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2021年7月の記事一覧
国際金融制度改革の必要性7 ー 戦争から発展するデリバティブ
戦争ビジネスモデルの盛衰湾岸戦争をきっかけとして、日本では集団的自衛権、そして安全保障の話が急速に盛り上がった。集団的自衛権の連鎖は、オーストリア皇太子殺害という事件をドミノ式に世界規模の大戦に拡大させてしまった第一次世界大戦を引き起こした理屈であり、冷戦終了後にまたぞろバランスオブパワーの世界を作り出し、小さなきっかけを元に世界紛争を作り出したいという懐古主義的な考えが広がっていたことを意味する
もっとみる国際金融制度改革の必要性6 ー オイルショックの構造と帰結
2. デリバティブの急拡大こうした背景を踏まえた上で、最も注目を集めた世界貿易センタービルへのテロをどう考えるか、と言うことであるが、これはやはりグローバル経済制度に対する不満の顕在化だと考えるべきなのだろう。
テロ事件後の原油価格急騰話は少し飛ぶが、同時多発テロに前後して、国際的な原油価格がこれまでに例を見ないほどに急騰しだした。これまでも二度のオイルショックがあり、それによって世界経
国際金融制度改革の必要性4 ー 変動相場制と為替先物
戦後通貨体制の確立さて、戦後通貨体制についての構想は、シカゴ大学のジェイコブ・ヴァイナーを中心に1939年、まさに第二次世界大戦が始まった頃から動き出しており、まだ太平洋戦争の始まっていなかったその時期には、東南アジアの情勢は考慮の外であった。太平洋戦争が始まった1週間後には財務長官モーゲンソーは指揮下のアメリカ財務省で働いていたホワイトに戦後通貨体制についての草案づくりを命じ、ヴァイナーは翌年1
もっとみる国際金融制度改革の必要性3 ブレトンウッズ以前の通貨体制
それに対して、ワシントンD.C.という政治の中心へのテロと見られるものをどう解釈するか、と言うことであるが、このテロ事件の前から、ワシントン・コンセンサスという考え方で、アジア通貨危機の起こった国々に対してかなり強硬な構造改革を押しつける、という事が起こっていた。これは、IMF・GATT体制という第二次世界大戦後の国際経済秩序を規定する仕組が、その価値観に基づいて自由貿易・金融体制をあまねく広めよ
もっとみる国際金融制度改革の必要性 - アメリカ同時多発テロ20年の年に
今から20年前2001年9月11日、全世界を揺るがした衝撃的な事件が起きた。アメリカニューヨークの世界貿易センタービルに2機の旅客機が相次いで衝突してその象徴たるツインタワーが跡形もなく崩壊し、ペンタゴンへの別の1機、更にホワイトハウスか国会議事堂を狙っていたと言われるもう1機の、あわせて4機のハイジャックされた旅客機が次々墜落した同時多発テロ事件だ。その目標から見て取れることは、一つには未遂に終
もっとみる国際金融制度改革の必要性2
一応売り物として出していますが、書いた以上、読んでもらわなくては意味がなく、そして旬の時期というのもあると思うので、ここで公開してしまいます。もしまとめて手元にあってもいいな、という方は購入していただけると幸いです。
1. アメリカ同時多発テロについて
この事件は、アメリカニューヨークに建つ世界貿易センタービルという、アメリカの象徴とも言える建物へのテロを含んでいた為、アメリカの繁栄に対