■大河ドラマ『光る君へ』第29話を深掘りしたい人のための参考本
えりたです。
今日は大河ドラマ『光る君へ』第29話をより深く堪能できる道標となる本のご紹介です。
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第29話では、豪放で快活であった宣孝さまがにわかな病を得てはかなくなり、また、兄弟の中で誰よりも父兼家の政治的手腕を受け継いでいた詮子さまも身罷られました。
そうして、亡き定子さまの忘れ形見である敦康親王は彰子さまのもとへ預けられ、定子さまの思い出を明るく華やかに綴った『枕草子』が一条天皇の心を支えていくというお話でした。
そんな中関白家や一条天皇のことをこれでもかとアツく、6000字もかけて語っている感想がコチラです。
ではでは、参考本のご紹介へまいりましょう♪
■『光る君へ』の女性たち
■入内した女性たち
大河ドラマ『光る君へ』を見ていると、私たちが漠然と持っていた「平安時代中期のイメージ」が良い意味で裏切られていく場面に出くわします。その一つに、「女性たちの生き様」があるのではないでしょうか。
『源氏物語』―『あさきゆめみし』の印象が強いのか、あの時代の高貴な女性たちは邸の奥深くにひっそりと守られ、生きているようなイメージがあります。男性たちが行う政治に翻弄される悲劇、みたいな。
もちろん、あの時代の女性が自分の意志を貫いて生きていくのは、今よりもずっとずっと難しいことでした。家の経済状況、夫の愛情の濃淡。自分の努力ではどうしようもないところで翻弄された女性が、ほとんどだったと思います。
それでも、たとえば入内した詮子さまや彰子さまは、男社会という極まった困難さのなかで、自分や自分のたいせつなものたちを守るため、「政治」という手段をしなやかにしたたかに、想像以上のパワーで奮っていきます。
そんな女性たちの様子を取り上げた本がコチラです。
■『図説 藤原氏』
■木本好信・樋口健太郎著
■戎光祥出版
■2023年7月
■2000円+tax
中臣鎌足を始まりとする古代から、中世手前の保元の乱(藤原頼長)まで、主要な人物をピックアップし、その為人を示すエピソードや時代背景を語る本です。
この本では、上にも書いたように、詮子さまや彰子さま、定子さまといった女性たちにもスポットライトを当て、項立てして書かれています。そういった本は今まほとんどありませんでしたので、とても貴重です。その部分だけでもぜひ読んでいただきたいなと思うです。
また、この本はこちらの記事でも紹介しました。
書店の人文系(日本史/古代史)の棚に差してあることが多いと思います。見かけたら、お手に取ってみてくださいね。
■女房勤めな女性たち
第29話までですと、女房勤めをしている女性として挙がっているのが、清少納言(ファーストサマーウイカさん)、赤染衛門(凰稀かなめさん)くらいでしょうか。
ですが、第30話以降で彰子さまのサロンが領域展開すると思われますので、有名な女房たちが続々と出てくるのではないかと今から期待値が爆上がりです。予告では、和泉式部さまが出ていらっしゃいましたよね。
また、彼女たちのように女房名が著名でなくとも、彰子さまのサロンには個性的な女房たちが集まります。
そんな彼女たちのことを知ることのできる本がコチラです。
■『紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』』
■堀越英美著・山本淳子監修
■扶桑社
■2023年11月
■1400円+tax
こちらは、紫式部が彰子さまに仕え、彰子さまが第一子(敦成親王=のちの後一条天皇)を出産するときの記録です。「日記」の形式を採ってますから、紫式部の考え方や感じ方がわりとダイレクトに表れています。
この『紫式部日記』、原文で読むにはだいぶハードルが高いです。でも、コチラの本『紫式部は今日も憂鬱』は全文を現代語訳してあります。しかも、「令和言葉」と銘打っているように、とてもくだけた話し言葉で書かれているのです。だから、とっても読みやすい。
また、この時代の文化や日常を垣間見るにも最適な一冊となっています。詳しい紹介はこちらの記事に書きました。
おそらく、そろそろまひろっちの出仕話も出て来ましょうし、この本を読んでおくと、さらに楽しめること間違いなしです。
■有名な和歌も押さえておきたい
兼家パパりんが亡くなるとき、寧子さま(財前直見さん)の和歌を口ずさんだり、道隆さまが亡くなるとき、貴子さま(板谷由夏さん)の和歌を口ずさんだり。印象的な場面でしたから、覚えておいでの方も多いことでしょう。
お二人の和歌は、そのどちらもが『百人一首』に採用されていました。
『百人一首』自体は、鎌倉時代に藤原定家が選定したものです。それは、即ち、これらの歌が後の時代の歌人の機微に触れるほどすてきなものだったとも言えるわけで。
じゃあ、読んでみようよ♪ということで、コチラのご紹介です。
■ビギナーズ・クラシックス 日本の古典『百人一首(全)』
■角川ソフィア文庫
■谷知子編
■平成22年1月
■680円+tax
コチラの本は『百人一首』が全首入っており、現代語訳だけでなく、その和歌が詠まれた背景や、その後の享受史なども含め、わかりやすく解説させれています。
もちろん、紫式部や和泉式部、大弐三位(かたちゃん)、清少納言ら、女房たちの歌もたくさん入集しています。
大人になった今読み返してみると、暗記させられたあの頃とは異なる感慨が湧くと思います。超おススメです。
■まとめ
第29話をより楽しく深く見るための道標となる本を3冊ご紹介しました。
新たな登場人物たちも発表され、第30話では和泉式部さまがご登場です。また、まひろっちの『源氏物語』が、おひげの公任さまによって宮中へもたらされるようです。……おひげの公任さま……尊い……
これからもご一緒に大河ドラマ『光る君へ』を楽しめたら、とても嬉しいです。
■おすすめマガジン
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