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PK失敗は命取り

僕が小学生の時の話である。
僕は小3からサッカーを始め
週3回の練習とたまに週末に
試合があった。


このサッカーの監督は
とてつもない鬼監督であった。

鬼監督「よし!いいかお前ら!
    この大会の目標はベスト8だ!」

僕は当時小学六年生だった。
県大会の全学年が参加する大会の目標が
鬼監督によって勝手に決められた。

当時僕は地域のリーグ戦とか
県のトーナメント戦とか
数少なくなった練習試合とか
いろいろ試合があった為
目の前の試合に勝つことだけに
必死になっていた。

僕らはこの大会を
順調に勝ち進み
ベスト16までやってきた。

しかし


僕らの勝手に決められた
目標を阻む敵が現れたのだ。

相手は県代表選手がいる強豪だ。

試合開始と同時に
戦慄が走る。


県代表選手が
キックオフと同時に
シュートを放ってきたのだ!

キックオフシュートという奴である。

キーパー手前でワンバウンドしたが
小学生であの距離を蹴れる筋力に
マジでビビった。


あんなのにもし足でも蹴られたら
ひとたまりもないだろう。
彼が僕の近くに来ないことを祈った。


試合は強豪相手に0-0で
試合は終盤に差し掛かってきた。

僕自身もとても調子が良かった。
しっかりと相手のFWの
いい部分を消すことが出来ていた。
だが大分疲れていた。


試合はそのまま終了。
PK戦にもつれ込む。

以前の試合では僕は7番手のキッカーだったので
今回も7番手かと思っていたのだが
鬼監督はなんとあろうことか
僕を大事な5番目のキッカーに指名してきたのだ。

5番目までに勝敗がつくこともあるが
ほぼ回ってくる。


僕はとても嬉しかった。
鬼監督は今日の僕の活躍を見ていたのだ。
絶対に決める!そう思った。


そして出番がやってきた。

4対3


僕らが後攻なので僕が決めて
決着つかずになり決着がつくまで続く。
外せば負けだ。

僕は蹴るコースを決めていた。


右だ。
右だ。
右だ。


なんでかって?


前の試合も右に蹴って決めたから。

蹴るコースは決めた。
後は丁寧に蹴るだけだ。

助走を開始し
ボールを蹴ろうとしたその時。
僕はふわっと一瞬意識を失ったように感じた。

試合で失われた体力。
固まった体。
極度の緊張。


ボールを蹴った感覚がなかった。


ボールはどこへ行った!?

右へ蹴ったはずだ!


右を見たが右にはボールはなかった。

ボールはコロコロコロと
キーパーの真正面に力なく転がった。


キーパーもビックリ。
余裕のキャッチ。

僕らの負けが確定した。


「しゃーない!しゃーない!」


と振り返る僕にチームメイトの一人が
手を叩きながら声を掛けてくれてた。

勝負には勝者と敗者が生まれる。
仕方のないことだ。
いい試合だったのだ。


そうだ。


そうだ。


いい試合だった。


翌週の練習の日。

全学年で40人ぐらいいただろうか。


鬼監督「おい!六年ここに並べ!」


何故か他学年と分けられた。
すると鬼監督は衝撃の言葉を後輩に放つ。


鬼監督「六年との約束はベスト8だった!
    それを守れなった。いまからこいつらを殴る!!!」

ん?????


どゆこと???

僕は約束を忘れていた。
しかもそれは約束でもなんでもない。
さらにその罰も聞いてない。

おそらく六年全員がそう思っただろう。

監督が僕らを背面に後輩にそう説明し
こちらに振り返った。

鬼監督「歯を食いしばれ!」

左からバシバシ連続できている。
ヤバい!僕は体を全集中し
体を全力で硬化させた。


「バアァァチイィィーーン」

僕の頬に強烈な痛みとともに
電気が駆け抜けた。


首は頭と繋がっていた。


全員しっかり頂いた後

鬼監督「グランド10周!」

六年全員グランドを隊列を組んで
走りはじめた。

僕のせいだ。
でも誰一人僕を責めるやつはいなかった。

とてもありがたかった。
そんなこんな厳しかったせいもあるのか
中学になって半分ぐらいは
サッカーを部活に選択しなかった。

そして僕らの代は
人数が少なく
谷間の世代となった。

小学校も中学校も
サッカーをやっていたが
楽しいと思った記憶がない。

恐怖を避ける為に続け
恐怖を避ける為にに誰かよりも抜きにでようとし
恐怖を避ける為に自分のせいではないと
誰かのせいにする。

今、歳をとって思うのが
勝負の結果などゲームぐらいに考えておくほうが
いいと思っている。


勝利も大事である。


勝利がではないと思う。

他にも大事なことはある。


そういう事を
子に教えることが大切なのではないだろうか。

さあ、これから


朝からタブレットでアンパンマンを見。
車の中では騒ぎスマホでアンパンマンを見。
風呂にはグミで釣らないと来ない。
気を抜いたらケツを掻いて手にう◯こを
手に付けて走ってる。


もうすぐ2歳の娘に
僕はこの鬼監督から学んだ事を教訓に
日々接していこうと思う今日この頃である。






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