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なにやったっていいんだぜ


2023年12月28日(木)朝の6:00になりました。

いつだってそうやって頑張って考えて探してきたじゃないか。

どうも、高倉大希です。




「翌日のテストで満点がとれるなら、なにやってもいいよ」

小学校の学級担任を務めていたころ、子どもたちにこんな宿題を出しました。


翌日確認してみると、準備の内容は千差万別です。

ノートにびっしり練習してくる子もいれば、なにもやってこない子もいます。


両者に優劣はありません。

テストで満点をとれるなら、なにやったってよいのです。


一度習得したことを「捨てる」タイプの変化のことを、「学習棄却(アンラーニング)」と言います。アンラーニングは、言うは易し、そう簡単には起こりません。日常のなかで大きな不都合やトラブルが起きない限り、人は自らの認識を変えないため、無自覚のうちに皮膚に蓄積した垢のように自覚されない認識は“こすり落とす”ことでしか気づけません。

安斎勇樹、塩瀬隆之(2020)「問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション」学芸出版社


大事なのは、満点がとれなかったときです。

満点がとれなかった子には、このような指示を出しました。


「つぎは必ず、今回とは違うやり方で臨みなさい」

今回と違っていれば、なにやったってかまいません。


量を変えてもかまいませんし、方法を変えてもかまいません。

時間を変えてもかまいませんし、場所を変えてもかまいません。


特に「教育」という世界については、日本では多くの場合、「目標」は「人格の完成」のように哲学的で曖昧なものであり、「手段」は「意識改革」や「とにかくガンバルこと」のように精神主義的で非合理目的的であり、仲間のメンツをつぶしかねない「評価」はそれ自身が巧妙に回避される傾向があるようです。

岡本薫(2001)『教育論議を「かみ合わせる」ための35のカギ』明治図書


反対に、満点がとれたとしてもそこで終わりではありません。

満点がとれた子には、このような指示を出しました。


「つぎも必ず、今回と同じやり方で臨みなさい」

量も方法も時間も場所も、できるだけ変えずに準備をさせます。


まったく同じやり方で、つぎも満点がとれるのか。

再現性を確かめようというわけです。


これは自分でいつも反芻していることなんですけど、製品をつくるというのは、ごまかすと最後は絶対にうまくいきません。つくっているときに「ここは少し気になるけど、まあ大丈夫だろう」と思ってそのままにすると、市場に出ていったときに、必ずそこが問題になるんですね。そういうことを何度も経験しています。

石川善樹(2020)「考え続ける力」筑摩書房


このやり方なら、ほぼ間違いなく満点がとれる。

そんなやり方をみつけた子には、このような指示を出しました。


「つぎは必ず、今回よりも楽なやり方で臨みなさい」

今回よりも楽になっていれば、なにやったってかまいません。


これをくり返していると、とてもおもしろいことが起こります。

それはきっと、みなさまのご想像どおりです。






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