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私の音楽note

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ジャンル別目次 音楽note

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12/14/19 私の音楽note はじめに
12/18/19 我が青春のブラ4
12/20/19 はげ山の夜明け
12/26/19 ニュルンベルクのマイスタージンガー
12/29/19 モーツァルト レクイエム : テンポと編成
12/31/19 モーツァルト レクイエム : 楽譜
1/2/20 合奏はテレパシーで
1/3/20 モーツァルトの倚音
1/5/20 モーツァルトの短調
1/6/20

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弦楽器のボウイングとニュアンス:マーラー第9交響曲の例

弦楽器のボウイングとニュアンス:マーラー第9交響曲の例

 アマチュアオーケストラの練習指揮をしていると,弦楽器のボウイング(弓使い)について指示したり,相談したりすることがある。私は弦楽器奏者ではないので,「このようなニュアンスで弾くには?」とコンサートマスターやパートのトップ奏者に相談するのである。
 弦楽器のボウイングについて,説明しておこう。弓の根元(手に近い方)から下に下げる(チェロの場合は右に弾く)のを「ダウン」,その逆を「アップ」という。弓

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管楽器のブレスとフレージング:マーラー第3交響曲の例

管楽器のブレスとフレージング:マーラー第3交響曲の例

 管楽器を演奏するときは息継ぎが必要である。循環呼吸法というテクニックもあるが,通常は途中で息継ぎをする。すると,長いフレーズを吹くとき,どこで息継ぎをするかが問題になる。
 それ以外にも,音の立ち上がりや音色など,管楽器の演奏にはいろいろな要素がある。
 その「フレーズの作り方」に関して面白い例があるので紹介しよう。曲はマーラーの交響曲第3番の終楽章,それも終盤である。
 まず,フルートとピッコ

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哀愁のドナウ

哀愁のドナウ

 所属しているオケで,イヴァノビッチの「ドナウ河のさざ波」をやることになった。シュトラウスの「美しき青きドナウ」は何度もやっているが,こちらははじめてではないかな。メロディーは知っているが。
 スコアが来たので,YouTubeで探してみた。最初にヒットしたのが,秋山和慶ーミリオンポップスのもの。

秋山和慶なら問題はなかろうと聴いてみてびっくりした。こんな曲だったのか。 28小節目からのメロディ。

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マーラー第6の終楽章の謎

マーラー第6の終楽章の謎

昨年6月ころ,マーラーの交響曲について書いた。

グスタフ・マーラーとの出会い 交響曲第1番
マーラーの「復活」は教会で聴きたい
マーラーの3番 (1)
マーラーの3番 (2)
マーラーの"アダージョ"の真骨頂 交響曲第3番第6楽章
映像の力:マーラー第6交響曲の場合

このとき,第6交響曲の終楽章について書きたいことがあったのだが,どこにも,誰も書いていない内容だったので,もう少し調べてから,と

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キースジャレットのバッハ平均率

キースジャレットのバッハ平均率

以前,「キースジャレットのモーツァルト」を書いてからかなり日が経ってしまった。

平均率第1巻にスタジオ録音盤とライブ盤があるのを知ったのがつい先日。ライブ盤を注文して,まだ届いていないのだが楽しみである。
ということで,キースのバッハについてはまた別稿で。

と書いて,CDの到着を待ったのだが,コロナの影響か,1ヶ月くらい経ってから到着した。
 さっそく聴いてはみたのだが,音質以外にはそれほど際

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アンテナにかかったのはモーツァルトのト短調

アンテナにかかったのはモーツァルトのト短調

 40年近く前に,モーツァルトの全集を買った。レコード166枚。ちゃんと聴いたのはそのうちの十数枚のまま,「いつかは」と思うだけで何年も放置されていた。

 2014年の12月,あけてみると少しカビが生えているものがあった。そこで,ジャケット用の紙を買い,すべてを入れ替えるとともに,ディジタル化した。毎日1,2枚ずつ,プレーヤーにかけて,Macに取り込む。
 4ヶ月と数日をかけて,全曲をディジタル

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フェリスタス:ただの音階の上下行なのに,何とカラフルな

フェリスタス:ただの音階の上下行なのに,何とカラフルな

次の楽譜,ただの音階の上下行。歌えますか。ソファミレドレミファソ。ただし,短調です。

もう少し続けてみましょう。

まるで音階の基本練習。
ところが,リズムを変えるだけで,印象ががらっと変わります。

どんな楽器で鳴らすかでも印象が変わります。たとえば,MIDIのクラリネット

よかったらダウンロードして鳴らしてみてください。
どうでしょう,哀愁を帯びたメロディーになったと思いませんか。

今度

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音楽:アレンジとオーケストレーション

音楽:アレンジとオーケストレーション

アレンジは日本語では「編曲」,オーケストレーションは「管弦楽法」かな。
歌の旋律ができたとして,それに前奏や間奏,対旋律をつけたりするのがアレンジ。どんな楽器でどの部分を演奏するのか割り当てるのがオーケストレーション。
旋律を生かすも殺すもこの2つの出来にかかっているだろう。
たいていは編曲者がオーケストレーションもやるわけだが,演奏によってはオーケストレーションが変わることもある。

たとえば,

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ドクトル・ジバゴはララのテーマよりもメインタイトル

ドクトル・ジバゴはララのテーマよりもメインタイトル

デビット・リーン監督,オマー・シャリフ主演のドクトル・ジバゴ。
音楽はモーリス・ジャール。ララのテーマよりもメインタイトルがいい

高校生のとき,友人に誘われて,名画座に見に行った。
オープニングが印象的だった。
白樺の絵を背景に美しい音楽が流れる。

そのあとも,WOWOWなどで何回か放送されたのでビデオに撮って見たりしていた。しかし,DVDに焼いたはずだがどこかへ行ってしまったのでYoutub

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マーラーの"アダージョ"の真骨頂 交響曲第3番第6楽章

マーラーの"アダージョ"の真骨頂 交響曲第3番第6楽章

マーラーのアダージョといえば,第5番の第4楽章が有名かもしれない。
正しくはアダージェットだが,映画で使われたことで有名になった。
「アダージョの楽章」が現れるのは第3番交響曲からといっていいだろう。
ただし,速度指定としての Adagio は書かれていない。
Langsam. Ruhevoll. Empfunden. ( ゆるやかに、安らぎに満ちて、感情を込めて) である。
多くの人が第6楽章を

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マーラーの3番 (2)

マーラーの3番 (2)

第2楽章は飛ばして,第3楽章。
なんといってもポストホルンだ。

 ポストホルン。郵便馬車で使っている信号用のホルンだが,いわゆるホルンに近いのか,トランペットに近いのか,どんな楽器を使うのかは演奏者によって違うらしい。Youtubeで見られるものだと,いわゆるホルンを小さくしたような形状だ。
バーンスタイン・ウィーンフィルの映像などで見られる。

 ポストホルンといえば,モーツァルトにセレナーデ

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マーラーの3番 (1)

マーラーの3番 (1)

 マーラーを知って,始めの頃よく聴いていたのがこの3番。1時間50分前後という,長い曲だけど,そもそも,どんな曲もBGMだったし。何もしないで正面向いて聴くというのは,マーラーに限らずあまりなかった。ただし,途中で手を止めて聴き入ることはしばしば。

 というわけで,3番については3回に分けて書くことにする。

 まず,第1楽章。勇壮なホルンのファンファーレで始まる。ホルンは8本のユニゾン。途中か

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マーラーの「復活」は教会で聴きたい

マーラーの「復活」は教会で聴きたい

マーラーの交響曲第2番「復活」
第3楽章までは,少し長めのロマン派の交響曲の範疇だと思うが,続けて演奏される第4楽章(短い)には歌が入っているし,さらに続けて(attaca)演奏される第5楽章になると「通常の」を完全に越えてしまう。
楽器編成も通常の2倍以上だし,そのスケール感もただものではない。
楽器編成については,何が何本と書くより,スコアを示す方がいいだろう。

この編成で,強奏から始まり,

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