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旅日記

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#エッセイ

大雨の中で 猫さん

大雨の中で 猫さん

 翌日は大雨だとわかってました。でも、行きたかった河井寛次郎記念館に向かいました。祇園と京都国立博物館と五条坂の間にあり、土地勘のない人には行きづらい場所です。登り窯の遺構がある場所でもあり、じっくり見たいところでもあります。

 写真でもわかると思いますが、一見普通の古い京町屋に見えます。ところが中にはいると吹き抜けと離れやがいくつもある近代建築です。京都は、町屋が結構そういう改造があり、訪れる

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大雨の中でも マンガミュージアム

大雨の中でも マンガミュージアム

 バスをJR二条駅でおり、地下鉄を経由して、ホテルが近い、烏丸御池駅に行きました。時間があまったので、駅ちかの京都国際マンガミュージアムによることにしました 職安が近くにあり、若い人が外まで並んでいました。現実はきっついなあ。

 夫が京都に住んでいるとき、二度ほど、訪問したことがあるのですが、ともかくに、展示が濃い。へばっていたので、グッズだけでも、お土産に買っていこうという主旨なのですが、ぜひ

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大雨の中でも 栂ノ尾の里

大雨の中でも 栂ノ尾の里

 高山寺には明恵が居住し、仏教を指導していた鎌倉時代からの石水庵が、有料公開されています。かつてはもっと広い境内だったのですが、荒廃し、杉が生えたりしたので移築されたようです。大分、修理が入っているのですが、回廊は元のままなのかな、古い木材の感じが残っています。きよらかに掃き清められ、レプリカもありますが、古い時代に心を込められた、寺宝たちが飾られています。もう、魂が入ってる感じです。

 山にか

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大雨の中でも 高山寺に行く

大雨の中でも 高山寺に行く

 やっとこさコロナが落ち着いたので、用事で大阪に行ってきました。こりゃ、疲れるなってことで、せっかくなので、コロナ、梅雨に合間をくぐって、京都に一泊して、かねてから行きたかった、高山寺に行ってきました。

 高山寺を実質的に開山した明恵上人のことは、中学生のころ、新聞で初めて知りました。若いころに自分は死んだと叫んで、片耳を切り落とした、えらいお坊様がいる。そういうことが書かれていて、思春期で、自

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蓮を見に行く

蓮を見に行く

 用事で関西に行っていたのですけど、新幹線で京都から関東にもどるついでに嵐山をへて亀岡、福知山にいたる嵯峨野線の花園駅に向かいました。京都駅から十分ぐらいですか。駅前の蓮で有名な法金剛院に行きました。朝早くですし、小雨も降っていたので、どうかなって思ったのですが、たくさんの人が訪れてにぎやかでした。蓮の頃は8月のころまで朝はやくから開園しているようです。写真をとったり、散策したり、みながなごやかに

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北海道神宮

北海道神宮

 朝早起きして、円山公園内の北海道神宮にいってみます。地下鉄のえきからまっすぐ公園をあるき、ちいさな流れをわたると鳥居があります。後で気がついたのですが、こちらが奥で表の鳥居は別のところなんですね。

 新緑がうつくしい。なかにいくと、開拓民をまつった神社や拓殖銀行社員の神社が、しずかに森のなかにあります。少し進むと本殿にでました。祭神は天照大神です。そうか、ここは明治に開拓された土地なのだのだと

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善光寺に参る

善光寺に参る

 松本のまちを善光寺にむかってみると、ここは県庁所在地というより、仏教以前の古くからの信仰の街なのだということが感じられます。活気があります。途中、宿坊の寺があり、日蓮など、宗派にこだわらず参っていたことが由来の立て看板からも納得できました。山門をくぐると、門前の茶店が寺に団体さんを案内しています。こういったところは伊勢神宮のようです。

にぎやかな商店街があり、聖と俗が渾然としています。おおきな

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雪解けのころに思い切っていってみてよかった

雪解けのころに思い切っていってみてよかった

 雪がかたづけられた道を10分ほど歩くと、再現された一茶の生家があります。

北国や いろりの隅の 葱畑

もう四月なのに雪に埋もれています。そして、そのとなりにある一茶が亡くなった納屋も保存されています。

ほんの一間ほどでしょうか。おとなりにあるのはご子孫の家のようです。

 一茶は、はなやかだけど、根無し草で心をすり減らす江戸の生活を捨てて、初老になって故郷に帰りました。そして、亡き母のあと

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信濃の春 小林一茶への旅

信濃の春 小林一茶への旅

 一昨年行った信州黒姫への旅について思い切って書いてみようと思います。鹿児島、屋久島で生涯を終えた詩人、山尾三省の「カミを詠んだ一茶の俳句―希望としてのアニミズム」という本に興味を持って、急に雪どけごろの信濃にいってみたくなりました。小林一茶は、「おくの細道」の松尾芭蕉とかにくらべると、ぐっとおちるユーモアのある下世話なおじさんというイメージで、彼の俳句のいみがわからなかったのです。しかし、この本

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