Guitar1104
今回の「その日の歌」はTLCの"Unpretty"。これは前回の"Brass in pocket"(Pretenders)を歌っていて思い出したもの。
TLCは女性三人組の、R&Bにラップが組み合わさった曲を歌うグループだったんだけど、この曲を彼女達が歌うのは正直意外というか、他の人のために書かれたものだったんじゃないかと当時思ったのだった。だって、ラップ担当のLEFTEYEがこの曲は出番無しだし、サウンド的にも(私的には好きな感じなんだけど)彼女達の歌っていた他の曲とはだいぶ系統が違う(アルバム"Fan mail"も昔だいぶ聞いたな)。そう言えば、当時ヒットしていた"No scrubs"は本当はBritney Spearsのために書かれたものだったなんて話(噂？)もあって、いやいやあれこそ(当時のまだ清純派？アイドルをしていた)ブリちゃんには違うでしょうと思ったりもしていた(ちなみに私はBriteney Spearsはデビューアルバムも2ndアルバムも買っていて、確か東京国際フォーラムで行われた来日公演にも行っている)。
LEFTEYEは確か車の事故で若くして亡くなってしまった。私はラップは基本的にはあまり得意でないんだけど、彼女のものはちょっと独特で好きだった。LEFTEYEと近い時期に、やはり当時ヒットを飛ばしていたAaliyahも同じように若くして飛行機事故で亡くなった。いずれも直前まで死のことなんて考えていなかっただろう。たとえ想定していなくてもその時は訪れる。
"Unpretty"はいわゆるメッセージソングとでもいうものだろうか。あなたはあなたでいいんだよ、と、主に容姿に思い悩む女の子達に語りかける内容になっている。サウンドも優しく爽やかで良い。
この曲はとにかく早口だから大変。T-BOZのパートは私には低いし。ベースは同じフレーズも繰り返しだからそんなに負荷がないんだけど、歌の口がまわらないことが多くて何度も歌い直した。
ＰＶはスリムになりたい過食症の女の子と巨乳好きの彼氏のために豊胸手術を受けようとする女の子(Chilliが演じている)のストーリーになっている。
過食の子は涙を流しつつ食べ続けて吐きながらスリムな体型の切り抜き写真に自分の顔を貼り付けたりしているんだけど(切ない)、終盤はその写真群を捨て、自分のそのままの身体で水着を着てこれでいいと納得する感じになる。
Chilliが演じる子は豊かではない胸がコンプレックスで、綺麗＆胸も豊かな金髪のコーカソイドの女性と自分を比べてブルーになったり胸に詰め物をしてみたりしつつ、実際に手術を申し込み施術のため病院へ行くんだけど、処置室で不安で泣きそうなやはりアフロアメリカンの女の子の苦痛の表情を見て院内から走って逃げ出し、その後は巨乳好きの彼氏に蹴りを入れたりしている。
いずれも自分のコンプレックスを無理に変えることをやめ、そのままの自分を受け入れ、それがハッピーエンドという感じのストーリーになっている。
ストーリー外のところで歌う3人はお花畑の中にいたり、不思議な道場みたいなところでヨガなのかな？私はあまり詳しくなくてよくわからないんだけど仏教というかヒンズー教みたいなイメージのお祈り？をしたりしている。ちなみに、ラップの出番(活躍の場)の無いLEFTEYEはコーラスの部分でおそらく手話をして、耳が聞こえない子にも語りかけている。そういえば、ダレンも"Crash&Burn"で手話(多分)をしていたな。思えばこちらも「僕がいるよ」というメッセージソングだった。音楽って、やっぱり音だから、聴力に困難を抱える方々にはなかなか楽しみにくいところもあるかもしれないけど、だからこそ歌詞の部分＆手話でっていうのが良いなと思った。
私はダイエットをするしないも、豊胸手術をするしないも、当人の選択がその人が決めたことなんだから他人がとやかく言うことではないと考える。
ＰＶでは形としてはダイエットをしない、手術をしないがハッピーみたいな形になっているけれども、ダイエットをして、あるいは手術をしてハッピーになれる人がいるのであれば、それはそれで良いのではとも私は思う。
整形もメイクも顔加工も同じ。私は自分ではしないけど、人がハッピーになれる術を否定する筋合いは無いのだから。何がハッピーかは人によって違うのだし、「他人に危害を加えるようなことでなければ」尊重されるべき。
美人の顔のイメージ、体型のイメージだって、国や文化によって、あるいは時代によっても全然違う。
日本では今は一般的に一重に悩んでアイプチをしたり整形をしたりする子がいるけれど、浮世絵やそのもっと前の絵巻物なんかを見てもぱっちりお目目の女性なんてまずいない(本当に昔は一重の人しかいなかったのか、それとも一重が美しい女性のイメージだったからそう描かれていたのかは私にはわからないけど)。
体型だって、私が生きてきた時代では日本では一般的にはモデルのようなスリム体型がもてはやされてきたけど、一方、エリアによってはふくよかな女性が美人だと思われているところもあるわけだし、近年は皆の憧れの的だったはずのモデル体型が「痩せすぎだから使わない」なんてことになったりもしている。
有色人種とされる人々が憧れることが多い白い肌も、主として欧州など北半球のコーカソイドは積極的に(日焼け止めを塗ること無しに)陽を浴び焼いている(ニュージーランド等オゾンホールで紫外線が強すぎる南半球のエリアでは日焼け止めが推奨されているけど)。金髪茶髪だって、ダレンのようにわざわざ染めて黒髪にする人だっている。「赤毛のアン」が嫌がっていた赤毛にだって、染め上げてあえてそうする人もいる。
絶対的な価値、正しさ、未来永劫変わらないものなど無いのだ。
私が小さい頃にはロシアはソ連だったし、ベルリンは同じ街の中が壁で隔たれていて西と東で全く異なる世界になっていた。教科書に載っている「正しいはずのこと」だって変わる。昔覚えた年号だって、今は変わっていたりするし(鎌倉幕府のやつだっけ？)、新しい発見や修正された事実、あるいは政治的意図によって故意に取り除かれる事実もある。
コロナだってお上のお達しでいきなり学校が閉鎖されるような時期もあったかと思えば、今は逆にノーガードを直走って学級閉鎖や(コロナもそれ以外の感染症も)感染連鎖を巻き起こすことが「正しい」ことになってしまった。受験生だって、身体の弱い、あるいは移してはいけないご家族と同居している子だっているのに。
昭和の時代には駅や車内でもタバコが吸い放題だった(らしい)ということが今は信じられない、イギリスなんかタバコの販売規制法案を出そうとしていたくらいだけど、昔は問題無しとされたことが問題であったと認識されるようになり、対策がなされてきたことなんていくらでもある。
タバコは(酒類も)今ではCMや商品には必ず健康リスクについての警告文が載っているし、キャンパスやまともな企業、飲食店などでは全面禁煙もしくは分煙が基本になった(最近新幹線の喫煙車も廃止へというニュースもあったな)。つまり法律上は20歳以上では「禁止されていない、制度上は問題ないリスクのある行為を、集団の健康リスクを下げる、公益のため、理性的に規制する」ということが行われているのだ。
一方、コロナに関しては、政治やメディアはこぞって「終わったこと」「大したことないこと」にし、ノーマスクのノーガードを是としてゴリ押しする。数十年後、この結果がどう出てくるだろうね。「今ここ自分だけ」人間には関係ないことだろうけど。そしてノーマスクノーガードと喫煙者は層が重なっているから彼らは喫煙規制にも反対なんだろうけど。
喫煙の結果、喫煙者当人が肺がん等を発症することに関しては完全に個人の選択だし自由だけれども、副流煙という当人以外への加害に関しては私は心底御免被りたい。コロナもこれと同じ。急性症状も後遺症もバッチ来いで死ななければオールＯＫの人はそれでいい。それがその人の選択なのだから、当人の健康に収まる範囲であれば。けれどもノーマスクのノーガード達は積極的に、必死に感染対策をしている人間にまで当然のこととしてウイルスを撒き散らす。どうしてその加害・被害を避けられないのか。しかも至るところで。
私はこの冬は(既に複数回感染した人も一定以上出てきているだろうし)循環器系、心臓や脳の急性症状に注意したほうがいい人が多くいると思うよ。covid-19は微小血栓を作りまくるから、そうでなくても気温が低くて血流関連の発作が多い冬だしね。
「自由」や「自分らしく」に関して、当人と同等のものを他人を持っているという認識が致命的に欠落している人間があまりに多すぎる。しかし背景には新自由主義、ポピュリズム、貧困層の拡大、公教育の放棄崩壊等が絡んでおり、事態は今後ますます加速する。修正も極めて困難だ。
前にヤマザキマリさんだったかな、昔シリアはとても治安もよく文化的にも豊かでいいところだったとおっしゃっていたのを聞いてびっくりしたことがある。私にはシリアには戦争と苦悩の日々のイメージしか無かったから。
日本は戦後すぐは焼け野原、そこからエコノミックアニマルと言われるほどの経済発展をしたけれど、終身雇用制の破壊と新自由主義の導入、派遣中抜きシステム手数料ビジネスや不正の権化、一部の既得権益者だけが莫大な富を得る某ミクスの時代を経て見事にGDPは低下し、もはやかつての栄光からは程遠い、斜陽も斜陽というか、沈没の一途を辿る結果＆この先になっている。「国立」のよりによって芸大が資金難で端金でピアノを売ったり、科博がクラファンで運営資金を募ったりするだなんて、とてもとても「豊かな国」の出来事だなんて、恥ずかしくて言えないよね。ふるさと納税もクラファンも、潤うのは資金を募っている当事者ではなく手数料を得る事業者。そしてそこには必ず利権が絡んでいる。富は全て既得権益者に吸収され、富めるものはますます富み貧しい者はますます貧しくなっていく。不幸は連鎖する。
日本は人が優しく治安がよく豊かな国だったという昔話にびっくりされることにならなければ、とは思うのだけれども、色々本当に残念過ぎる。
野鳥版をすっかり忘れていた↓
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あなたを私の靴の中に縛り付けられればいいのにと思う
私と同じ気持ちを味わってもらうために
私は美しいって言われてきていたの
だけどあなたには違うみたいね
鏡を覗き込んでその中に映っているのは誰？
長い髪の
私と同い年の女の子ね、今日もまた
表面的には何ともないフリをしているからわからないだろうけど
心の中は曇っているの
私が思い詰めている時はいつも
その原因はあなたにあるんだから
これまで色々な方法を試してきたんだけど
結局はいっつも同じ結果
その日の終わりには
私は自分を責めることになる
馬鹿げたことだわね、本当に信じられない
もし髪の毛が足りないのならば買うことができる
もし彼が望むなら鼻を整形することだってできる
ありとあらゆるコスメを買うこともできるでしょ
M.A.C.のものよ
でもね考えてみて、あなたの内側を見つめること無しには
自分がどんな人間で
どうしてこんな状態にいて
こんなにも自分をダメだって思い込んでいるのかなんてわからないの
そうね、あなたにも自分をダメだって感じさせてあげましょうか？
あなたに出会うまではこんなに不安定になることなんか全然無かった
でも今はもう馬鹿みたい
かつては自分をかわいいって思っていたのよ
ちょっとスリムなだけのね
それがどうしてこんな風に感じるようになってしまったのかと思うの
全てはあなたを喜ばせるため
あなたから離れられたのならきっと
その時私は自分を取り戻せるんでしょうね
表面的には何ともないフリをしているからわからないだろうけど
心の中は曇っているの
私が思い詰めている時はいつも
その原因はあなたにあるんだから
これまで色々な方法を試してきたんだけど
結局はいっつも同じ結果
その日の終わりには
私は自分を責めることになる
馬鹿げたことだわね
もし髪の毛が足りないのならば買うことができる
もし彼が望むなら鼻を整形することだってできる
ありとあらゆるコスメを買うこともできるでしょ
M.A.C.のものよ
でもね考えてみて、あなたの内側を見つめること無しには
自分がどんな人間で
どうしてこんな状態にいて
こんなにも自分をダメだって思い込んでいるのかなんてわからないの
そうね、あなたにも自分をダメだって感じさせてあげましょうか？
あなたにも自分をダメだって感じさせてあげるわ
嗚呼
もし髪の毛が足りないのならば買うことができる
もし彼が望むなら鼻を整形することだってできる
ありとあらゆるコスメを買うこともできるでしょ
M.A.C.のものよ
でもね考えてみて、あなたの内側を見つめること無しには
自分がどんな人間で
どうしてこんな状態にいて
こんな風に思い込んでいるのかなんてわからないの
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そしてまた謎現象なんだけど↑を書いていたら突然George Harrissonの"My sweet load"が脳内再生され始めた。そんなに聞いたことのない曲なのに。やっぱり私の脳はよくわからない。。
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