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住宅設計者の自分の家づくり

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住宅設計を生業にする私が自分の家を建てることになりました。 土地探しから竣工までの過程や設計方針など惜しみなく出し切ります。 担当:柳本
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2022年9月の記事一覧

住宅設計者の自分の家づくり 14 水まわりの器具選定と使用感

住宅設計者の自分の家づくり 14 水まわりの器具選定と使用感

今回は水周りの器具をどのような理由で何を選んだかと実際に使ってみてのレポートです。

全体を通して、基本的には掃除が楽かどうかというのが大きく、見た目の魅力が面倒臭さを上回ったときだけメンテナンス性を犠牲にするという方針で決めました。

キッチンキッチンは夫婦揃ってそれほど大きなこだわりがなく、天板がステンレスのバイブレーション仕上げで木の扉の引き出しくらいなイメージでした。

最初は造作も考えま

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住宅設計者の自分の家づくり 13 階段への偏愛

住宅設計者の自分の家づくり 13 階段への偏愛

今回は書くことが多すぎて整理がつかずブログ掲載時には書いていなかった階段についてです。

階段というのは、おそらく多くの設計者にとって力が入ってしまう場所で、あまり力みすぎないように気をつけないといけないと思いつつあれやこれやと考え続けてしまうものです。

考えるポイントとしては、踏面と蹴上の寸法という基本的なところから始まり、階段を上り下りするときの目線や気分の変化、階段周りの空間との関係性や階

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住宅設計者の自分の家づくり 12 施工中(前編)

住宅設計者の自分の家づくり 12 施工中(前編)

実際の現場が2020年2月から始まりました。

地鎮祭の日の直前から高熱が出ていて起き上がるのままならず、自分の地鎮祭に出られないというやや先行き不安なスタートとなりました。

基礎の打設までは順調に進みましたが、さらに柱梁のプレカット工場でもコロナ患者がでたようで緊急事態宣言と相まって上棟が着々と遅れます。

型枠が外れてから、ひたすら基礎の養生期間となり、日が高くなり基礎断熱材の紫外線劣化も気

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住宅設計者の自分の家づくり 11 自宅だからできる実験

住宅設計者の自分の家づくり 11 自宅だからできる実験

これまで設計中に出たアイディアで提案を躊躇したものは少なからずあり、そうしたアイディアを試してみるには自邸というのは良い機会です。

躊躇した理由は

などで、別に無理してやらなくても良いかもような内容のものです。

とはいえ、視界に入る余計なものが一つでも減ると結構印象が変わるということもあり、「そこまでしてやる」意義があるかどうかを見極める実験として、今回の設計では

など採用しました。

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住宅設計者の自分の家づくり 10 コロナ禍で住まいは変わるのか

住宅設計者の自分の家づくり 10 コロナ禍で住まいは変わるのか

(注:2020年8月時点での文ですが、おおよそそのまま掲載します)
家で長い時間を過ごす生活が定着しつつあります。

当然ながら、今回の設計期間は昨年で、現在のような事態になることは全く想定しておらず、着工後ながらもこのままで良いんだろうかということを考えたりします。

とはいえ、おそらく薬ができてしまえば以前とさほど変わらない生活に戻るようにも思え、あまり現状に引っ張られない方が良い気もしますが

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