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公務員アレコレ話

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2022年8月の記事一覧

0701:第1回霊感商法等の悪質商法への対策検討会

0701:第1回霊感商法等の悪質商法への対策検討会

河野消費者担当大臣肝いりで標記検討会が始まった。お盆前の電撃発表で「盆明けには立ち上げたい」と言っているのを聞いて、消費者庁の担当さんはお盆休みはなくなったな……と思ったものだ。

その第1回会合が、本日youtubeでライブ公開された。動画ログは現時点では見られない。ただ座長の河上正二氏が「議事録は速やかに公表する」といっていたので、いずれ消費者庁HPに載るだろう。消費者庁の担当さん、またもや大

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0700:自治体による他県事業者規制について再考

0700:自治体による他県事業者規制について再考

昨日、鳥取県の青少年健全育成条例による有害図書指定の問題について記事を書いた。

昨日のポイントは「条例改正で他県のネット事業者が新たに規制されたというのは誤解で、元々他県事業者も規制対象だった」ということと、それでもなお「Amazonのようなネット大手の取り扱いを通じて県外の出版社に大きな不利益を与えることはやはり問題だろう」「このような大きな影響のある判断の議事録詳細を作っていないのはあり得な

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0699:ラジオライフの有害図書指定と条例規制

0699:ラジオライフの有害図書指定と条例規制

また面白そうな行政ネタが炎上している。

三才ブックスが発行する書籍三冊が、今年2月に鳥取県から青少年健全育成条例に基づく有害図書指定を受けた。この指定を受けた書籍は青少年(18歳未満)への販売が禁止される。違反した販売事業者には30万円以下の罰金が科される。条例なので、その適用は鳥取県内の販売行為に限られ、他県には及ばない。

しかし、今回の指定を受けて、当該書籍はAmazonでの販売停止が決ま

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0697:責任の取り方

0697:責任の取り方

警察庁・中村格長官と奈良県警・鬼塚友章本部長の辞任が発表された。安倍元総理暗殺事件の引責辞任だ。

公務員が不祥事を起こした時、もっとも重い懲戒処分は免職で、退職金も出ない。しかし免職より低い減給などの懲戒処分の場合でも、同日付で依願退職する事例がある(退職金は出る)。行政職員ではあまり聴かないが、警察と公立学校教員では新聞でよく見かける。

警察・教員は住民が安全や子弟の教育を託す存在だ。それだ

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0691:消費者法ニュース125号カルト特集記事無料公開

0691:消費者法ニュース125号カルト特集記事無料公開

消費者問題関係者にはよく知られている法律誌『消費者法ニュース』。2000円前後とちとお高い専門誌だが、全国の都道府県等の消費生活センターでは講読している場合が多い(なのでお近くのセンターに行けば読めるかも)。

同誌では以前から霊感商法についても取り上げられており、近年では2020年10月発行125号でテーマを人権問題に広げた「カルト被害の実態─STOP!偽装勧誘─」の特集が組まれている。こうした

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0690:霊感商法規制の議論は注目したい

0690:霊感商法規制の議論は注目したい

統一教会問題については、これまでに7回記事にした。いちいちリンクを貼るのは面倒なので、マガジン「公務員アレコレ話」のリンクを貼っておく。

元公務員の視点から考えるのがこのアカウントの趣旨で、ここまでほぼ名称変更問題に限定して話をしてきた。しかし報道は「統一教会と自民党」の問題に集中してきて、名称変更問題についてはある程度ネタが尽きたのだろう、最近新たな報道が聞こえなくなった。

しかしその一方で

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0687:終戦の日

0687:終戦の日

今年も8月15日が来た。全国戦没者追悼式、以前スタッフ(遺族参加者の随行)として参加したことがあるが、天皇陛下や当時の安倍首相と同じ空間にいて70年前(当時ね)の戦没者を悼む大規模式典に参加するのは貴重な経験だった。

原爆の日と違い太平洋戦争の戦没者追悼が主旨だから、陛下の御言葉も首相式辞もウクライナの話は出なかったね。ただどうしても、ウクライナで起きている戦争と当時を重ねてしまう。

今のロシ

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0683:統一教会報道から公務員の守秘義務を考える

0683:統一教会報道から公務員の守秘義務を考える

昨日の統一教会会見を受けた今日のワイドショーがいろいろ盛り上がっていた。まずミヤネ屋は昨日同様に紀藤正樹・鈴木エイト両氏の解説が詳細で、特に「統一教会・田中会長は更に上の幹部から指示されて声明全文を読み上げなければならなかったのだろう」という点は、なるほどそれで昨日何回司会者に制止されても中断しなかったのかと合点がいった。しかし、こうなってくると、今回の会見も世間的には完全に逆効果じゃないかしらん

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0682:宗教法人名称変更の行政手続を整理してみた

0682:宗教法人名称変更の行政手続を整理してみた

元公務員の立場で統一教会問題の中でも特に関心のある名称変更問題については、これまでいろいろ記事を書いてきた(文末参照)けれど、その都度に情報が細切れだった。あらためて法制度を整理してみよう。今回は面倒なので条文は貼り付けない。

さて。

現在明らかになっている事実は、以下の二点だ。

A.1997年から2014年までは事前相談の段階でとどまり、申請書の提出はなかった。

B.2015年に申請書の

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0678:橋下徹が統一教会名称変更問題で予想外にまともなことを言っていた

0678:橋下徹が統一教会名称変更問題で予想外にまともなことを言っていた

私は橋下徹氏のことが好きではない。

まず第一に詭弁術。たとえば自分の意見が他人(往々にして専門家)から批判された時に「実務が分かってない、もっと勉強してから物を言え」と自分の立ち位置からマウントすることで検証抜きに議論を断ち切る論法は、大嫌いだ。彼のディベート技術は「皆で意見を出し合って合意を形成する」ためのものではなく「相手を支配し自分の意見を呑ませる」ためのものに見える。法廷闘争はそうしたも

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