■大河ドラマ『光る君へ』第27話を深掘りしたい人のための参考本
えりたです。
今回は、久しぶりに大河ドラマ『光る君へ』の参考本のご紹介です。
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第27話「宿縁の命」では、道長どんの長女 彰子さまの入内、定子さまの敦康親王ご出産という、年表的に大きな出来事が描かれました。また、まひろっちも賢子ちゃんを出産し、そこへでっかい爆弾を落とし込む大石静先生プライスレス……な回でもありました。
そんな第27話の感想はコチラです。
ではでは、その参考本のご紹介へレッツゴー♬
■小町谷照彦『藤原公任 天下無双の歌人』
第27話で描かれた主な出来事の一つに、「彰子さま入内」があります。その入内のために、道長どんは持参する屏風に公卿たちの和歌を載せようと企画します。そうして、公卿さんたちも、この「左大臣道長どん」への支持を表すべく、それに忌憚なく乗っかっていきます。
その中のおひとりが、藤原公任さまでした。
第27話での公任さまは、当代随一の風流人の面目躍如なすてきな歌を詠まれ、行成さまや道長どんを感嘆させました。その公任さまが詠まれた和歌について詳しく書かれているのがこちらの本です。
■小町谷照彦 著
■角川ソフィア文庫
■1240円+tax
■2023年10月
※本書は、1985年6月に集英社から刊行された『王朝の歌人(7)藤原公任』を改題し、文庫化したものです。
こちらの本は、公任さまの和歌だけでなく事蹟も含め、その生涯を丁寧に記述したものです。和歌の解釈や、その背景にある歴史的な文脈にも触れていて、とても分かりやすい解説になっています。
■川村裕子編『拾遺和歌集』
また、彰子さまの入内屏風には、公卿たちだけでなく、花山院も和歌を寄せていらっしゃいました。物語のなかでも「奇矯な振る舞い」云々と言われ勝ちな院ですが、実は文化的に大きな功績を残されてもいるのです。
その一つが、3番目の勅撰和歌集である『拾遺和歌集』の編纂です。
■拾遺和歌集
■川村裕子編
■角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
■2023年11月
この『拾遺和歌集』には、藤原公任さまや、「だいじょーぶだいじょーぶ、みちつなみちつな」の呪文を唱える寧子さま(藤原道綱母)、和泉式部など、私たちが「平安時代」と言われてすぐに思い浮かべる歌人たちの歌がもりもりっと入っています。
和歌を楽しむために必要な知識もコラムや解説でしっかり書かれていますから、とても読みやすいです。
■角川BC版『源氏物語』
大河ドラマ『光る君へ』を見ていると、一条天皇と定子さまの純愛が『源氏物語』の桐壷帝と桐壷更衣に重なります。それは、すぐ近くまで迫った悲恋な結末を容赦なく思い出させ……私たちの胸をさらにせつなくさせるのです。
駄菓子菓子。
今回のまひろっちの出産によって、「藤原宣孝さま・まひろっち・藤原道長どん」というトライアングルにさえ、『源氏物語』の影がちらつくという、途轍もなく奥深い物語が展開されていることが判明しました。
桐壷帝の懐の深さ、そして、苦悩。それらが宣孝さまの姿を通して、透け見えるところに、生きていることに在る言いようのない悲しみを誘われます。
そんなふうに、物語の随所に挟み込まれる『源氏物語』を堪能するならば、こちらの本がおススメです。
■紫式部 著/角川書店編
■角川ソフィア文庫
■平成13年11月初版
■960円+tax
角川ビギナーズ・クラシックス日本の古典の『源氏物語』です。こちらには全54帖それぞれの名場面が収録されています。ですから、『源氏物語』で有名な場面も、初めて読むような場面もどちらもあり、とても読み応えがあります。
現代語訳や解説もしっかりしていますから、古典はちょっと…という方にもおすすめです。
■まとめ
大河ドラマ『光る君へ』も折り返し地点を過ぎ、ここから物語はさらに加速していくことでしょう。おそらく、ここまでに張られた伏線もじわじわと回収されるでしょうし、『源氏物語』や和歌集などの要素もぐいぐいと入れ込んでくることでしょう。
今年の夏も猛暑というか、酷暑というか。暑すぎて外に出られないレベルで太陽は輝くようですから、ひそっとお家に籠りながら、大河ドラマ関連の本を読むのも一興だと思います。
ぜひぜひ、お手に取ってみてくださいね。
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