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【アート疾走×本木雅弘】「金と黒の本木雅弘」紅白梅図屛風 光琳屋敷 琳派 



シン・アートドキュメンタリー 「金と黒の本木雅弘」
 2022年10月1日放送された。題名はモッくんの直筆という驚き。疾走するアートはあまりに好き成分が多くて致死量だった。何て贅沢で面白い構成。番組自体の画が美しくて芸術だった。

盛りだくさんだったのでChapter1 の光琳屋敷まで紹介

放送
初回放送
2022年10月1日(土)NHK BSP
2022年11月6日(日)NHK総合
再放送 
2023年10月14日(土)23時〜 NHK BSP  ←1年ぶり!

配信
NHKオンデマンド ※過去配信あり



私と琳派

琳派を強く認識し、大好になったきっかけは2008年の大琳派展に行ったことである。今は手元に無き「大琳派展」の図録を取り戻さねばと番組を見て思っている
 (人生で初めて買った図録)

近年の琳派の区切りの年に開催された展覧会や、TV番組で知った情報も交えてまとめたいと思う

―近年の大イベントー
2008年 尾形光琳生誕350年 東京国立博物館大琳派展
2015年 琳派400年 
 琳派の祖の一人、本阿弥光悦が1615(元和元)年 
 京都の鷹峯で、
   後年「光悦村」と呼ばれる芸術村を開いて400年
  また、尾形光琳の300年忌

―琳派のイメージ―
明るい、楽しい、自由、喜び、遊び心、平和、
300年前から今に至るまで時を超え師弟関係なく楽しむ
 
見るだけで元気になる 
紹介する方々が笑顔になっちゃう
時を超えて伝わる楽しさの伝播をもれなく受ける説



アート疾走の素敵ポイント

もっくんという人選
もっくんの秀逸なコメント
直に見る国宝(ガラスケースなし)
美術品を本来の楽しみ方で見る・使う
  日本建築の建物で屏風、掛け軸、硯箱を見る、
  器を実際使って食事
琳派の系譜のきわめてわかりやすい説明
  本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一
 
現代の芸術家による琳派作品の紹介
もっくんのリアル琳派作品創作体験
  
たらし込み・金箔張り
  先生とのやりとりさいこー(先生のキャラが良い)
  よぎるプロフェショナル仕事の流儀の本木さん回
もっくんぶつぶつ言っている

京都養源院での俵屋宗達襖絵鑑賞 
もっくん作品のおそるべき完成度
もっくんの書がうますぎた
センス溢れるかっこいい編集
センス溢れるかっこいい曲
 
番組自体もアート番組らしくセンスイイ
気楽にシンプルに楽しさ伝わる番組イイ




番組の全体構成


オープニング

Chapter1 琳派×Democracy
国宝 尾形光琳 紅白梅図屏風
光琳屋敷 屏風
琳派の起こり
光琳屋敷 床の間
光琳屋敷 食
屏風とは 
紅白梅図屏風の解釈
鴻池朋子作 紅白梅図屏風インスパイア作品

Chapter2琳派×Reborn
受け継がれるアート 琳派 私淑の説明
尾形光琳による風神雷神図屏風
俵屋宗達による風神雷神図屏風
酒井抱一による夏秋草図屏風
伊藤哲 降臨せし風雷神のために
新世代琳派×本木雅弘

Chapter3 琳派×Freedom
本木雅弘琳派に挑む 創作
黒の本木雅弘  たらし込み作業
金の本木雅弘  金の装飾作業

Chapter4 琳派×Beginning
京都養源院
 俵屋宗達宗達 唐獅子図
 俵屋宗達白象図
MOA美術館   
 画)俵屋宗達  書)本阿弥光悦 鹿下絵新古今集和歌巻

■エンディング
本木さん創作した作品に書を書く
 番組タイトルの由来判明



では、ここから番組の紹介




番組内容

オープニング

琳派作品に負けない画が撮れるもっくんの存在がすんごい

ここで流れる
FLOWER TRAVELLIN’ BAND  「Satori Part II」
 こちら 
題名 サトリ?!
wiki見たら1970年日本のバンド
内田裕也さんがらみ!!
脱線して気になり過ぎる なんだこのカッコいい曲 衝撃




静岡県熱海市 MOA美術館を訪問

300年前のアートを特別に見せてもらう

本木さんアートに造詣は?
「いやぁ深くないです。今回もにわか仕込みの知識で臨むことが
無謀かなと思っているんですけど」
紅白梅図屏風の印象  
「おぼろげな記憶の中で印刷物で見たことはあるんですけれども、国宝だったということも知らず、正直最初にあの絵を見たときには、その黒い水流のところが胃袋に見えた。
これから本物に会いに行くのですが、生き物に会いに行く
 そういう興奮があります」

この場所はここ

ところで、モッくんの緑ヘアーは、
インスパイア風神雷神かしら?!





収蔵庫から特別に紅白梅図屏風を出す

収蔵庫から紅白梅図屏風を取り出している
そこから見られるの貴重
ホンモノ運んでいる!緊張 
奥)内田館長  手前)本木さん




国宝 紅白梅図屏風登場

琳派を代表する絵師 尾形光琳の傑作

右隻(うせき)には若々しく天に向かって伸びる紅梅
※隻とは屏風の単位 説明こちら
光琳ならではの花弁を線描きしない梅の花
左隻(させき)には白梅 しな垂れた老木のよう
朽ちゆく幹は炭のにじみを利用したたらし込みの技
※後で本木さんが体験するたらし込みの技法
真ん中に大きく描かれた水流
59歳で亡くなった光琳晩年の作
右隻には若々しく天に登ってくる紅梅
左隻の白梅は老木のよう
幹は絵の外にはみ出す大胆なトリミング
墨のにじみを利用したたらし込みの技
そして、真ん中に大きく描かれた水流
流れる水は大胆にデザイン化されている
(過去の日曜美術館での説明)
本木)いい意味で意外と地味というか
あまり主張していないんだ、
極端な言い方すると上手な人のお芝居というか
開いてみてじわじわとこの画面構成の異様さというか
大胆さが後から伝わってくる感じ
やっぱりホンモノはさりげないんだなと 

内田)おっしゃるとおり晩年の光琳の到達した
最高の画境なんでしょうね

本木)最初に言った胃袋のように見えるいうのは
感覚的には腹の内というかそういう意味合いでの 
ブラックホールというか心に抱えている大きな黒いもの 

ユニークなんですよね若木と老木と言ったときに
若木なんてこうダンスしているようだし、
老木しだれながら世の中を見ている感じ
は全てを飲み込むというか、
まだまだその先に奥がある雰囲気がある
ダンスしてるみたいな若木を表現
この先ダンスにしかみえない、確かに!!
↑ この番組紹介画像を見た時、若木のダンスとは気づかず
アート的、コンテンポラリーダンスかな?!って思った
もっくん しだれながら世の中を見る老木を表現している
当初の不安をよそに琳派を楽しむ本木雅弘
ちょっ、テロップw
紅白梅図屛風ともっくんが打ち解けたw

初めて本物見たもっくんの感想の数々に唸る





奥深き琳派の世界 もっともっと奥へ

唐門 もと神奈川県大磯町の三井家別邸城山荘内にあったもの

光琳屋敷へ向かっている
緑が綺麗




Chapter1 琳派×Democracy

光琳屋敷 屏風

訪れたのは美術館の敷地内にある光琳屋敷
尾形光琳が最晩年を過ごし、
国宝「紅白梅図屏風」を描いたと考えられる屋敷を 
残された自筆の図面と大工の仕様帖
(重要文化財「光琳関係資料」)に基づき復元 図面はこちら

※この部屋は光琳屋敷の通常の見学コースからは
見られないから細部まで気になる
内田館長着物に着替えて登場
本木「内田さん、お姿がキマりまくっていて」
内田さん笑顔w
屋敷を彩る琳派
尾形光琳 秋草図屏風 
屏風の画像 Instagram リンク
本木)他の作品に比べるとずいぶん写実的というか
繊細な部分がありますね
畳の空間と馴染んでそのままの自然を
家の中に取り入れているといったような

内田)全体で部屋がふわっと明るくなりますでしょう
これが琳派の良さですね
部屋の壁の、襖の波模様の、屏風の
なんて素敵な空間
こういったものを見ると、この強い配色でも調和させてしまう
畳の存在って日本の大発明だな
ちょうど秋
寄って見られるのいい 
花が立体的
こちらは平面的 質感の違うものが混在
どこを切り取っても綺麗
内田)琳派は日本の生活芸術を結集したもの
実際に使って楽しむ。
私たちは通常は美術館の展示室ケースの中に
飾ってあるものを見ますけれど、
日本建築の中で見ますとまた全然趣が違って、
それがやはり琳派の心だと思います



琳派の起こり

琳派は暮らしを豊かにするために生まれた
興りは桃山時代後期 
政治の中心を江戸に奪われた京の都  
ー関ヶ原合戦図屏風ー 
京の町衆たちは平安王朝の文化を復興
雅な工芸品や屏風絵を生み出した
ー国宝 俵屋宗達 源氏物語関屋澪標図屏風ー




光琳屋敷 床の間

重要美術品 紫式部図 尾形光琳  
紫式部が琵琶湖のほとりで源氏物語を執筆していた時の情景
王朝の物語の気分がよく出ている
紫式部図に見入る
もっくん下にあるキコリにまだ気づいてない 
本木)えっこれはキコリですね?!うわすごい、
想像以上にぽっこりしていて大胆ですね

もっくんキコリ知ってた!さすが!
尾形光琳×本阿弥光悦蒔絵 
鼻血出そうな夢の床の間の爆誕である
リアル家屋に置かれる美術品いいなぁ
重要文化財 樵夫蒔絵硯箱(キコリまきえすずりばこ)
伝本阿弥光悦
画面とおしてもイイ!
キコリのデザインが可愛い
(光悦これにしようって思ったの天才)
キコリの顔と手足が貝殻でピカピカしてるのがたまらない
床の間にあるっていいな
蒔絵は映像で見るとイマイチなこと多いけど、
ライティングなのか、撮り方が上手い、
カメラが凄いのかすっごく綺麗
ピッカピカでぽっこり
超造形美
よくある硯箱は四角くて平
よくこんなに丸くしようと思ったなって
何回見ても おおおおおって思う

重要文化財を素手でおもむろに開いて下さるの図
素手の破壊力w 特別感の極み
※ちなみに蒔絵は耐久性がとんでもないことを以前知った
 (だから大丈夫なんだ きっと) 
1000年もつし、100度の熱湯も大丈夫、傷もつきにくい
カビも広がりにくい 漆スゴ
使うこともできるし床飾りにもなる
琳派の工芸品の特色



琳派の系譜

始祖は本阿弥光悦俵屋宗達とされ、
その100年後に尾形光琳、尾形乾山兄弟が発展させ
酒井抱一によって昇華
時空を超えて受け継がれて来たアートムーブメント
  それが「琳派」  
ここ一番大事 !

ここでフランク・シナトラのWhen You're Smiling流れる
琳派でこれを選曲 センス良すぎ 曲はこちら

 

光琳屋敷 食

尾形乾山の向付 椿の図柄
本木)くっきり楽しげですね 見て美味しい
乾山の器 可愛い
盛り付け 可愛い
漆の器 美
中身も美
お皿と食材の色合い 全部芸術
伊勢海老ぃぃ
乾山のお皿 ちら見えでも可愛い
なんて綺麗な色の組み合わせ
本木)琳派というのが、
それまでの大名や貴族じゃなくて町衆、
いうなれば民衆が楽しむ芸術の世界、
そういう意味では
芸術民主主義というか
すごい出来事だったんでしょうね
内田)多分これは当時としましては
世界的に見ても日本が一番進んでいたのではないかと
町人階級の掛け物から着るものから食べるもの、食器に至るまで
これだけの豊かな文化を作って、
そのトップを走っているのが琳派
町の人々によって創り出された素晴らしい文化だと思います


本木)屏風の前で光琳乾山のお皿を使って
シシトウを食べるわたし

突然のポエム感、もっくん最高!w




緑が綺麗
目に映る画が全部綺麗だった


chapter1の途中
1時間番組の5分の1あたりまで

〈NHKオンデマンド配信〉

参考情報

1 モッくんの審美眼まとめ


2 東京国立博物館【日本美術のとびら】

日本文化紹介映像の躍動感カッコよいので紹介
琳派といえばの
尾形光琳 風神雷神図屏風の雷ピカーッ
長谷川等伯 松林図屏風がビューン
▶︎A GLIDE ON THE GREAT WAVE(8分)リンク



3 ニコ美「大蒔絵展」 内田館長 専門の蒔絵解説

今回説明されていた館長出演    ※無料で視聴可 
◼️蒔絵の説明が雑学的で面白い
 館長はバリバリガチガチの漆専門という 
 蒔絵全く興味なくても面白い
◼️蒔絵の細部が見られる
 
カメラで近づき 肉眼で見逃しやすい超絶技巧確認可
◼️館内の説明興味深し
 冒頭に館内の案内もあり
 美術館の部材に室生寺の八世紀の古材使用 etc


4 乾山写

乾山の器は写が買える


5 紅白梅図屏風インスパイア曲(想像の斜め上)

6 その他解説


おわり


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