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友人に摂食障害を打ち明けた話

去年の12月頃、私は1人の友人に摂食障害であることを話したことがある。
話すつもりはまったくなかったが、会っている時に友人はランチを食べているのに、私は飲み物しか注文できなかったことに、罪悪感と申し訳なさを感じて、勢いに任せて打ち明けてしまった。

幸い、その友人は摂食障害を否定するような言葉は言わなかったが、「でも、まだ翠ちゃんガリガリじゃないから大丈夫だよ。本当に摂食障害の人は骨と皮だけじゃん」と言っていた。
向こうに悪気がないのはもちろん分かっているが、この言葉は私にとっては酷だった。

私が最初、ダイエットを始めたきっかけは、摂食障害克服中の方のSNSを見たことだった。母親に遠回しに体型を否定されることもあったし、自分自身、当時の体重は少し重いと思っていたから、その方のSNSを見て、「私もこうなりたい」と思ってしまったのが最初だった。それが、私を苦しめる一因になることも、理解していたけれど、うつとか、不安とか他の疾患が辛すぎて、でも誰にも理解されなくて、せめて、目に見える形で異常があれば、誰かひとりくらいは理解してくれるのではないか、とも思っていた。

友人に摂食障害を打ち明けたのは摂食障害の診断をされて2ヶ月後だったから、病的な痩せにはまだ程遠かった。

勢いに任せて言うようなことではなかったな、と身をもって学んだ。
でも、決して、その友人が悪かったのではなくて、その子はとても良い子だし、健康な、普通の高校生として、当然の反応だったと思う。

 あとは、「無知って怖いなぁ」と実感した。
健康な高校生が摂食障害の知識を持っているわけがないけど、そういう何気ない言葉がきっかけで摂食障害になり、命を落とす人もいるのだと思うと、もし、私が誰かに病気を打ち明けられた時、どのような言葉をかければいいのだろうか、と考えるきっかけになった。

上の記事で書いている、12年間仲良くしていた男友達にも、病気があることは話していたが、精神疾患であることは言えずにいて、そろそろ本当のことを打ち明けようかと、迷っていた時期があったが、結局何も伝えないまま別れを告げたのは、摂食障害を打ち明けた友人の反応を見て、怖くなったからでもあった。

いい意味でも、悪い意味でも、住んでいる世界が違うのだから、本当のことを話しても、お互いにいいことなんて何もないな、と思うようになった。

12年間仲良くしていた男友達に限っては、死を美化しているような一面も見られて、余計に怖かった。余命いくばくもない主人公を題材にした映画も、最近では増えてきたし、そういう映画は私も見たことがあるけど、そこでは、多くの人に見てもらうために、ひとつの命が消えていく儚さみたいなものを美しく描かれていて、でもそれはあくまで映画の世界だからであって、現実とはかけ離れているということを、彼は知らないようだった。
これも、彼が悪いのではなくて、健康な高校生として当たり前なのだと思う。きっと、死について深く考えたことがないのは、他の高校生もそうだし、私も、病気にならなければ、ここまで深く考えることもなかったように思うからだ。

それでも、私は、死を美化しているように見えた彼に、「死ぬんだぞ?全てを失うんだぞ?美しいか?」と言ってやりたくなった。
苦しんで、泣き叫んで、遺書書いて、もがき苦しんで、生きたいと願っても生きられなかった結果の死を、私は、美しいなんて思われたくなかった。

摂食障害を打ち明けた友人も、男友達も、私が「ちょっとした病気なんだ〜」と言うと、「何科の病気なの?」と聞いてきた。
心配しているだけなのかもしれないが、私にとっては不快だった。
身体障害の方が深刻か??
余命宣告された人の方が大変か??
問題はそこじゃないだろ、病気は病気なんだよ。

健康な人にも分かりやすくこれを伝えるとするなら、インフルエンザとか、コロナとかになったときに、「死ぬ人は滅多にいないから平気だよ。学校(仕事)行った方がいいよ。」と言われるようなものだと思う。ほとんどの人が回復して日常生活を送れるようになるが、すごくしんどいし、吐いたり、お腹下したりもするし、ご飯が食べれなかったり、飲み物すらまともに取れなかったりもするし、「まじで死にそう」みたいな気持ちになるのに、「死なないから大丈夫だよ」とか言われたら「死ぬとかそういう問題じゃない!」となると思う。つまり、どんな病気でも、辛くて苦しくて、治る見込みがあるとか、ないとか、そういう問題ではなくて、今現在がとてつもなく苦しいということが何よりの問題だということ。

摂食障害を打ち明けたことを後悔した時もあったけど、うつとか、不安障害とか、発達障害とか、全てを打ち明けたあとに後悔するより、先に気づけたのだから、これでよかったかな、と思うようにしている。

もし、これを読んでいる方で、病気を打ち明けようか迷っている方がいたら、「勢いに任せて言うことだけはだめだ」ということだけ、伝えたいです。悩んだ結果、打ち明けてもいいし、やっぱり辞めてもいいけど、ちゃんと考えて、悩んだ結果の決断であってほしいと思います。


最後まで読んでくださりありがとうございました🙇🏻‍♀️ ̖́-
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 読んでくださった貴方に、素敵な出会いがありますように。

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