F.クマヲ

忘れな草/老人とくゆうのモノ/メメントモリ

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記事一覧

ヒトのものには

 18のときから夜勤をしている 夜に働くなんて本当に嫌だ 8時には風呂に入って布団に入りたい 仕事に生きたいと思っている人間は人格に異常がある なぜ続けるか、も…

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現世利益

 2年ほどまえに、人気のインフルエンサーの人が販売したグッズを注文した お金を振り込み、待ち時間は何ヶ月もかかりますとは言われていたが一月ほどで炎上した 私にと…

F.クマヲ
2週間前
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まじない

 小さい頃、まじないのために虫封じのできるおじさんのところに連れて行かれたことがある そこはお好み屋だったが、その日はしまっていた 窓から入る光のなかでおじさん…

F.クマヲ
2週間前

化ける

 化粧品をどさりと注文した このご時世、ほんとうにデパコスは高い 高いと思いながらホイホイ買う そのときは心のYAZAWAを解放する 矢沢永吉はよくしらないが『オレは…

F.クマヲ
2週間前

サバイバル

 小さい頃、島に住んでいた 田舎の良さも悪さもそこですべて体感した もし田舎に移住してもそつなくこなせるだろう、だが辛酸舐めることがわかってて血縁の無いド田舎を…

F.クマヲ
3週間前

床に染み込む

 大風邪をひいてすごい熱がでている 夜は息ができなくて座ってエンドレスに痰を吐いて過ごした 水が飲めなくて痰も減ってきて、眠気が襲ってきた 「今寝ると死ぬ」 理…

F.クマヲ
4週間前

人の世は

 なんだか久しぶりに小児科にまわされて退院直後に入院してきた子をみていた みれないんなら入院させずに紹介しとけばいいのに、という本音は押し隠している  ママは母…

F.クマヲ
1か月前
1

ふりかえると

 癒やしのお隣さんは秘密があった、だったか、ドラマ化されたマンガを読んだ ネタバレするとハッピーエンド 好きとストーカーの区別は難しい  思い出せば、過去にスト…

F.クマヲ
1か月前

男と女のあいだには

 激痛で倒れているのだけど、くだらないことばかり走馬灯のように流れてくる 気絶するか痛みに耐えるかの二択なのだが、やっと楽になってきた  まだ遭遇してないのだが…

F.クマヲ
1か月前

神獣

 正月までは雲は龍のかたちをしていた おそらく龍が飛んでいるのだが、もともとここに引っ越してきたときはそんなものいなかった 水龍らしく雨が降る時はこの雲がかかる…

F.クマヲ
1か月前
2

ルナティック

 台風がのそのそと暴れまわってるからか、新月だったからか、自殺したい人が多い 救急車に乗ってきてあばれまわる わたしは専門ではないので、なぜ隣の巨大精神科病院に…

F.クマヲ
1か月前
1

旅の思ひ出

 むかしの旅行を思いだした 夜便だったか、成田から飛んだと思う あいも変わらず、格安チケットで連休の合間の日本脱走だ 大好きなタイに向かった 夜便でビールを傾け…

F.クマヲ
1か月前
6

砂糖少なめ

 アジアの飲み物は砂糖が多い 甘くなくて美味しい、とかじゃなくて限界突破の甘さいわゆるシロップ 汗をかくのでこの甘さじゃないとってことなのかな、と自己消化してい…

F.クマヲ
1か月前
1

ディパーチャー

 コロナで仕事場に海外禁止令が出ていたが、やっと解除されていってきた 久しぶりの海外だ  旦那のために行きやすい観光地にして、オプションもつけた 自分のためだっ…

F.クマヲ
1か月前
1

文豪失格

 アニメでやたら太宰治がでてきて、『死にたがる』 玉川上水で死んだのか覚えてないし、太宰治の本は読んだことがない 瀬戸内寂聴が、自分のムック本で坂口安吾の回想を…

F.クマヲ
2か月前
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浦島太郎

 浦島太郎のあらすじは、とても理不尽 取ってつけたような解説をみるときもあるがおかしすぎる 日本人のマナーとして、龍宮城の玄関で「これはいけません、そんなたいそ…

F.クマヲ
2か月前
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ヒトのものには

ヒトのものには

 18のときから夜勤をしている 夜に働くなんて本当に嫌だ 8時には風呂に入って布団に入りたい 仕事に生きたいと思っている人間は人格に異常がある なぜ続けるか、もう私にはこれしか残ってないから

 夜の仕事場は毎回ではないが、噂話、恋バナ、から騒ぎもいいところだ LINEでそれは拡散され昼には何も無かったことになる 楽しいがくだらない
 今の仕事場は一覧で出勤がわかる 24時間ずっといるオッサンがい

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現世利益

現世利益

 2年ほどまえに、人気のインフルエンサーの人が販売したグッズを注文した お金を振り込み、待ち時間は何ヶ月もかかりますとは言われていたが一月ほどで炎上した 私にとってその内容はショックをうけるものでもなかったのだが、どうも関わり合いになると手に負えない、と思い、キャンセルもせずに注文のラインアドレスをブロックし縁を切った
 最近、ぽつぽつとその人がその頃の経緯を美化して話しているが、私の振り込んだと

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まじない

まじない

 小さい頃、まじないのために虫封じのできるおじさんのところに連れて行かれたことがある そこはお好み屋だったが、その日はしまっていた 窓から入る光のなかでおじさんが何かを持ってくる 手に墨でまじないを書き、塩をかける
「  」
手をすり合わせるように言われたと思う おじいさんの声は店の中に入ってからかなり小さい お母さんも小声で指示にしたがう 手をすり合わせていると、人差し指や中指の先から透明な糸が

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化ける

化ける

 化粧品をどさりと注文した このご時世、ほんとうにデパコスは高い 高いと思いながらホイホイ買う そのときは心のYAZAWAを解放する 矢沢永吉はよくしらないが『オレはいいけどYAZAWAはどうかな?』という、そんなことに躊躇するわけないやろYAZAWAやで俺は、というなぞの言い回し、大好きだ
 2つだけどカートが2万か··そこでYAZAWAが出てくる、金額はもう私には関係ない
 さておき、休みなの

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サバイバル

サバイバル

 小さい頃、島に住んでいた 田舎の良さも悪さもそこですべて体感した もし田舎に移住してもそつなくこなせるだろう、だが辛酸舐めることがわかってて血縁の無いド田舎を選択するときはかなりの状況に追いこまれていると思う それでも南国だからと移住する人間はアタマがおかしい
 沖縄や離島、山間に移住してたいへんな目にあった、というYouTubeがあるが、なんにも共感できない 広い家に住めるけど4LDKだからエ

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床に染み込む

床に染み込む

 大風邪をひいてすごい熱がでている 夜は息ができなくて座ってエンドレスに痰を吐いて過ごした 水が飲めなくて痰も減ってきて、眠気が襲ってきた 「今寝ると死ぬ」 理由はわからないが本能が告げる 死ななかった
 今までに何度か、死ぬかもしれないがまあ仕方ないか、と思いながら目を閉じたことがある 
 持病に神経痛があるのだが、最初は顔に出ていたが、最近は胸や背中にでる これがくせもので、神経痛とはいわゆる

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人の世は

人の世は

 なんだか久しぶりに小児科にまわされて退院直後に入院してきた子をみていた みれないんなら入院させずに紹介しとけばいいのに、という本音は押し隠している
 ママは母乳推進の、できれば完全母乳をめざしていたが、どうもそうならない成り行きに困惑していた それを支えていた
 私は母乳はどうでもいいと考えている 軽く見ているんではなく勝手に出るんである、工夫して用意して母乳宗教をやる必要はない 帰ってから子ど

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ふりかえると

ふりかえると

 癒やしのお隣さんは秘密があった、だったか、ドラマ化されたマンガを読んだ ネタバレするとハッピーエンド 好きとストーカーの区別は難しい
 思い出せば、過去にストーカーされた人はみんなカッコよかったが心臓が悪かった 心がハートなら心臓なのだ
 旦那氏との結婚直前、たまたま家に限りなく近い美容室の美容師にストーカーされていた なんとなく切りに入って、何回か通うとき「家めちゃくちゃちかいですね」からどう

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男と女のあいだには

男と女のあいだには

 激痛で倒れているのだけど、くだらないことばかり走馬灯のように流れてくる 気絶するか痛みに耐えるかの二択なのだが、やっと楽になってきた

 まだ遭遇してないのだが、ここのところ仕事場がLGBTの患者を受け入れるのに躍起になっている LGBTを受け入れるなんて最先端の感覚!それが田舎の思考なんだよ! 個室に放り込めばなんとかなると思ってるみたいで、いやおかしいでしょ、と
 差別する気は無い 無いのだ

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神獣

神獣

 正月までは雲は龍のかたちをしていた おそらく龍が飛んでいるのだが、もともとここに引っ越してきたときはそんなものいなかった 水龍らしく雨が降る時はこの雲がかかる もともとは山にかかる独特な雲は羽衣に見えた だらしなくかかる羽衣は、姿は見えないけど神様で、そんなだらしない神様はそんなに上の神様でもないのだろう、と思っていた 羽衣のかたちの雲は今は無い 龍もいない
 鳳凰の時代らしいが、フェニックスみ

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ルナティック

ルナティック

 台風がのそのそと暴れまわってるからか、新月だったからか、自殺したい人が多い 救急車に乗ってきてあばれまわる
わたしは専門ではないので、なぜ隣の巨大精神科病院に運ばずに精神科の無い救急病院に運んでくるのか、ナゾである 心の病は専門家にしか治せない 心ではなく体を治しに来てるのだろうか、ならばなぜ壊すのか
 昔も専門性は高かったが、精神科医は最初に統合失調症とはなんたるか叩き込まれる もちろんその道

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旅の思ひ出

旅の思ひ出

 むかしの旅行を思いだした 夜便だったか、成田から飛んだと思う あいも変わらず、格安チケットで連休の合間の日本脱走だ 大好きなタイに向かった 夜便でビールを傾けながら、みんな気怠く到着までのひまつぶしをしている タイ人ばかり、外国人ばかり 英語も少なくなってくる 
 日本語はもう耳に響くことはない ある意味、安心した 仕事柄、相手が挨拶をしてからああお久しぶりですお元気でしたか、と声をかけるルール

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砂糖少なめ

砂糖少なめ

 アジアの飲み物は砂糖が多い 甘くなくて美味しい、とかじゃなくて限界突破の甘さいわゆるシロップ 汗をかくのでこの甘さじゃないとってことなのかな、と自己消化していた
 このたび、ガイドさんが『ドリンク、あまくないですか? 砂糖を減らすようにアレンジできます 私は減らしてます 1日に何杯も飲むから』 あれ?現地の人も甘すぎるって思ってたの? 身長152センチくらいで、4Lなら入りそうな現地ガイドさんが

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ディパーチャー

ディパーチャー

 コロナで仕事場に海外禁止令が出ていたが、やっと解除されていってきた 久しぶりの海外だ
 旦那のために行きやすい観光地にして、オプションもつけた 自分のためだったなら限界価格のもので観光なんかしない なんならホテルから出ない
 海外の出入国手続きを調べることはしないのだが、今回はパスポートの電子確認があったりオンラインでチェックインしたりけっこう変化していた 手続きをなぜ調べていかないかというと、

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文豪失格

文豪失格

 アニメでやたら太宰治がでてきて、『死にたがる』
玉川上水で死んだのか覚えてないし、太宰治の本は読んだことがない 瀬戸内寂聴が、自分のムック本で坂口安吾の回想を載せていたところしか印象がない 入水したという知らせを受けて、安吾はすぐに身を隠す とうとう死んだのではないか、インタビューの記者に囲まれたくない、ただそれだけで安吾は逃げ続ける、周りの作家も同じだ これは安吾が薄情なのではなく、ずっとそん

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浦島太郎

浦島太郎

 浦島太郎のあらすじは、とても理不尽 取ってつけたような解説をみるときもあるがおかしすぎる 日本人のマナーとして、龍宮城の玄関で「これはいけません、そんなたいそうなことはしてません」と固辞していれば玉手箱はもらわずにすんだのだろうか でも玉手箱も自分の命が封印されてるのである 呪ではない
 好きなおとぎ話に墓掘り男がある 墓掘り男が墓を掘っていると土からしゃれこうべが出てきて、よる七時に夕食に来な

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