朝イチの口の中は、肛門より汚い!?
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
あなたは、朝起きてから最初にやることは何ですか?
「のどが渇いているので、まず水を飲む」なんて方もいるかもしれません。ただ、その朝イチで最初にやることが、あなたの今後の健康状態に大きく影響を与えるのをご存じでしょうか?
生活習慣病・血管の専門ドクター、国内の第一人者として知られる栗原毅先生の、5月24日(Amazonでは先行販売中)発売予定の新刊『血管が強くなる習慣』で、朝イチでまずやるべきことについて詳しく解説しています。今回は、本書の中から該当箇所を一部抜粋・編集して紹介いたします。
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朝、起きたら、まずやったほうがいいこと
みなさんは、朝、起きたら、まず何をしますか?
血管健康法にとって、朝イチはとても大切な時間です。
朝、起きると「喉が渇いているから水を飲む」という人は多いでしょう。寝ている間に水分が失われることは、よくあることです。また、口を開けて寝るクセがある人は、特に喉が渇きやすいといえます。
脱水状態は、血液が濃くなって血栓ができやすくなりますから、水を飲むのはいいことす。
でも、ちょっと待ってください!
すぐに水を飲むのは危険です!
実は、口の中にはたくさんの細菌が住んでいます。その数は、よく磨けている人でも1000億個というから驚きです。
口内細菌のなかには、悪玉菌、さらには超悪玉菌もたくさんいます。それらの悪い菌は寝ている間に増殖する性質があります。
口が乾く、ネトネトする、という人は、まさに口の中が細菌だらけの状態です。ネトネトの正体は細菌と細菌が生産するバイオフィルムというネバネバ物質なのです。ケアが不十分な場合、1兆個。肛門のまわりより細菌の数が多いのです。
そんな菌だらけのまま水を飲むと、悪玉菌がすべて体の中に入ってしまいます。考えただけで嫌ですね。
それを防ぐにはどうしたらいいか?
簡単です。
水を飲む前に、口をゆすいでください。それだけです。
本当は一度、歯を磨いてほしいところですが、朝食後の歯磨きは必須なので、口をゆすぐだけでいいとしましょう。朝、二度の歯磨きが面倒でないという人は、起きてすぐに軽く磨けばベストです。
歯周病菌が腸内環境をメチャメチャにする
悪玉菌の中でも、「超」がつく極悪菌が歯周病菌です。
歯と歯茎の間にポケットと呼ばれる溝をつくり、その中に住んでいます。空気が嫌いなので、溝を深く掘って隠れる面倒なヤツです。もし、歯茎から出血があるなら、歯周病菌が繁殖していると考えられます。
なぜ、歯周病菌が超悪玉かというと、出血した歯茎の血管から体内に入り込み、血糖値を調整するインスリンという物質の働きを阻害するからです。つまり、歯周病菌がいると、血糖値が上がり血管の老化が進行するのです。
しかも、歯茎の血管から侵入した歯周病菌は、体中に回って悪さをすると考えられています。
歯周病と糖尿病の相関関係は、複数の信頼できる機関で実験が行なわれています。そして、「歯周病を治療すると、糖尿病が軽快した」など、有意なデータが数多く報告されています。
また、飲み下された歯周病菌は、強い酸性を持つ胃液で死滅すると考えられていたのが、最近の研究ではその一部が腸にまで達することがわかってきました。
腸に達した歯周病菌は、腸内細菌のバランスを大きく変化させてしまい、腸内環境をメチャメチャにします。大腸がんの大きな原因ではないか、ともいわれています。
このあと、詳しく解説しますが、腸内環境は血管の健康に欠かせない重要なポイントです。メチャメチャにされてはかないません。
歯周病菌を飲み下すのは、本当に危険な行為なのです。
「私は歯茎から血が出ていないから大丈夫だ」と安心してはいけません。出血がなくても、ほとんどの人の口の中には歯周病菌がいます。
朝イチの口ゆすぎは、すべての人に実践してほしい習慣です。
【著者プロフィール】
栗原 毅(くりはら・たけし)
栗原クリニック東京・日本橋院長。医学博士。1978年、北里大学医学部卒業後、東京女子医科大学消化器病センター内科入局。1987年より東京女子医科大学で消化器内科、特に肝臓病学を専攻し、2005年に教授に就任。2004年、中国中医研究院客員教授、2007年、慶應義塾大学教授に就任。2008年に消化器病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防と治療を目的とした「栗原クリニック東京・日本橋」を開院。テレビ、新聞、雑誌などのメディアでも、わかりやすい解説が人気を博す。血液サラサラの提唱者の一人として知られる。
栗原丈徳(くりはら・たけのり)
栗原ヘルスケア研究所所長。歯科医師。1982年、東京都生まれ。鶴見大学歯学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科中退。「予防歯科医療」「食と健康」をテーマに活動をしている。特に「口の健康と全身疾患との関連性」に興味を示す。大学や介護施設などで講演も行なっている。日本抗加齢医学会、日本咀嚼学会、日本摂食嚥下リハビリテーション学会等の会員。
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