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祗燈 柃夜
2023年1月30日 20:59
ブーン。ブレーキペダルを踏みながら、エンジンをかけて、サイドブレーキを外し、レバーをドライブにいれる。さぁ、いざ参らん。胸の鼓動が鳴り響く。ちゃんとできるかな…。不安が襲う。隣には免許持ちがいてくれるから少し安心。発進をする。教習所とタイプの違う車種。いくつもの壁が立ちはだかった。左回旋、だいぶ大回り。右回旋、行けるタイミングが掴めない。車線変更、大
2023年1月23日 21:21
ふ〜。大きな息を吐き、イヤホンを耳から離してパタンとノートパソコンを閉じる。床に背を向け大の字になって見上げる天井はなんとなく遠い。なぜ私はできないんだろう。どれだけ学力があってもどれだけ真面目な人間でも結局社会人に必要なのは私の苦手なコミュニケーションという事らしい。まさか自分がここまでできないとは想像していなかった。完全に就活を舐めていた。結果はメ
2023年1月16日 20:51
ショッピングモールでつい寄り道してしまう本屋お花畑を散策するようにカラフルな背表紙を眺めながら胸をときめかせた。この一つ一つには命のように光り輝くこだわりのアイデアやメッセージが沢山の人たちの手によって吹き込まれている。本の数だけ世界は開けていて、人間の知識は宇宙のように広いことを思い知らされる。そんな中でもこの世には私の思いと共振する私だけの聖書のような本も
2023年1月9日 18:12
蓋を開けると漏れ出す湯気。大根、人参、葱、白菜、水菜、ほうれん草。白濁のスープに浸かる野菜たちがクタクタになっている。ポン酢を用意し野菜を持ち上げるとその野菜の色が鮮やかで食欲をそそった。あまりの食欲に冷ますことを忘れ箸を口に運んでしまう。はふはふと口はお祭り騒ぎだけど水やお茶でことを落ち着かせるのは味が消える気がしてもったいないな。家族で囲む鍋あと何度で