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肉を焼かせておくれよ


2023年10月20日(金)朝の6:00になりました。

ほう、いいじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので。

どうも、高倉大希です。




BBQ をする機会が、ときどきあります。

親睦会などではとくに、なにかと BBQ が行われがちです。


お店とは違って、準備から片付けまでを自分たちで行うのが BBQ の醍醐味です。

そんな仕組みだからこそ、自然と役割分担が発生します。


みんなの分のお肉を、率先して焼いてくれる人がいたり。

嫌がることなく、ゴミをまとめてくれる人がいたり。


雰囲気がよくなるから成果が出るのではなく、成果が出るから結果的に雰囲気がよくなるのです。

安藤広大(2020)「リーダーの仮面」ダイヤモンド社


BBQ においてもっとも辛いのは、役割がないことです。

仲のよいメンバーなのであれば、座って肉を食べていればよいのかもしれません。


しかし、親睦会のような場なのであれば話は大きく変わってきます。

先輩が肉を焼いてくれている中で、後輩が座っているわけにもいきません。


働かざる者、食うべからず。

一方的に肉だけが与えられ、申し訳なさだけが募っていくのです。


恩義の感情が未来に及ぶことは日本語の「ありがとう」を表すフレーズ、「すみません」によく現れています。「すみません」というのは文字通りに読むと、「これでは終わりません」という意味になります。

ロバート・B・チャルディーニ(2021)「影響力の武器」誠信書房


肉を焼かせてくれればいいのに。

そう思って声をかけるのですが、「いいからいいから」と断られてしまいます。


断る側は、とてもうれしそう顔をしています。

よかれと思って、断っているからです。


役割をわたさなかった側が、ありがとうと言われます。

役割をくれた方が、ありがたいにも関わらずです。


私はハイ・テック・ハイの教師に「個性が非常に強く、プロジェクトをチームでやることが苦手だったり、一人でプロジェクトをやりたいという生徒が出てくることもあると思うが、その時はどのようにしているのか」と聞いたことがある。戻ってきた答えは「だからこそ子どもたちに『選択』を与えることがとても重要になってくる。プロジェクトには多岐にわたる役割があり、そのどこかには必ず貢献できる『場』がある。それが教室で実現できなければ、社会にそういう子どもたちにとっての『場』がないということにはならないだろうか」というものだった。

藤原さと(2020)『「探求」する学びをつくる』平凡社


だから BBQ をするときは、できるだけトングを渡すようにしています。

そして自分は、ゆっくりと椅子に腰掛けて、運ばれてきた肉を食らいます。


焼かせてもらえない方が、苦しいときだってあるのです。

どうか、肉を焼かせてあげておくれよ。






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