来年、フリーランスの労災独自枠創設(増設)?
厚労省、制度案を審議するとの報
ただし、1週間前の話で恐縮です。
厚労省が、フリーランスの労災創設を審議したそうで。
今更、記事を発見しました。ニュースじゃなくてオールズですかね…。
正直に言いますと、日経さんの「noteで書く」機能を初めて使ってみたかったんですよね(苦笑)。
書く契機はさておき。
当然ながら(?)、未熟な副業初心者として、興味津々という話題ではあります。
文章を書いてみようと思い立った頃に検索してみましたが、「フリーランスの門をくぐる者は心するが良い」(地獄の門かい)、といったふうな先輩たちからの警句で、満ち溢れていましたので(汗)。
もちろん、法律論ですから要件があり、➀継続的に仕事があるかとか、②年収要件とか、絞りがあるのでしょうけれど…と思ったら、「全」ってあるんですよね、見出しに。
うーむ。全てとはこれいかに。
そう思いながら開いてみました(そこで開くんかい)。
対象者と、金銭的負担への言及を抜粋してみます
記事に曰く、
金銭的負担で言うと、
締めくくりに
世相が副業解禁としつつ、国の方で制度的手当が(少)ないのはどうなのかな、とモヤモヤしている巷間、「フリーランス独自の枠が創設される見込みあり」というのですから、ひとつ前進というところではあります。
(計算方法は踏襲予定って明記されてますが、補償範囲等は独自だろうと踏んでいます。いや勝手にですが)
ただ、案が存在することと、審議が開催されたことを知らせてくれる一報ではありますが、他方で、要件の細目に関しては、記載が概要過ぎて、まだわかりませんね。
これが万全の仕組みになるのか、といった辺りは制度の完成・施行前後に、社労士さんのご解説等が待たれるところです(勝手に期待)。
※ 補足
こちらの記事に曰く、
業務委託契約でない人たちは零れ落ちるわけですから、じゃあ、日経記事の言う「全」ってのは盛っているのかなあと(汗)。
全業務受託フリーランスの労災、という係り受けじゃないと、上記引用部分の273万人じゃなく、462万人全てか?と期待してしまうような。
まあ、細目はこれからみたいですので、切り上げます…(汗)。
※ 補足2
実は、上記で切り上げた後に、時事通信記事の方に依拠することで肥大化した違和感があったので、事後的に書き留めておきたいなと思います。
同記事では、フリーランス総数を挙げ、そのうち業務委託契約するフリーランスは、という風に論じているため、業務委託契約外のフリーランスを想定していますよね。その例示は、後出します。
他方、ネットビジネス界隈で用いられる(あくまでも固定の意味というよりは、一般的なイメージというほどで読んでください)フリーランスとは、
発注者と業務委託契約を締結した個人事業主
というほどの意味合いが多いようです。
というか、クラウドワークスやランサーズなどの普及によってか、それ以前からかは不詳ですが、その意味合いしか最近は見かけない気がします(滝汗)。
語源を調べると、中世の王侯貴族と傭兵契約を結んだ自由の槍(free lance)という存在から来ているそうなんですが、しかしそこを起点に持ってくると、日本のフリーランス労災はなんか奇妙なことになる気がするのです。
そもそもになってしまいますが、日本の社会保障政策というのは、自由主義×資本主義という暴走エンジンに対する反省と歯止めなわけですよね。
自由に振舞い過ぎたり、儲けるための仕事をしてて身体を壊したりしたら、セーフティネットが要る(憲法の第25条ご参照、生存権保障というやつです)。
旧来型の資本家であれば、労働者が身体を壊したらポイ捨てだったのを、法律で権利をアップデートすべく、加筆修正して正してきたわけですよ。
ただ、現実には保障は一律ではない。
いわゆる正社員が享受する健康保険や厚生年金にも保険料や保障にランク分けがありますよね。
このモデルにおける理想形(?)としては、大企業に勤めて、その指揮命令系統下にある中で起こった諸々の事態(いわゆる保険事故…汗)に備えるものですよね。理想通りにはいかず、大中小、序列がありますが。
長くてすいません、こっから本題なんですが、フリーランスはフリーだというのに、記事によると、旧来の労災保険の援用、延長線上に置かれる見込みか、というのですよね。
だとすると、擬制としてですが、指揮命令系統のもとにあるから上記の約273万人は生存権保障に値するという奇妙なことになってくる。
組織外、自由なんだけど、大企業を始めとした既存組織の庇護下にあると擬制すると。
ではですよ、イラストレーターさんがわかりやすいだろうか、その人が業務委託契約で、依頼されてから絵を描いて納品する人ではなくて、在野で自主販売している人だったら?
つまり、頼まれるまでもなく自主的に描いていて、完成品をギャラリー(リアル店舗でもバーチャルでもどっちでもいいですが)で売っているような場合です。
その人は、語源からさえも自由ですよね?
自由な槍というのは、どの王侯貴族にかしずくかを選べるという意味止まりだった。
しかし、自主出版や、自主創作をしている人々は、内発的な完成品を買ってもらうのだから、真の意味で自由のはず。いち個人が買ってくれても良いし、大企業や国家が買ってくれても良い。そうなると大作家かもしれませんが。
なのに、彼らはこれまで通り保障外と読めるわけです。
(一定の要件で特別加入できる人は居たみたいですが、それこそ上記の冗談で述べた大作家先生かもしれません)
自分の整理では、業務委託契約を結んではいない、並み居るフリーランス(語源は離れてしまうが、自由な存在)は無視。彼らは労災保障外。誤読でしょうか。
既存組織の指揮命令系統下に置かれてしまう妥協点を模索した人たちの方が、保護に値するというわけです。
立法の価値判断、そうですよね?既存法をどこまでも利活用するのであれば。
日本の立法者が社会主義の設計主義者的だからかは不明ですけども。
自由な槍たち全員の、自由を丸ごと保護しているんじゃないわけです。
大企業を始めとする発注者たちは、「自分たちの傘下になった者たち」を護りなさいというお触れなんですよ…(汗)。
いや、あくまでも擬制の含意の話であって、政府が明示的にそういったわけではないんですけれどもね。
違和感の実体を言語化しておきたいなと思いまして。
長文にお付き合いくださりありがとうございます。
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