堀江圭子

小説書いたりしてます。フィクション多め。 金のインディアン19。 Xしてます。 イ…

堀江圭子

小説書いたりしてます。フィクション多め。 金のインディアン19。 Xしてます。 インスタしてません。 趣味は読書とギターとジムと、、ライブ行ったり、BAR巡りしたり、小説書いたり、最近はカクテル作り始めました。好きなの多めです。 よろしくお願いします。

最近の記事

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性的マイノリティ

「朝井リョウさんの正欲って本があるじゃないですか。あれほんとすごいですよね。マイノリティをすごくよく描いてて」 あの本を、普通の人が読むのと、マイノリティ側にいる人が読むのとでは、感想が結構分かれる。 「めちゃめちゃ好きな本です。あの本に、「水」に性的興奮を抱く夫婦が出てくるじゃないですか。セックスなんてしたことないのに、この世の中を生きていくために2人で協力して、結婚して、なんとか「普通」になろうとしてるみたいな。わたしあれ、すごく理想です」 「あの……なんていうか、

    • どんなに好きでも嫌いな部分はある

      洗濯物を畳みながら、ひっくり返った靴下を直す。 ひっくり返ったTシャツも、ひっくり返ったパンツも直す。 今はもう当たり前になったので、イライラすることもない。 好きな人の全てを好きになるわけではない。嫌いなところがあっても、「まぁ、そんなこともあるか」と受け入れる。 結婚してる人としてない人で、この差は結構大きいように思う。 結婚当初はよくイライラしていた。 「またひっくり返ってるんだけど! 洗濯機に入れる前に直してって何回も言ってるでしょ!」 主人はひっくり返っ

      • 性欲がなくて

        「何の本読んでるんだー?」 主人がニヤニヤしながら話しかけてくる。 わたしが今読んでる本のタイトルを知ってるくせに。 「うっさいわ! ハゲ!」 今読んでる本のタイトルは「夫のちんぽが入らない」 よほどわたしに「ちんぽ」という単語を言わせたいらしい。 「夫のちんぽが入らない」は、タイトル通り、夫のちんぽが入らないことを悩む女性の心の葛藤が描かれている。 好きなのに。結婚してるのに。ちんぽが入らない。 セックスに問題があるだけで、男女交際が上手くいかなくなることをわたし

        • アンチをつける

          「いやいや、さすがに最前は……。初見なので……、曲とか全然聴いてないので……」 ファンの方に招待されて行った、アイドルさんのワンマンライブ。 BAND-MAID同様、男性客が多い現場なので、色気をなくしたTシャツとジーパンで参戦。 メンバーに認知してほしくてフリフリの可愛い服で参戦する女性もいるけど、私にその度胸はない。 フロアは想像していたよりも女性客がいた。おそらく1割くらい。 「せっかくなので前で見てください。初めての人に見てほしいんです。女性がいたらみんな全力で

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        性的マイノリティ

          サイコパス

          「まず、ひよこをミキサーにかけるのよ」 「は?」 男性の前でピヨピヨと鳴く1羽のひよこを鷲掴みにしてミキサーの中に入れる。 「え、ちょっと……なにを……」 「液体にするの」 フタを閉めて、スイッチオン。 グワンと動き出す鋭い刃は、ひよこをものの数秒で赤い液体に変えた。 「うわぁ……」 「そろそろできあがりかな」 スイッチを止めた。 ひよこは見事なまでに綺麗な赤い液体になった。 絶句する男性。 「どうしたの? 青白い顔して」 「可哀想じゃないですか! ひどす

          サイコパス

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          推しのギタリスト(チャラ)の配信ライブは、アーカイブを必ず主人と見る。 リビングの大画面テレビに推しが映る。 「今回バンドで出る人少なかったからハズレ回なんだけどね、バシャさんって人よかったよ」 ライブが好きなわたしは、ライブだったら楽器が見たいと思う。オケで歌うならアイドルを見たほうが楽しい。 中途半端なシンガーソングライターがオケで歌ったときの失望感。歌だけで勝負するなら半崎美子さんくらい人を感動させられる歌唱力がほしい。 バシャさんまで進める。 「あんたの嫌い

          推しうちわ

          絶対に傷つけないように左手でしっかり押さえながら、推しの体に沿ってカッターナイフの刃を当てていく。 A3用紙に印刷された推しのギタリスト。 丁寧に、丁寧に。 この瞬間、わたしは推しと2人きり。時間の経過が心地良い。 切り取られた推しを、Amazonで1400円で買った黒い高級うちわに貼り付ける。 次は文字。 「周平くん」は、人名にしては簡単な名前でよかった。 紙に下書きをし、型紙を作る。それをカラーシートに載せて、カッターナイフで切り抜く。 枠をつけて目立たせるた

          推しうちわ

          推し活していると色んな人に会える

          推しが出る舞台を主人と見に行くと、配られた舞台のチラシに、見たことある顔の人がいて驚いた。 「え!? 隅田美保ってあの隅田美保さん!? アジアンの!?」 「知ってるのか?」 「あんた知らないのアジアン、めっちゃテレビ出てた人だよ」 「アジアンはなんとなく知ってるけど、ネタは知らんな」 ここ10年くらいテレビをまともに見てないわたしでも知ってる。 10年前といったらまだお笑いブームが続いてて、女芸人と言われてイメージするのは、森山中か友近かアジアンだった。 「今は

          推し活していると色んな人に会える

          売り方が好きじゃない

          ブロ解……ブロ解……ブロ解……。 金のにおいがするアーティストを、全員ブロ解した。 「あんた気に入らないとすぐブロ解するよな」 「すぐでもないよ。これでもギリギリまで耐えてる。でもときどき冷静に考えて、やっぱり好きじゃないなって思って、勢いでブロ解しちゃうんだよね。別に友達じゃないし、相手は営業フォローなんだから問題ないでしょ」 「チャラ男は?」 「あの人SNSやる気ないから。ホスト臭くなったら殺すけど」 金集め路線のアーティストは好きじゃないわたし。 普通に集客

          売り方が好きじゃない

          自分と違うから好きになる

          「この子のさ、胸の谷間がいいよね。Cカップぐらいだとくっきり谷間にならない感じの幼さが最高」 「おっさんか」 「あとこの子の内太もものラインがさ、丸みがなくてストレートな感じもめっちゃ好き」 「おっさんか」 ドルオタの主人の影響か、もともとそういう素質があったのかは謎だけど、可愛い(ここ重要)女性アイドルが大好き。 10年前に初めて行ったライブハウスで、最初に見たのがガールズバンドだった影響も大きい。 「来週このアイドルグループのファンの人にライブ誘われたから行っ

          自分と違うから好きになる

          してあげる系オタクと吠える系オタク

          「今度行く女性シンガーソングライターさんのワンマンさ、わたしチケ番2番なんだよね」 「最前確定か」 「いや、プレミアムチケットってのが最前確定席で6000円であるみたい」 「じゃあ2列目だな。でもプレミアムチケット売れんのかそれ。1列目がら空きパターンあるぞ」 「この前見た舞台そうだったね。関係者席かなとか思ったけど、最後までがら空きだったから誰も買わなかったんだね」 「そうなったら虚しいな」 「でも今度のワンマンの子はね、たぶん売れると思う。オタクが強い感じなん

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          アーティストの水商売化

          「この前さ、推しにライブハウスで「こんにちはー」って声かけられたんだけどさ、フルシカトしちゃったー」 「なんで?」 「今回その人のチケット買ってなかったから」 「どういうこと?」 「別の人のチケット買ってたからさ、私は推しに話しかける権利ないわけでしょ? ああいう人たちって、グッズとかチェキとか買って初めて話せる対象だからさ、私は今回その人のチケットも買ってなくて、1円もその人にお金を払ってないから、話しかけちゃいけないなって思って」 「挨拶ぐらいするだろ普通」

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          浄化期間

          部屋の床を外すと現れる階段。そこを一歩一歩降りると彼はいる。 象でも抜けないような頑丈な杭に繋がれた鎖。 鎖の先には足枷があり、彼の片足がはめられている。 「そろそろ出たいんだけど」 「んー。まだダメ」 「どうして」 「まだ浄化されてないから」 彼をここに閉じ込めたのは1週間前。 私以外の女の前でヘラヘラ笑う彼。 そして、その彼を見る女の顔に、性的なものを感じたから閉じ込めておいた。 「浄化って何」 「外は汚いから」 今回は笑っていただけだから、2週間くらい

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          「最悪……まじで死んだ」 「どうした?」 「チャラ(推し)のいいね欄が見れなくなった」 「あー……エンジェル(主人の友達のドルオタ)も朝から騒いでたな。「推しちゃんのいいねが見れない。監視できない」って」 「いやこれ結構きついわ……。チャラ全然X動かさないからいいね欄で生存確認してたのに。毎日毎日いいね欄見て、「あ、生きてるな」って和んでたのに。見れなくなったらもう終わりじゃん。死んだも同じ。最悪」 「チャラ死亡」 「エンジェルの気持ち分かるわ。監視できないのきつ

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          毎日noteを書いて4ヶ月経ったので

          「毎日note書いてるけどさ、アクセス数どんくらいだと思う?」 「50くらい?」 「平均すると1記事200前後。少なくても150は行く感じ」 「それすごいの?」 「わからん」 毎日noteを書こうと決めてから4ヶ月が過ぎました。 忙しくない日以外は毎日書いているので、この4ヶ月で100記事以上は書いてきたと思います。 小説なのか、エッセイなのか、自己啓発なのか、ショートショートなのか。 実話だったり、妄想だったり、願望だったり、そのとき書きたいことをバーっと書

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          ギター周平

          「ギター! 周平!……いや違うな。ギター!! 周平!!」 「なにしてんの?」 「ギター周平の練習」 「は?」 推しのサポートギタリストのソロパートが増えたので、アーティストの人たちはみんな、ギターソロに入る前に「ギター! 周平!」を繰り出す。 「ライブって作り込むものでしょ? 本気で作りにいってるアーティストなら、たぶん家で【ギター周平!】の練習してると思うんだ」 想像するとシュールだ。 「そんな練習しないだろ」 「いや、してるね絶対。特にこのバシャって人はね

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