自分の感情が分からない?「失感情症」について考える
Ⅰ. 自分の気持ちをカタチにできない?
ASDさんはしばしば
「自分の気持ちが分からない」
「自分の気持ちを言葉にすることが苦手だ」
という悩みを挙げます。
他に「楽しい」と感じていても
その感情が表に出づらく
また無表情になりやすいため
周りからも
「本当に楽しいのかな?」
「おもしろくないのかな?」
などと思われがちです…
また体調面の変化にも気づきにくいことから
無理を重ねてしまうことも。
ASDさんの感情の表現や言語化といった
カタチにできない悩みの背景には
<失感情症(アレキシサイミア)>が
絡んでいる可能性があります。
私も失感情症らしい人から
時々相談を受けますが
私も失感情症の知識に乏しいこともあり
難しい問題だなと感じます。
そういう私自身も、時々
自分の今の気持ちが分からなくなることが
あるので他人事ではありません…
自分の感情を実感することが難しいのが
失感情症の難点かなと思います。
今回は
失感情症とは何か?
ASDさんと失感情症との関係性
失感情症と向き合うこと
この3点を中心にお伝えしていきます。
Ⅱ.失感情症(アレキシサイミア)について
失感情症は
英語で「アレキシサイミア」と言い
心身症の原因でもあります。
感情はあるのですが
「自分の気持ちや感情の表現が難しい」
という特徴があります。
感情を表現しにくいため
内心では自分の本心を溜め込みがちです…
誤解されやすいですが、決して
「感情が欠落している」わけではありません。
自分の
今抱いている感情を自覚しづらかったり
表現や言語化しづらかったりするのが
失感情症の特徴なのです。
失感情症を抱えている人は
感情の自覚や表現が難しい影響から
その代わりとして
身体にストレスとなって現れやすい
傾向が強いです。
しかしストレスにかかっても
体調面の変化に気づきにくいことから
知らず知らず悪化してしまうことも…
Ⅲ.失感情症(アレキシサイミア)とASDさんの関係
特に
ASDさんは失感情症になりやすい
と言われています。
ASDさんの場合
コミュニケーション面の問題
感覚過敏or感覚鈍麻
セルフモニタリングが苦手
白黒思考、反芻思考
など様々な要因が重なっているケースが
多いです。
失感情症になると
身体の感覚と感情とを区別することが
難しいため
自分の感情が
分からなくなってしまいやすくなります。
またASDさんは
気分が落ち込みやすく
ストレスを常に感じやすい
という特徴もあります。
気分の落ち込みやストレスを
常に感じながら生きてきた影響から
「大丈夫」という感覚が麻痺してしまい
実際に「大丈夫」かどうかすらも
分からなくなっている可能性が強いです。
(私もそうです…)
また失感情症の影響から
自分の中にある感情を
どう処理すればいいのか分からない
という混乱も生じます。
ASDさんは
主に怒りや不安といった
負の感情から生じるストレスから
感情が昂りやすくなります。
しかし、失感情症を抱えていると
今抱えている感情を
うまく言葉で表現することが難しいです。
感情を言葉にできない
行き詰まりから逃れるために
ASDさんは昂った感情を
身体の痛みに変換させることで
自分に注意を向けさせて感情を散らし
安堵感と落ち着きを得ます。
いわゆる自傷行為に発展します。
同じくASDさんが
お酒や薬物に走りやすいのも
感情の混乱や打ちのめされた気分を
遮断する効果があるからです。
ASDさんの抱える二次問題として
しばしば挙げられる
抑うつ問題
自傷行為
アルコール依存
などの問題の背景にも
失感情症が関係している可能性が
考えられます。
Ⅳ.失感情症(アレキシサイミア)と向き合う
①失感情症の特徴を理解する
「自分には失感情症の傾向がある」
と自覚するだけでもだいぶ違います。
自分は感情に気づきにくいことを
意識することで
自分の
今の体調や気持ちに意識が向くようになります。
②自分の思考や感情を紙に書き出す
これは私自身も日頃取り入れていますが
紙に自分の感じたことや思ったことを
書き出していくのも効果的です。
私の場合
最近取り入れているのは「ジャーナリング」。
ジャーナリングは
紙に書き出す瞑想とも呼ばれており
ひたすら気持ちや思考を書き出す
というのが主なやり方です。
これは書き方も気にせずやっていますね。
私は「ジャーナリング」をやってみて
あとから見直してみて
大体感情や思考がワンパターン
というのが多いことに気づきました。
自分の感情や思考が「見える化」するので
一番オススメの方法です。
③休憩を取る
ASDさんは「休憩を取る」ことが苦手です。
そこには過集中に走りやすい特性も影響しています。
しかし過集中に走ると
心身を消耗しやすいという欠点があります。
仕事や勉強などの合間を縫って
一定の時間を決めて
休憩を挟むのがオススメです。
過集中に走りやすいASDさんは
休憩を挟むのを意識すると良いでしょう。
④物語に触れる
本や漫画で「物語」に触れるのも
オススメです。
特に漫画は
絵で感情や思考を視覚化しているので
分かりやすくキャラクターの感情に入りやすい
というメリットがあります。
文字派の人は小説に触れるのも良いでしょう。
⑤心身の緊張を和らげる
ASDさんは
常に緊張の真っ只中に生きています。
常に緊張しやすいことから
身体もさらにガチガチになりやすいです。
そういう場合は
瞑想やヨガなどで
心身の緊張をほぐすのがオススメ。
私も最近瞑想を取り入れていますが
瞑想するだけで
緊張が多少ほぐれる効果があるなと感じています。
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