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露は降伏しない?

自国と大統領を誇りに思う

私は自国と大統領を誇りに思う❞。戦勝記念日(5月9日)にワルシャワのソ連軍墓地の参拝直前に、ウクライナの「応援団」に道を塞がれ、赤いペンキを浴びせられたアンドレエフ露駐ポーランド大使が、集団攻撃を受けた直後に発した言葉だ。その数日後、5月14日外交および防衛政策会議の開会挨拶の際に❝時代の要求に従って、我々外交官は自任務を良心持って全うし続けている。国内外から様々な圧力や試みがあったにも関わらず、外交官の中に裏切者は出て来ていない❞と発言。同じ日に、露の駐米大使アントノフ氏は、露とウクライナの和平交渉について問われた際は❝我々、少なくとも中駐外交官全員が、露が降伏しないと確信しており、一貫してその様に主張し続けている❞と話した。つまり、ウクライナ政権(と呼んでいいかどうかは別として)との和平交渉自体が降伏に等しいと言う事だ。
3月の「平和交渉の矛盾」、4月の「プーチンの反逆との闘いと「サルマト」発射実験」という投稿でも和平交渉が敗北宣言と同じ意味を持つ事や露国内からの反逆の可能性、それを犯そうとしていると想定される(見え見えだが)裏切者やそれらの言動について触れた。この点では状況が大きく変わっておらず、水面下での熾烈な戦いは続いていると解釈している。そして、一枚岩にならない露を端からみているアングロサクソンもその他所謂西側の世界も、露との戦で勝てるのではと思っているのではないだろうか(実際の直接戦争では露に勝てると言える国はいないし、大国間戦争は核戦争になるため勝者そのものはいないという王道の考え)。西側と言っても、米・英の大国ではなく、昨今はポーランド、チェコからの挑発が絶えなくなっている。挙句の果てに、今まで世間動向を一定の距離を置いて傍観していたスイスとフィンランドがNATO加盟を真面目に考え出したのではないか。国力からして中小規模の国々が相次いで露を挑発することで何を狙っているのか。

露の山分け、資源の獲得

マドレーン・オルブライト元米国務長官(ちなみに、チェコ出身)は実際に❝シベリアは一か国が所有するには大きすぎる❞と発言したと言われる(本人が何度か否定しているため、信憑性を確認できず)。また、ブレジンスキー(ちないみに、ポーランド人でウクライナ出身とも言われる)はその更に上を行き❝新世界秩序は、反露であり、露の廃墟でそして露の負担で築かれる❞と発言している様だ。この様な発言は無数に記録されいる。つまり、西側の世界からすると、露は、露人は邪魔者でしかなく、必要なのはたまたま露の領土にある資源だけだ。こんな思想を持つ人は西側の支配層に存在し、代々この思想を受け継いできている。まずこれを理解する必要がある。
では上段と繋げると、露の国内にいる裏切者が反逆を犯し、露を内側から滅びさせ、いざという(例えば、核兵器を落とされた)時には露は打ち返しができず、敗北を認めることに西側世界は期待し、確信に近い精神状態にいると言えよう。そう考えると、何ら関係のないフィンランドがなぜこのタイミングでNATOに加盟し却って自国領土と自国民を露の標的にする必要があるかがある程度見えてくるのではないだろうか。即ち、露がウクライナで何等かの形で負けると、露という国の分断と特に天然資源を中心に『山分け』が始まる。露と国境を持っており、エネルギー面では基本的に露からの輸入に依存しているフィンランドからすると、当然ながらこのパイから一切れはもらっておきたい訳だ。これに第二次世界大戦時、フィンランドがナチスドイツと結託して犯したことを加えると、よりはっきりとこの国の露に対する思い、本当の狙い(資源の他に、大昔自分たちの領土だった地域の返還等)が見えてくるのではないだろうか。一方、スウェーデンチェコポーランド辺りの露との過去の戦争や深い歴史に遡る様々な思惑については言うまでもないだろう。一目瞭然だ。

露は降伏しない?

どうなるかは当然分からない。が、当方なりの予想を述べると次の通りだ
プーチン大統領の支持率が史上最高レベルの78.9%(ちなみに信用していると応えているのは81.5%)。露の世論調査を信用するか否かは別として、やはり対外の敵の存在を国民が信じると一致団結しやすくなるのは本当の様で、一般市民、今まで西よりだったネット上のインフルエンサーの動きやスポーツ選手等の大半がやはり特別軍事作戦を始め、大統領の判断と導いている方向性を信頼している印象を受ける。
次に、問題が山積みながらも為替危機を回避出来る兆しが見えてきた。EUが露の天然ガスをやはりルーブルで買うことに合意した。上述のフィンランドへの天然ガスの供給を停止するのも濃厚になってきている(裏切者のペスコフはこれに精一杯反対しようとしているが)。露から撤退している企業の国内資産の国有化を始めた。これは、欧米を中心に実施されている各国にある露若しくは露人の資産の凍結や没収への遅ればせながらの対応だという。これも、その資産の価値云々というよりも、西側にきちんと応えられるという姿勢を示せるようになったことが注目すべきところなのではないかと考える。
そして最後に、ウクライナでの特別軍事作戦だ。マリウーポリのアゾフスタル製鉄所の武装集団員が白旗を上げて出始めた。露が最近まで手出しをしてこなかったリヴィフを始め、ウクライナ西部にある軍事施設および司令塔を打ち始めた。
当然短期戦で終わると考えられる状況ではないが、露が降伏する様な状況では決してないと見ている。これは良いか悪いかは別議論。

今日はここまで。

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