「1日に食べていい卵は1個まで」という大きな誤解
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
1日あたり卵を何個食べていいのか?
この問いに対して、一般的には「1日1個まで」といわれています。その理由として挙がるのが、「いろいろな食材に卵が含まれているため、1個以上の卵を摂取してしまうと、コレステロールが……」というものです。
ところが、この説に対して真っ向から否定する人物がいます。
生活習慣病・血管の専門ドクター、国内の第一人者として知られる栗原毅先生です。
血管を強くするなら、むしろ卵を毎日2個は食べたほうがいい、と。
栗原先生の新刊『血管が強くなる習慣』では、「卵を毎日2個は食べたほうがいい理由」を詳しく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。
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アルブミンは元気指数
健康診断の結果が出たら、ぜひ注目してほしい数値があります。
それが、「アルブミン」です。
アルブミンは血液中に含まれるタンパク質で、アミノ酸を運搬する役割を果たしています。アミノ酸は人間の体を構成する基本の物質で、血管、筋肉、髪、皮膚などの材料になります。もちろん、血管の健康には欠かせない物質です。
アルブミンの値を見れば、大切なアミノ酸が十分に供給されているかどうかをチェックすることができます。
私はアルブミンを「元気指数」と呼んでいます。
ある日、85歳の女性の患者さんがクリニックにやってきました。足取りが重く、肌の艶も悪く、ひと目で衰弱していることがわかりました。
血液検査をしてみると、案の定、アルブミン値が低く、危険な状態でした。
私は応急処置をし、タンパク質をたっぷり摂るように指示をしました。
それから4カ月後、再びクリニックにやってきたその人を見て、私は驚ました。顔色は見違えるように良くなり、背筋もピンと伸びて健康そのものです。アルブミン値も基準値まで上昇していました。
「いったいどうしたのですか?」と尋ねると、女性は「先生にいわれたとおり、毎日、卵を5個ずつ食べました」と答えました。
私がジョークでいった「卵5個」を実践して、すっかり元気になったのです。
コレステロールは、むしろ下がる
卵は必須アミノ酸をすべて含む、優良な食品です。値段の変化も小さく、家計にやさしいのもうれしい点です。
卵の話をすると、必ず「コレステロールが……」と顔をしかめる人がいます。しかし、それはまったく根拠のない誤った認識であることが証明されています。
それどころか、卵白に含まれるシスチンというアミノ酸は、悪玉コレステロール値を下げることがわかっています。卵黄に含まれるシスチンという脂肪酸も同様の働きをします。
卵は、コレステロール値を上げるどころか、下げてくれるのです。
毎日2個を目安に、卵を食べるようにしてください。
【著者プロフィール】
栗原 毅(くりはら・たけし)
栗原クリニック東京・日本橋院長。医学博士。1978年、北里大学医学部卒業後、東京女子医科大学消化器病センター内科入局。1987年より東京女子医科大学で消化器内科、特に肝臓病学を専攻し、2005年に教授に就任。2004年、中国中医研究院客員教授、2007年、慶應義塾大学教授に就任。2008年に消化器病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防と治療を目的とした「栗原クリニック東京・日本橋」を開院。テレビ、新聞、雑誌などのメディアでも、わかりやすい解説が人気を博す。血液サラサラの提唱者の一人として知られる。
栗原丈徳(くりはら・たけのり)
栗原ヘルスケア研究所所長。歯科医師。1982年、東京都生まれ。鶴見大学歯学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科中退。「予防歯科医療」「食と健康」をテーマに活動をしている。特に「口の健康と全身疾患との関連性」に興味を示す。大学や介護施設などで講演も行なっている。日本抗加齢医学会、日本咀嚼学会、日本摂食嚥下リハビリテーション学会等の会員。
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いかがですか?
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本書は、本日5月24日より全国主要書店、ネット書店で発売開始です。興味のある方はチェックしてみてください。
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