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とまどいと偏見2019

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2019年に劇場で観た映画の感想です。
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#アカデミー賞

ROMA / ローマ

ROMA / ローマ

映画冒頭から宇宙空間へ投げ出されるまでの17分間をワンカットで撮影したSF映画「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、メキシコのローマ地区を舞台に自らの幼少期を半自伝的に描いたヒューマン・ドラマ(って言うとちょっと違和感ありますね。もっとフラットな印象だったんですよね。純ドラマというか。)「ROMA / ローマ」の感想です。

個人的には実質アカデミー作品賞はこれじゃないか(というく

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グリーンブック

グリーンブック

「グリーンブック」って、黒人が泊まることの出来るホテルやモーテルを記した小冊子のことで、そういうものが存在するってこと自体がショックだったんですけど、確かにこれがないと黒人たちはアメリカ(でも保守的で差別の激しい)南部なんかへは行けないだろうし、ということは、これはある意味優しさから出来ている物なんだなと思うと複雑な気持ちになりますが、いやいや、そもそもこういうものが存在していること自体がやっぱり

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ブラック・クランズマン

ブラック・クランズマン

アフリカ系黒人とユダヤ系の刑事がKKK(クー・クラックス・クラン 白人至上主義団体)に潜入捜査を行うというマンガの様な実話をほんとにマンガの様に描いたスパイク・リー監督のブラック・コメディ「ブラック・クランズマン」の感想です。

一昨年公開されたジョーダン・ピール監督(今回の「ブラック・クランズマン」では製作で参加してますね。)の「ゲット・アウト」、差別される側の恐怖をホラーとして描いた傑作で、コ

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ビール・ストリートの恋人たち

ビール・ストリートの恋人たち

2016年公開の「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督の新作。1970年代のニューヨークのハーレムを舞台に若い恋人同士の日常と苦悩を描いた「ビール・ストリートの恋人たち」の感想です。

えー、「ビール・ストリート」ってタイトルにありますけど、これメンフィスにある通りの名前らしいですね。この映画舞台がニューヨークなんで、実際、全然関係ない場所の名前なんですよね。

「ム

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