【コレステロールの結晶】胆石と塞栓症
現代人が忌み嫌うコレステロールですが、これが結晶化すると厄介なことになります。
今回はそんなコレステロール結晶が引き起こす胆石と塞栓症(脳梗塞などにつながる)に関して紹介したいと思います。
コレステロールに関しては前回の記事↓
前回の記事を読んでもらえば、コレステロールが必ずしも悪いものではないことがわかると思いますが、体内に過剰に存在してしまうと凝集し結晶となってしまいます。
このコレステロール結晶は恐ろしい症状の引き金になってしまいます。(煽るわけではありません!科学的な理解が重要です)
コレステロールの結晶
以前、チョコレートの結晶を紹介したときに油も結晶になるんだよ!という話をしました。コレステロールも油(油脂)の一種なので、チョコレート同様結晶化します。
http://180.235.247.4/candidate/seminar_ur3.htmlより引用
ぱっと見恐ろしさを感じない見た目ですね。しかし、これが私たちの体にとてつもない影響を及ぼすと思うとちょっと怖いですね。
今回は、コレステロールと関係の深い動脈硬化、コレステロール結晶が血管中に生じる塞栓症と胆のうあたりに生じる胆石について紹介したいと思います。
動脈硬化
動脈硬化は血管の内壁にドロドロした塊がつくことにより厚くなり硬くなることです。※
wikipediaより引用
この動脈硬化により血管が詰まってしまったり破裂したりすると一大事というわけですね。
コレステロールがどう関係してくるかというと、このドロドロ(アテローム)を作り出すのを促進したり、コレステロール自体がドロドロの一部になるといわれています。
つまり、血液中に余分なコレステロールがあると、動脈硬化を起こしやすくなるため、こんなにも注目されているわけですね。
血管にこぶができる動脈瘤や塞栓症も、この動脈硬化が関連していると考えられているそうです。そう考えると、血中コレステロールが間接的に私たちの命に直結しているといえそうですね
厳密には、動脈硬化にもいくつか種類があったりするので上述の説明はざっくりしたものだと思ってください。
コレステロール塞栓症
血管の内壁についてドロドロ(粥状)物質は破裂すると、内部からコレステロール結晶が飛散します。
直接、血管が詰まったり破裂したりしなくても、この飛び散ったコレステロール結晶が末端の血管に詰まってしまいます。これをコレステロール塞栓症といいます。
しかも、コレステロール塞栓症は詰まってしまいそうな血管を手術する際によく起きるそうです。一難去ってまた一難という感じがして恐ろしい現象ですね。
調べてみると、コレステロール塞栓症は主に腎機能や皮膚に現れるようです。また場合によっては脳梗塞や心筋梗塞を起こす致命的な症状です。
脳梗塞や心筋梗塞は聞いたことがありましたが、血管が詰まったところで臓器不全に陥るようで、特に腎臓が多いのだとか
胆石とは
ざっくりというと胆石とは胆汁内の成分が結晶化することによって体内にできてしまった石(結石)です。
wikipediaより引用
まるでトウモロコシのような見た目ですが、これが苦しみの始まりだと思うと恐ろしい…
それでは、そもそも胆汁とは何でしょうか?
胆汁は脂肪を消化するために必要で、肝臓で作られて胆のうに貯められます。これが食事の時に出てきて、私たちの消化を助けてくれるようです。
胆汁が胆のうで濃縮される際に結晶化することによって胆石ができてしまいます。この胆石の70~80%を占めるのが主にコレステロール結晶だそうです。
この濃縮すると結晶化するというのは、塩水なんかと基本原理は同じですね。水が蒸発して濃くなると析出するやつです
この胆石が溶解することなく、どんどん大きくなってしまうと私たち自身ではどうすることもできなくなってしまい病院でとってもらうしかないようですね。
ざっくりと調べたところ、現在は体に小さな穴をあけて取り除くのが一般的なようです。
薬を使っても胆石はなかなか小さくならないそうです…
将来の医療はどうなる?(工学の視点から)
個人的には、これは将来、多少解決するのではないかと思います。
というのも、結晶のでき方は研究が進んでおり、その知見を使えば逆に結晶ができないような状況を作ることも可能です。尿路結石の研究はすでに少しずつ進んでいますが、今後コレステロール結晶の研究も精力的におこなわれるのではないでしょうか?
血管や胆のうでコレステロールの濃度を制御して結晶の始まり(核)を抑制したり、大きくならないように成長を阻害できればいいわけですからね。すでに、そのような薬はあるのかもしれませんね。
当然、体全体に副作用を起こさないように、そして完璧に体の調子を整えるのは難しいわけです。とはいえ、科学の進歩はすさまじく、現在はナノマシンの研究も積極的に行われているので、数十年後には少しは改善していることを望みます。
最後に
研究柄、塊と聞くと結晶かな?と疑ってしまうようになってしまいましたが、案の定、結晶が重要でしたね。
医療と結晶というと薬(低分子薬)の関係ぐらいしか一般的ではありませんが、アルツハイマー(?)、尿路結石、痛風、胆石や塞栓症といった病気がどれも体内での結晶化の影響と思うと、自然って不思議だなと思います。
参考・引用
※正確な情報は↓
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph21.html
http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/ld/hypertension/detail13.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E8%84%88%E7%A1%AC%E5%8C%96%E7%97%87
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%86%E7%9F%B3
【注意】上記の記事を参考にしていますが筆者には医療的な知識はないので、医療記事とはとらえないでください。あくまで身近な科学を非常にざっくりと紹介している記事と思っていただけたら幸いです
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