ハーフムーン #3

しとしとと音もなく降る雨は、何だか優しい気がして癒される。雨なのに、雨漏りしそうなパンプスで来てしまったことをちょっと悔やむ。帰るまでに上がっていてくれるといいのだけれど。

「ピロン」
「あなたの運勢：7位、気になる異性からは嬉しいメールの予感も・・・」

通知音が鳴った。登録してるアプリからの今日の占い運勢。7位かと思って見てみたら、”気になる異性からの嬉しいメール”だって。まじか！

・・・きっと、まじではない。当たるも八卦当たらぬも八卦、占いってそういうもの。
でも今の状況では飛び跳ねてしまいそうなほど、嬉しいニュース。たかが占いに一喜一憂して、気分が晴れるなんておかしいかもしれない。思考レベルは中学生並みだ。
冷静に考えたら、運勢7位ってことは標準だね。良くも悪くもない。今日も平穏な日々を過ごすでしょう、ってことだよね。あまりいいように捉えてもあとで悲しくなってしまうから、控えめにしておこう。

気を取り直して、パソコンに向かう。

でも、やっぱり考えてしまう。
昨日のこと。昨日は最低な夜だった。

その反動もあって、今日の占いはとっても浮かれてしまうものたったのだろうと自己分析。普段は、朝のTV番組のラッキーカラーもラッキーアイテムも意識しないのに。メンタルやられすぎてたかな。

真夜中にちょっと愚痴ってしまった。すこぶる迷惑なかまってちゃん、やってしまった気がする。どうしようもなくて、気分がへこみまくって、立ち直れそうにも、眠れそうにもなくて。お友だち、ごめんよ。でも、ちょっとでも話せて、聞いてもらえて、少しは楽になれた気がする。おかげさまで眠れました。ありがと。

原因は、あの人でしかない。
見たくないものを見てしまった。

わたし以外の人と食事してたらしいってこと。あれ？わたしは？ってなってしまって。ただの仲のいい昔からの友人だったらしいけど、モヤモヤしちゃって。彼女でもなんでもないのに、関係性すら曖昧なのに。
今なら落ち着いてるから、笑えてくるんだけど（笑）

でも、昨日はいたたまれなかった。
考えすぎて、どうしようもなさすぎて頭痛がするほどやられていた。

SNS蔓延る便利な時代になってしまった代償は、余計な情報まで知れてしまうことだと思う。意図せずとも。知りたくなくても。今回だけは、おすすめ機能やめてほしかった。

コーヒー片手に仕事してるのに、コーヒー飲んで一息つきたい、と切に願ってしまう矛盾。どれだけ求めてるのだろう。癒しと安らぎの時間を。
こころを掻き乱されるのは、少々きついみたいだ。仕事に集中して忘れたい。とりあえず、平常心を取り戻すまでは。

こんな時だけ申し訳ないのだけれども、仕事があってよかった。

今夜は月が見えそうにない重苦しい雲だけど、優しい雨でよかった。
きっと、半月が雲の裏で笑ってるみたいに、時が経てばわたしのこころも落ち着くはず。気長にその時を待つとする。