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散文

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二児の父は腐女子に掘られる夢を見るか

二児の父は腐女子に掘られる夢を見るか

久しぶりに夜道を散歩していた、旧友と電話しながら。風もなんとなく気持ちよく、春めていてきたなぁなんて話しながら、街灯もほとんどない田舎の夜道を歩く。星空がすごく綺麗で、星座といえばオリオン座くらいしか知らないけども、オリオン座が無数の星に混じってどこにあるのか見分けにくいくらい星が出てた。

相変わらず田舎道ではみんな車を飛ばす、それは、一台のトラックが猛スピードで後ろから走ってきて僕の横を通り過

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父になることについての詩的散文

父になることについての詩的散文

俺は俺のままでは浅すぎた
こんな俺では20代の頃の残滓を啜って生きてるだけじゃないか
考えるということを放棄してたんだ
10年近くも
考えようとしてた
考えようとしてただけだった

思考の前でクラウチングスタートの姿勢のまま10年経過していた
体そのものがカサブタのようになってしまっていた
俺は考えるということをしてみたかったんだ
思考を前に待つということ

世界が反復する音色に耳を澄ませる
風を

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放言羅列

放言羅列

スピード、アジリティ、クイックネス。資本主義とはSAQ三種の速度で分裂するプロセスだ。それに反して土地にくくりつけられた者たちの見る夢は解放の向こう側に未知の大陸が眠る街。アジアとはなんだ、それは一つの強度。香港、それは現在、過去と未来を切り離れていく独自の今を磨いてくすんだり輝いたりする刹那の気分。資本の速度をいかに減速せしめるかの腹案は、大胆に切り開かれてはいけない、自分がひとつの可能性ではな

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こぼれずに戦う

こぼれずに戦う

戦わない人は、必ず周囲の人々に対してキバを剥く。戦わない人は自分の無遠慮なキバの照れ隠しに勉強をして言葉や理屈のリボンで飾る

戦う人だけがその戦いの場にキバを置き、白痴になって笑っていることができる。

戦う人の体は、傷つき、脳にダメージを負っていて、みじめに見えるかもしれない、けれども彼らの人生は、その戦いにおいてある意味で済んでいるのではないか。

戦わない人たちがその余ったキバで無意

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