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文章を寝かせる
2024年5月11日(土)朝の6:00になりました。
文字が、ここへ連れてきた。
どうも、高倉大希です。
深夜に稲妻が走り、すかさずメモを残します。
翌朝目覚めて確認すれば、稲妻がゴミと化しています。
昨晩の時点では、とんでもない閃きだったはずなのに。
時間が経てば、その効力が失われている。
こんなことが、よくあります。
瞬間の衝撃は、疑ってかからなければなりません。
GMアルフレッド・P・スローン・ジュニアは、会議の席上「それでは、この決定については全員の意見が一致していると考えてよいか」と聞き、全員がうなずくと、「では、意見の対立を生み出し、問題の意味について理解を深めるための時間が必要と思われるので、次回また検討することにしたい」と言ったという。
熱が冷めたときに、残っているものはなんだろう。
上記の事実に気づいてからは、こう考えるようになりました。
熱がこもっているときは、冷静な判断ができません。
酔っていないと言い張る、酔っぱらいと同じです。
感動したときはあえて、時間を置くようにしています。
熱が冷めるまでの時間経過で、味が染み込んでいくからです。
ラテン語には、「ゆっくりと急げ(festina lente)という表現がある。わざと遅らせる行為を尊重していたのは古代ローマの人々だけではない。中国の思想家である老子は、「無為」という原理を掲げた。これは“何もすることなく成し遂げる”ことを意味する。
毎朝投稿をはじめて、今日でちょうど497日目になりました。
雨ニモマケズ風ニモマケズ、6:00に更新しています。
タイムリミットを決めているので、丁寧に推敲するような余裕はありません。
食品でいうところの産地直送、写真でいうところの撮って出しです。
ただし、本当にその形をとってしまったら熱を逃し切れません。
だからこそ、できるだけ文章を寝かせるようにしています。
あなたが撮る写真は、あなたが生きている間に見つめたもの、愛したもの、大切に思ったものだ、ということを再認識してください。言葉がすべて過去形になってしまうのは、シャッターを押した瞬間に写真はすべて過去の記録になるからです。その「時間の化石」をあとから見ることで、愛したものへの気持ちが甦ります。
正確に言うならば、文章ではなく言葉の断片を寝かせています。
普段の生活の中で気になった言葉があれば、すべてメモに残すわけです。
そして、いちど忘れます。
稲妻による衝撃に対して、見事なシカトを決め込みます。
翌朝、もういちどそのメモを眺めます。
するとそこには、十分に冷めたおもしろいものが残っているという算段です。
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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