見出し画像

初恋の高い城の男は夜のピクニックでどう生きるか(骨)

最近読んだ本の話。
年明けくらいからぜんっぜん読書が捗らない。
理由はただただ正月ボケが治ってないだけな気もする。とにかく捗ってないのは事実。

それでも最近読んだ本について少しだけど書き留めておこうという気持ちになっている私はマジハイパーえらいので褒めてください。

まずは恩田陸さんの夜のピクニックです。
好きな作家に恩田陸さんをあげる知人が何人かいたので、いつか読もうとずっと思って、でもずっと読めてなくて。一昨年入院してる時に暇すぎて読書モチベーションがギュンギュン上がって、その時に父親がたくさん持ってきた本の中に紛れ込んでいた「木洩れ日に泳ぐ魚」が一冊目で、今回が二冊目。
「蜜蜂と遠雷」は相当話題になったので読みたいなあと思いつつ、ハードカバーを買うのはお財布的にも本棚的にも無理してる感があるので後回し。

端的にいって、夜のピクニックは何かが起こるわけでもない、でも何も起こらないわけでもない、ほんとうにただ生きてるって感じを丁寧に切り取って飾ってある、みたいなお話だと思った。
プロット的にはいいなあ羨ましいなあ楽しそうだなあ面白いなあ、なんて思ったけど、なんだか語口が今の私には合わなかったというか、文体というのか、そういうのがちょっとしっくりこなかった。私は書くことを体系的にだれかから学んだわけじゃないからうまく言えないんだけど、平べったすぎない?って感じた。
でもそれは、登場人物がみんな高校生だからあえてそうしてるのかなあとか、そう考えたら恩田陸さんはすごいなあなんて、脳みそのあちこちにピンを挿しながらなんだかんだするすると読みきった。
蜜蜂と遠雷も読みたいです。

高い城の男。昔のSFですね。
フィリップの本を読んだわけではなく、kindle unlimitedでサラッと読んだSF紹介漫画に出てきてて、面白そうだからamazonのwish listに入れるという作業をした直後にNetflixでちらっと観ていたのが高い城の男だったってだけの話です。
一所懸命観ていたけど、私は横で一心不乱にピスタチオを食べていて、その片手間にチラ見していただけなのでなんとも言えないんですけど、面白そうです。ご、語彙力!
でもちゃんと観てないのに感想をだらだら書く方が失礼だし不自然だと思うのでとりあえずレビューは保留。そのうち読みたいとは思う。ていうかSFたくさん読みたいのでオススメください。

初恋。トゥルゲーネフです。
ロシア文学ってなかなか構えてしまって読めないんだけこれもkindle unlimitedにあったのでとりあえずダウンロードして読み始めたらするする読めました。
もし仮に自分があんなテーマで物語を書こうと思ったら、めちゃくちゃどんよりズドーンな雰囲気の文章になってしまいそうだけど、初恋はまったくそんなことなくて、印象に残るのにさっぱりしているというか、なんというか軽井沢でお風呂上がりに食べるざるそばみたいな、シンプルなようで手が込んでいるというか質がめちゃくちゃいいというか。まあそれは訳者の技量に依るところも大きいのかもしれないけれど。
今まで私はじんわり染み込むタイプの物語が好きだと思っていたけど、こんなふうにさらさらーっと私の中を通り過ぎていくようなお話も好きなんだなあと気がつきました。

心のカルテ。これは本じゃなくてNetflixです。
原題のto the boneの方がよっっっっぽど摂食障害っぽくていいと思うんだけど原題ばかり褒めるとただの通ぶりたいオバさんみたいだからやめておく。
最初に「生々しい表現が出てきます」みたいな注意書きが出たからどんなもんかと構えたけどそんなでもなかった。まあ実際私は食事に関してだいぶ健康を取り戻しつつあるから摂食障害真っ只中の考え方とか日常に対する姿勢を忘れかけていたんだけど、「食べるって、どうやるの?」という問いかけを訊いてめちゃくちゃ共感した。というか思い出した。
食べ方や普通の食事とか栄養とか、ぜんっぜんわからなかったしできればわからず飢えて死んで生きたい、とか考えていたの、懐かしいというか、苦しかったなあというか。
過去のこととしてタイプしているけれど、観てる最中は「どんなにしんどくても、また痩せたい」なんて考えてしまっていた。いや実際、正直なところ、今でもちょっとそう考えている自分がいるなあとは感じる。体質的にそこまで太ることはないとわかっていても太るのは怖いし痩せていない自分に価値なんてないような気がしてしまうし、ていうか太ったらまじほんと生きていられない!デブは罪!なんて文章がテロップのように脳内に流れる。
でも私が一番尊敬していて大好きでたまらないお姉さんはぜんぜん痩せてないし容姿が優れているわけでもなくて、そういうことなんだろうなあとは思うけどやっぱりまだまだ自分に自信は持てません。私天才!

君たちはどう生きるか。
流行りのアレですね。漫画を読みました。詳しく言うと本屋さんで立ち読みしてたら読み終わってしまっていて、時計を見たら2時間くらい経っていたのでじかんどろぼうかな?私の残り少ない若くて可愛いお姉さんの時間を灰色の男たちに盗まれたかな?と思ったけど2時間盗まれたにしてはじゅうぶんすぎるだけの意識ライジング加減だったのでほんとに読んでよかったなと思いました。でもそれだけ良い本だと感じたならちゃんと本にお金払えよ私、とも思いました。でもでもやっぱり本棚のぎゅうぎゅうさに限界がみえてきてるし、これ以上所有物増やしたくないし、なんだかんだ私はぜんぜん立派な人間じゃなくてただの刹那的な消費者なので本をプロパーで買うならそのぶんで美味しいういろうやチョコレートを食べたりしたいなって、思っちゃいます。

人生はむずかしいですね。書く仕事をください。
書く仕事ってタイプするといつも隠し事って変換されます。隠し事なんてしたことないし嘘もついたことないのに……!
明日はパフェです!(たぶん)

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

読書感想文

お読みくださりありがとうございます。とても嬉しいです。 いただいたサポートがじゅうぶん貯まったら日本に帰りたいです。