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茶谷清志著(2014)『1%の人だけが知っている100%の成功法則』PHP研究所

最近は仕事の関係で、海外のサイバーセキュリティに関する書籍や規程、ガイドラインの類を読み漁っていたので、なかなか駄本的な本は読んでませんでした…

まあそれだけ少しずつ忙しくなってきたのは良いことなのかも…

行動を促す最善策が語られている

この本は2014年に出版されたもので、何故かわたしはAmazonで2019年の元旦に購入している。そのまま長いこと積読状態で、本棚の整理のために出てきたので、今読んでいる。

ずっと昔、この本の著者のメルマガを読んでいたこともあり、非常にわかりやすかったのを記憶している。

本書で重要なことは「人は心(感情)が動いた時に行動する」ということ。色々と知識を詰め込んでも過去の偉人の教えを請うても、結果的に自分が動かなければ何も進まないのである。数多い自己啓発本や経営本を読んだところで、それが行動に結びつかない限りは、単なる知識で終わり、それが自分にとって良かったのか悪かったかの判断すら結果的にはできないで終わることって実に多いですね… それだけ知っててもできないのが人間というもので…

本書は、どのようにして自分を行動に導くことができるかという点で簡単にわかりやすく説いている点で、素晴らしいと思う。

勉強する割に幸せも成功も得ておらず自己嫌悪になるのは、やはり何かが間違っているのであり、プラス思考だけでも上手く解決できない。物事を充実させても幸せには到達しないなど、それらに天国と地獄を見るのは、決して自分の外にそれらは存在せず、自分の見方がそれを生んでいることにほかならない。

人間は頭でわかっていても行動できないために成功にすらありつけないでいる。この本は、やる気の源は心にあり、それにもかかわらず頭(思考)から入るから心がしぼんでしまうと説いている。

故に、人は心(感情)が動いた時に行動する訳で、著者はこれら行動に結びつくために、認識、感情、行動、現実の4つの循環モデルを概念として提示している。幸せを感じるのは心であり、心が一番重要、つまり4つの循環のうち感情の部分が肝になる。

面白い例えとして「赤いリンゴを…(少し時間)…想像しないでください」というと、想像しないでという前に既に赤いリンゴを想像してしまっていることに気づきます。人間の脳は意識したものを実現しようとしてしまうので、後で否定しても、もう自動的に実現しているようなものであるという解釈…脳は後から否定形を言われても、遡って理解できないという特質を持っている。人は無意識のうちにしている質問に振り回されて生きているようなもので、その質問の質が人生の質を決めてしまう。その質問を変えていくことで人生の質を変えるというのが著者が考えるロジックである。なので、最初のトリガーは「どんな気持ちがほしいか」という問いなのである。この辺の解釈が実に面白い。

本書は後半で、マインドマップやPDCAと著者の概念の違いや、実際にこの4つの循環モデルを用いた適用などの事例が掲載されている。

自分の質をあげるためには、無意識で自分に問うている質問を変化させるという概念のユニークさを知ることで、確かに最初の一歩は変化するのかも知れない。それだけにモノの考え方や観点というのは重要であることを本書からも学んだ次第である。

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