩に直…

藤井満
2か月前
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能登2011~24⑪里山の生業づくり ケロンの小さな村 孫とともに復興

先生がつくった小さな里山 能登町斉和地区  世界農業遺産(GIAHS)で評価された「里山…

藤井満
3か月前
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能登2011~24⑩里山の生業づくり ブルーベリーと夢一輪館

無農薬ブルーベリー「町の顔」に  夏、能登半島内陸部の旧柳田村(能登町)を走ると、あちこ…

藤井満
3か月前
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能登2011~24⑨避難所で生きた漁師の知恵

 2024年元日の能登半島地震で、半島の外浦(日本海側)は最大約4メートルも隆起した。海…

藤井満
3か月前
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能登2011~24⑧ため池で団結 「総掛かり」の村おこし 輪島市・金蔵

 輪島市町野町の山あいにある金蔵集落は「限界集落のトップランナー」と評されている。64世…

藤井満
3か月前
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能登2011〜24⑦盆灯とかぶらずしで復活した穴水・曽良

地蔵祭りも寒修行も消え、寺は無住に  鏡のように新緑の木々をうつす富山湾の、ひときわ深く切れこんだ入り江沿いにひろがる穴水町の曽良地区は、深い湾と水路の風景から「東洋のベニス」と評されたこともある。海沿いの高台にある集落唯一の寺・千手院は樹齢700年のシイノキがそびえている。年間50日ほど、海のむこうに立山連峰がうかぶ景勝地だ。  住職の谷大観さん(59歳)=穴水町議会事務局長の=はこの寺に生まれた。千手院の檀家は集落の60軒のうち13軒だけ。これでは食べていけないから、