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雪解けのころに思い切っていってみてよかった

 雪がかたづけられた道を10分ほど歩くと、再現された一茶の生家があります。

北国や いろりの隅の 葱畑

もう四月なのに雪に埋もれています。そして、そのとなりにある一茶が亡くなった納屋も保存されています。

ほんの一間ほどでしょうか。おとなりにあるのはご子孫の家のようです。

 一茶は、はなやかだけど、根無し草で心をすり減らす江戸の生活を捨てて、初老になって故郷に帰りました。そして、亡き母のあとに入った後妻と義理のおとうとと争い、この家を得ました。そして、一茶は何人かの妻をなくし、子供を亡くし、火事にあい、ここで亡くなります。青空のなか、ゆきどけの音がぴちぴちとしました。死後、さいごの女の子がうまれ、その血は受け継がれたようです。おとうと一家とは、そののち和解したようです。

 雪で埋もれた畑でしょうか。しずかです。空が広いです。カランとした明るさがあります。

雪とけて 村一ぱいの 子ども哉

 きた道を駅にもどります。記念館がある山をみながら、京都の浄土真宗の墓地、親鸞の墓によりそって作られた大谷御廟のある山の作り方に似ていることに気がつきます。村のひとは信仰をとおしていろんな土地に行ったりもしていたのではと思います。電車が2時間に一本ぐらいしかないし、お昼をと思ったのですが、駅にあるそばやさんしかありません。山菜そば、しょつぱかったけど、美味しかったです。お店がそこしかないからでしょうか。タクシーの運転手さん、学生さん、地域のひとが食べに来て、なごやかな雰囲気です。雪を見ながらのおそばは、あったまりました。

駅にも歌碑があります。

やれうつな 蝿が手をすり 足をする

北しなの線を30分ほどもどると松本です。雪がもうありません。駅からゆるやかな坂をのぼっていくと善光寺です。一茶もお参りしたようなので行ってみます。

雲ひとつない空です。母子のうしろすがた。続きます。

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