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受動型ASDさんは自分の気持ちを伝えられない?

自分の気持ちを伝えることが難しい


はじめに:受動型ASDの苦手なこと

受動型ASDさんは
大人しく受け身という態度が特徴です。

あまり自分の意見を言うことはなく
相手の発言に従いやすい
ところがあります。

「何が食べたい?」
「あなたはどう思う?」

などの質問は特に

受動型ASDさんにとって
一番答えに困ります。

受動型ASDさんは

  • 本当は言いたいことがあるけど、言葉にできない

  • 自分の気持ちや感情が分かりにくい

  • 自分の本心をずっと抑えこんできた影響から、自分の本心が分からなくなった

  • 他人軸で考えやすい

などのコミュニケーション問題を
抱えています。

受動型ASDさんの抱える
コミュニケーション問題は深く
生きづらさの原因にもなっています。

今回は

  • コミュニケーションの種類

  • 発達障害のコミュニケーション問題

  • コミュニケーション問題における受動型ASDさんの悩み

この3点を中心に考察していきます。

Ⅰ.コミュニケーションの種類

そもそもコミュニケーションは
実は細かく分かれています。

代表的なものを挙げていきます。

①報連相

「報告・連絡・相談」のこと。
社会人として働く上で必須スキル。

②傾聴

相手の話を聴いて理解するスキル。

③雑談

取り止めのない様々な内容のことを
気楽に話すこと。

④アサーティブコミュニケーション

アサーティブの意味は「自己主張」。

相手と自分を尊重しあいながら
やり取りするスキル。

⑤プレゼンテーション

相手に自分の伝えたいことや
伝えるべきことを伝えるスキル。

こちらも報連相同様
社会人として働く時に必要なスキル。

Ⅱ.発達障害のコミュニケーションには『特性』が絡んでいる!

社会人となると職場では主に
「報連相」や「プレゼンテーション」
欠かせません。

プライベートや職場でも
「雑談」が必ず存在します。

しかし発達障害の特性を持っていると
これらのコミュニケーションに
苦手感を持つ人も多いです。

コミュニケーションにおいて必要なのは
『話す力』と『聴く力』の二つ。

発達障害さんの
コミュニケーションがうまくいかないのは
特性が絡んでいるからです。

ただ発達障害の特性は
個人個人で違ってくるため

一般的な
コミュニケーション能力を上げる方法では
カバーしきれない部分も多いのです。

コミュニケーションのスキルには
『話す力』と『聴く力』が欠かせませんが

この二つのスキルに合わせて

ASDだと

「マルチタスクの苦手」
「他者の心情理解の難しさ」
「客観視の苦手」

ADHDだと

「衝動性」

等といった固有の特性が関わってくるせいで
さらにコミュニケーションを
難しくしている
のです。

Ⅲ.コミュニケーションにおける受動型ASDさんの苦難

①困り事をうまく伝えられない

「どういう困り事があるのですか?」
と聞かれても
うまく答えることが苦手な受動型ASDさん。

私もまた

「自分の悩み事や困り事を伝えることが難しい」

という悩みを抱えています。

受動型ASDさんが自身の困り事を
他人に伝えられない理由として

「困り事自体ASDさん当事者にとって普通のこと」

という認識があるからです。

困り事やASDの特性自体
受動型ASDさん自身にとって「普通」なので

ASDの特性から生じる困り事に
気づきづらいことに繋がっていることも。

②自分の感情や気持ちが分からない

受動型ASDさんは
特に「失感情症(アレキシサイミア)」
なりやすいと言われています。

失感情症(アレキシサイミア)とは

自分が「今」抱いている感情を
自覚しづらい症状

その影響から
自分の気持ちの表現や言語化が難しい
といった悩みが生じます。

また受動型ASDさんは
ストレスを溜めやすく

気分の落ち込みやストレスを
常に感じながら生きています。

ストレスそのものが常態化しているので

感じていること自体
麻痺している可能性が強い
です。

③ASDの思考の特性が絡んでいる

会話とは「キャッチボール」である
とよく言われます。

ASDの特性上
意識が細部に向けられやすいため
話の全体像を把握することが困難

まさに「木を見て森を見ず」
ASDさんの特徴です。

頭の中に色々な情報を
保存することができないため

話をしていても
前の話題を忘れることはしばしば。

他にASDの思考の特徴として
情報が並列状態で整理される
というのもあります。

考えやアイデアが平面的に展開するのが
ASDの思考の特徴です。

まるでマインドマップのように
思考が展開されるので

  • 1つの話題に対し、選択肢が無数に広がって絞りこめない

  • マインドマップ状態で思考が展開されるので、マインドマップに無い話題についていけない

  • 基本思考にまとまりが無く、考えが詰まりやすい

  • 口に出すと考えていたことを忘れていくため、考えを伝えることが難しい

などといった問題が生じます。

受動型ASDさんの中には

「自分の考えていたことを口に出そうとすると忘れてしまう」

という人も結構いますが(私もその1人です💦)

思考自体が
マインドマップ状態で展開される
というASDの思考の特性が絡んでいます。

ASDの思考の特性もまた

受動型ASDさんが
自分の気持ちを伝えられない
原因の1つになっていると考えます。

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