マガジンのカバー画像

かをりのよろこび

24
日本の伝統的な香りについていろいろコラムを書いています。
運営しているクリエイター

#香り

キラメキパラダイス振り返り

キラメキパラダイス振り返り

次男がインフルになって、それがめぐって長男にうつって、最後はもちろん私のところに飛んできました。
インフル流行ってますね!次男はワクチン打ってたので、めちゃくちゃ軽くってよかったんですけど。

もっとみる
夢中になるということ

夢中になるということ

夢中になるものはありますか?

私は30年くらい香道に夢中です。毎回、毎月新しいことに出会えるのが楽しくてなりません。よく考えると30年毎月新しい学びを感じる、というのはなかなかあるものではないのではと思います。香道では組香といういくつかの種類(匂いが少し違う)香木を用意し、テーマに合わせて打ちまぜてたくことでそのテーマをよりよく表現する遊びがあります。組香に参加してお香を聞いている時間、私はいつ

もっとみる
今こそ平安貴族の薫物(たきもの)をおススメする理由

今こそ平安貴族の薫物(たきもの)をおススメする理由

「お香って初めて知りました。どういうものですか?」
ということをしばしば聞かれます。そして、「話を聞いたらすごく良かったです。だからアロマを生活に取り入れました!ありがとうございました!!」と言っていただいて、ちょっと複雑な気分になります。お香の良さが伝わる嬉しさ、そして、手軽に取り入れづらい難しさ。まだまだ現代の日本人にとってアロマよりはるかに高い壁をお香について感じている人が多いのだなあ、と思

もっとみる
伝統芸能は守るべきものなのか

伝統芸能は守るべきものなのか

「伝統芸能は守るもの」なのでしょうか。
私は小学生で香道に出会いました。守るかどうかは考えたことがなく、長いこと「そこにあるから」やってきました。そういうことは、「上の年代のひとたち」が考えることだと思ってきました。そう思ってきたのですが、明らかに香木は年々なくなりつつあり、近頃ひしひしと「終わりの時」を迎えているのだと考えるようになりました。

もっとみる
伝統芸能の内と外

伝統芸能の内と外

伝統芸能とはいったいなんでしょうか。

辞書によると、日本伝統芸能とは「日本に古くからあった芸術と技能の総称」を指します。多くは明治維新前に大成したものをいい、日本舞踊、歌舞伎や能などの演劇、雅楽に代表される音曲、唄(うたい)と呼ばれる地歌や都都逸(どどいつ)、歌といえば短歌や俳句。落語や講談などの演芸、そして茶道や華道などの芸道と言われるものがあります。
日本の伝統芸能はこのように多岐にわたり、

もっとみる
行きて帰りし物語

行きて帰りし物語

子どもが久しぶりに『かいじゅうたちのいるところ』を本棚から持ってきて熟読していました。この作品はモーリス・センダックによる絵本で、絵本のアカデミー賞といわれるコールデコット賞を受賞している作品です。主人公のマックスはおおかみの着ぐるみを着て、やらかしたいたずらのせいで夕食抜きで部屋に閉じ込められてしまいます。すると、不思議なことに部屋から木がにょきにょき生えてきて、ジャングルになってしまいました!

もっとみる
ツーブロックとばさら大名

ツーブロックとばさら大名

「これって、ツーブロックだよね」
帰宅したムスコ氏が言いました。ツーブロックとは男子のヘアスタイルで、一般に頭部の耳より上を残して下を刈り上げるスタイルのことです。一般紙などでもブラック校則のひとつとして話題になっていたことがある、あのツーブロックです。整容検査では男子の頭髪は耳にかかるといけないという校則があるそうで、ずぼらで面倒くさがり屋のムスコ氏は、まったくだらけた感じのもっさり頭だったわけ

もっとみる
憧れのあのひとは何色の香りですか

憧れのあのひとは何色の香りですか

「こんなおとなになりたい」という憧れをもって成長することができるのは幸せです。

2020年、小学生が選ぶ憧れの人物ランキングでは1位が『鬼滅の刃』の竈門炭次郎でした。ちなみに3位が胡蝶しのぶで10位までのなかに7人が入るという『鬼滅の刃』の独占具合でした。
『鬼滅の刃』は主人公が鬼になってしまった妹を助けるために鬼と戦う姿を描いた作品です。主人公の竈門炭次郎は緑と黒の市松模様着物を着て戦い、妹の

もっとみる
日本初の推し活

日本初の推し活

「源氏物語が読みたい」と1000年前に等身大の薬師仏を作らせて、一日中一心不乱に祈っていた女の子がいます。菅原孝標娘です。

沼にはまった女の子父親の仕事の都合により東国で暮らすことになった菅原孝標娘さんは、義母から聞く宮仕えのキラキラした話、とりわけ当時大人気だった『源氏物語』の話を聞いて即のめりこみました。日本史上初の沼にはまった、という人で有名です。寝ても覚めても源氏物語のことばかり。当時は

もっとみる