マツヤマトオル

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最近の記事

言葉の不完全さと建築(九段理江「東京都同情塔」を読んで)

【私から見たあらすじ】ある行動や事象、状況を表す「言葉」を、他者・世論から求められた「適切さ」を「配慮」の元に使う。 言葉はある種キリトリであり、この文章だって、作品に対しての、おれという一視点からみたキリトリだ。 そういた本質的な不完全さを、配慮によって完全にしようとしたが故に、その言葉の努力を、カタカナや外来語を使って曖昧にしようとしている。エラーを起こさぬように。 しかし、そうした完全性を求めた結果結局何も見えない、補助線を引かないと意味すら分からない言葉、意味を発

    • 「アルバム」をとりもどす(脱ストリーミング原則宣言)

      おれの家、家というか生活のための密室空間には、コンポを断捨離で捨ててしまったがために、聴けなくなったままのCDが積まれている。 ウォークマンにデータとして入れてあったそれらの音楽は、ついにウォークマンのバッテリーが完全にお陀仏になり、再生されないままただただ時を過ごしていた。 それからはもっぱらyoutubeだとかspotifyだとかで、気に入った曲(「曲」そのものがむき出しにされた姿)を、無秩序に聴くだけとなった。 「アルバム」という概念は消えた。かつてレコードの「A

      • 「施療室にて」平林たい子

        「日本近代短編小説選 昭和編1(岩波文庫)」から 4つの視点から読んで考えてみた ①メカニズム(小説の仕組み) (中国)満州の慈善病院にて、アナーキストの夫とともにテロに失敗した主人公が、妊娠と重い脚気で入院している。そのため、投獄をその間免れている。出産するも貧乏な主人公には、牛乳やおむつの交換をしてもらう金が無く、脚気によって膿を含んだままの母乳を与えてしまい最終的に赤ん坊は死亡し、主人公は翌日予定されていた投獄手続きを済ませ監獄の表門二やってくる、という話。 登場人

        • 「文字禍」中島敦

          「日本近代短編小説選 昭和編1(岩波文庫)」から。 平野啓一郎さんの「小説の読み方」にあった、4つの視点から読んで考えてみた。 ①メカニズム(小説の仕組み) 古代アッシリアを舞台に、アッシュールバニパル王が、主人公のナブアヘエリバ老博士に、文字の精霊についての調査を命じる。舞台として、純粋に「文字」について考えられる時代設定。 文字を通して、建物や人間生活あらゆるものが分解されていき、その意味や実存といったものへ疑問を持つようになる。そしてそれは「歴史」という時間の軸をもつ

        言葉の不完全さと建築(九段理江「東京都同情塔」を読んで)

          「ハンチバック」はあらゆるマチズモを暴き出す

          遅ればせながら「ハンチバック」を読んだ。うすーくだが、下記はその内容を含むので、ご注意ください。 こうした感想を書くのも試されているような、緊張感がある。しかし、そうした緊張感を特別に感じること自体が、「マチズモ」なんだろうか。 読書について、想像力のない「文化的知識人」のマチズモや、そうした人々をさらに絞りかすのようなヤフコメにおける「息苦しい」というコメントへの嫌悪感を、つきぬけたユーモアで暴いてくる。 厚木の街のマイルドヤンキーな地元の女の子たちの、その人たちの人

          「ハンチバック」はあらゆるマチズモを暴き出す

          文章や作品の背後にあるものをくらい尽くしたい

          最近自分でも文章を書くようになって、特に小説というものについて、その作品そのものだけでなく、その背後にいる作者、作者が存在した時代、また積み上げてきた時代や経験、そして作者が読んだり見たり聞いたりしてきたもの、そして思ったこと、それらにさらに興味が湧いてきた。 そして、そこからなぜその作者は、小説というツールを使って、その背後にあるものを踏まえて、小説の中の言葉で表そうとしたのか。 要するに、「何が彼女をこうさせたか」に興味が出てきた。そしてそれを知ることで、時代特有のも

          文章や作品の背後にあるものをくらい尽くしたい

          ドーミーイン大好き

          今、都内のドーミーインに泊まっている。タイトルの通り、ドーミーインが好きだ。 全国の全てのドーミーインに泊まりたい。 旅をするとき、ドーミーインの有無がどの街に行くのかの決め手の一つになるくらい。 なにがいいって、部屋着から、温泉、夜鳴きそば、風呂上がりアイス、たくさんあるが、やっぱりドーミーインらしさがある。 ドーミーインらしさを感じるのは、特に温泉に感じる。 他にも温泉がついているビジホはたくさんあるが、ドーミーインの温泉は、サウナもついていることに加えて、露天があ

          ドーミーイン大好き

          身体

          先週は静岡の富士に行って、友人と静岡西部をいろいろ攻めた。 それはまた別途まとめたい。 やはり身体を通じて獲得するもの、身体を動かすことで頭の中や気持ちに影響を及ぼすなにかがある。 なんでなんだろうね。 哲学者とかも歩いたりよくした、っていうし。ひらめきっていうのは一体何なんだろうか。 とりあえず、日曜の夜に情報整理ができなかったので、こんな感じのつぶやきで終わりたいと思います

          noteも書きたいね

          ちょっと最近仕事も忙しいし、文学を読んだり書いたりしてみていて、noteの更新が月曜でなくなってしまっている。 ただ、なんとか毎週更新は続けていきたい。 趣味の話や思ったことを。 なんとか続けていきたい。

          いやビジネスホテルたけえ

          お盆であることだから、だろうけど、確実にビジホの料金が高くなっているね。 ビジホ愛好家としてじわりじわりと感じますよ。 このまま高騰していきつつも、そのインフレが給料にそこまで反映されず、さらに社会保障費の分高くなった税金で天引きされて、一方でインバウンドでビジホの料金は高くなり… そこにさらに追い打ちをかける円安、、、 弱くなっていく円。 うーむ、一番いいのは外貨を稼いで日本で暮らす、になっていくのかな。 じわりじわりとゆでがえるのようになっていくのか。 じわりじわり

          いやビジネスホテルたけえ

          「期待」の取り扱い方

          ・なにかにむかつくとき、たいていむかついている対象へ無意識に「期待」を抱いているので、そうした「期待」を極力捨てること。 ・とにかく「今、何が重要か」だけを考えること。油断するとすぐ過去や未来を考える。それはもうしょうがない。だから、そのたびに「今、何が重要か?」「今自分にとっての「コト」はなにか?」を考えること。 ただし、一つ目はマジで難易度高いので、できないからといって自分を責めすぎないようにしよう。 不条理やいらつく案件に対して、あまりにも該当対象が広範すぎて正論す

          「期待」の取り扱い方

          忙しく心を無くす

          漢字の成り立ちから何かを語るのはダセえな、おっさんやなと思うが、今まさしく「忙しい」っていうのはほんとクソだな、心を無くすなと思う。 心ってなんやねんっていうと、合理的な考えから離れたところにあるものな気がする。 忙しいと、合理的に事を進めて、とにかく忙しさから解放されようとせわしなく動く。 コントロールできないものもコントロールしたくなる。そうすると余計疲れて、忙しさから抜け出す力も奪われてしまう。 とにかく、忙しいときこそ、コントロールのできない「自分以外の全て」を

          忙しく心を無くす

          ぶんがくたのしい

          やばい、月曜更新を忘れていた!! よくない。以後気をつける。 最近は鳴子温泉に行ったりしつつも、大量の仕事(スキーム考えて、さらにそれを肉付けとなるコンテンツも合わせて作る系)を自分で巻き取りまくってなかなかにシンド地方だが、それに加えて小説教室に通い出した。 とはいえまだ作品は書けていないが。周りの人はたくさん書いて出しているので焦る。ゼロからのスタートなので、まずは「実践小説教室」という、先生が出した本を読んで設計図を書いているところだ。 教室では、生徒が書いてきた

          ぶんがくたのしい

          集中力という最大の資源をいかに守るか

          今東北地方にきている。また旅行記はまとめるよ。 最近オリックスの山本投手が、スクリーンタイムを使ってデジタルデトックスに取り組んでいる、という記事を見た。 自分ではPCにはかなり依存しているがスマホはそんなでもない、と思っていた。 しかし、実際にスクリーンタイムを使ってみたら、平均して5.5~6時間だった。やばい。いやがっつり依存症。 本当に反省している。 特に集中力というのは人間にとっての最大の資源だ。 その集中力を、ありとあらゆる手段で守って、うまくつかわないといけ

          集中力という最大の資源をいかに守るか

          コロナ記録

          6月下旬は本当に散々だった。コロナになってしまったからだが、あらゆる体の不調が出てきて、人生を全然動かせなかったなー、と思った。 コロナになっていたとき、個人的には感染した人の記録(しかも最近の)を読んで、どんな風になるか考えていた。やはり不安だった。 極力役に立たないことを祈り、あくまで個人の体験記だけど、少しでも何か気を紛らわすことが出来ればと思い記録しておく。 6/18 特に予定のない日曜日、だがかなり体が重い。 前日だいぶ体を動かして遊んだので、疲れていたところにそ

          流行病から概ね回復・自分の領分をまた取り戻す

          しました。 失われた1週間、という感じ。また来週あたりに回復記を書こうと思う(今日は遅くなってしまったので、、、、) 咳がまだ出るが。しかも18リットルのポカリをぐっと持ち上げたとき、脇腹を痛めたのが咳をすると痛む。あと、空咳なので、咳をしてもただ苦しい。うーむ。 また、眠れなさが続いてだいぶ生活リズムが破壊されてしまった。 これを、浸食してきた労働や生活に浸食されないよう、再び自分の領分を取り戻していかないといけない。 脳みその中も。自分の領分を、いらつく労働のあれやこ

          流行病から概ね回復・自分の領分をまた取り戻す